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A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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企業人とのネットワーキング

以前から少し紹介していましたが、毎日様々な形で、企業の人がプレゼンや授業をしに来ています。
今週月~水を例にとって、どんな企業がどんなイベントで何をしているか、書いてみます。

・ 9月22日(月) 昼12:30-13:30 企業説明会(IT企業)
 世界最大のオークション・サイトを運営する某シリコンバレー企業で、まさか、と思ったけど、
 大学、仕事、MBAを通じて非常にお世話になっている、私の大先輩がプレゼンターでした。
 日本で一緒に働いていた時には、「お互い英語できねえなあ~」と言ってたのがうそのように、
 見事に観客を沸かせて、こんなに仕事で英語ができるのか、と感銘を受けました。
 
 企業のプレゼンの内容は通常、下記のようになっていることが多く、
 アメリカの企業家がどう会社を大きくしてきたのか、どんな課題をどう克服しようとしているか、
 など、聞いているだけで非常に勉強になります。
 (1) 会社の歴史・成長の軌跡と培われた企業風土、現在のビジネス内容と組織構成
 (2) 今後何をしたい会社か、それには、どういう難関が待ち構えているか
 (3) 従って、どういう部門に、どういう人材が欲しいのか
 (4) 具体的にどんな仕事をしているか、どういうキャリアパスがあるか
 これらの情報のうち、何かが欠けていると、
 皆不安になって、大抵、誰かが質疑応答で突っ込んだ質問をします。
 そこで、会社の弱みが露呈することもあり、これはこれで面白いです。

 一方、この会社の場合は、上記全てをプレゼンの中で言い切った上に、
 途中でクイズ(当たると景品付きなし)を入れたりと、親しみやすいプレゼンだったので、 
 質問時間では、プレゼンター個人が、どういう仕事をして、何が楽しいのか、など、
 具体的な仕事ぶりを聞くことが出来た、とてもよい説明会でした。

・ 9月22日(月) 夕方16:00-18:00 製品管理の授業(企業の人のプレゼン)
 確定申告や中小企業向け会計ソフトウェアで有名な企業の製品開発部長が、
 「いかに顧客の要求をつかむか」の題目で、授業をしに来ていました。
 今までどうやって巨人ソフト会社に立ち向かって来たのか、その一端が、
 具体的な施策を伴って(下記(1)~(3)で、実際に新製品がどう変わったかを説明)
 理解できて、とても面白かったです。
 (1)顧客の家に、2~4人で半日くらい張り付いて、どう自社製品を使っているか、
    全然関係ない動き(例:本棚で本を探す)を含めて、徹底的に観察する。
 (2) これを持ち帰って、開発チームを「全員」集めて、顧客が困っていることを何でも発見し、
   もっと楽にできるように助けてあげる方法を、「なぜを5回繰り返して」考える
 (3) アンケートもとるが、「こういう機能が欲しい」という要望は、“一切”無視する。
   これを全部聞いたら、結果は非常にいびつなソフトになるため。
   その代わりに、(1)(2)のやり方で根本問題解決をして、
   次の商品では、そもそもその要望を思いつくきっかけをなくす

 赤字になっている部分、頭で分かっても、なかなか出来ないだろう、
 と思い、どうやったか質問したかったのですが、中間試験のため退場となり聞けず。
 ただ、この部長さんがリーダーシップを発揮して人をかき集めたことは間違いなさそうで、
 MBAで得るスキルは、こういう正しいリソース配分などに、役立つんだろうと感じました。

・ 9月23日(火) 12:30-14:00
- 某消費財メーカーの会社説明会
- 非営利企業・NPOでインターンをした2年生による1年生向けの体験談プレゼン
 がバッティングしていましたが、両方満席のため、不参加になりました。

 ちなみに、体験談プレゼンでは、大抵3~5名くらいのパネリストが、
 下記のような内容を一通り話したうえで、質疑応答、個人的な人脈作りになります。
 - 過去の経歴、何故その会社に応募したのか、どんな仕事をしたのか、今後どうするか
 - この時期に何をしていたのか、何故か、こうしておくべきアドバイス
 - 各会社毎のカルチャーや、準備などの情報交換

・ 9月23日(火) 17:00-18:00 起業家の生活 プレゼン
 
企業人とのネットワーキング_c0174160_14372962.jpg


 Tシャツにジーンズという格好でやってくるCEOも、土地柄です。
 - 工学部時代は遊び呆けていたが、インターネット関係のプログラムだけは身に着けた
 - 就職して営業サポートのエンジニアをしたが、毎回営業から同じ質問が来るので
   勝手にWebページを作り、必要な情報を載せて、営業に見るように言ったところ、
   自分の仕事がなくなった。半年でやめた。
 - その後職を転々としたあと、MBAに行ったが、起業をするためほぼ授業には出なかった
 という彼が立ち上げたサイト(直接張らずに、説明しているサイトにリンクします)は、
 ”自分のPR"をWebにアップして、それを異性に、”熱い”か”ダメ”かを人気投票してもらう、
 というものでした。
 まだ最初のドットコムバブルが弾けていない時代に、
 今のSNSの始まりのようなサイトをひっそり立ち上げ、
 一切広告費ゼロ・何もせずに毎年収益を稼ぎ出している彼は、
 今はそれをエンジェルマネーとして中小企業に投資しているそうです。

 残念ながらあまり理解できませんでしたが、スラング&下ネタ(画像つき)満載で、
 今まで聞いた中で一番大爆笑が絶えないスピーチでした。
 
 <教訓>
 ・ 一生懸命働くより、賢く創造的であるほうが勝る
 ・ 「断片的」であれ。必要なもののみ全力でかき集めて、他はすてろ
 ・ 絶対にあきらめるな。失敗したら学んでもう一回やれ。私も3回目の起業で成功した。


・ 9月23日(火) 19:00-21:00 金融関係企業19社が集まったパーティ
企業人とのネットワーキング_c0174160_1438016.jpg
 
 こんな会場で、立食パーティー形式の説明会でした。
 金融関係企業、とは言うものの、半数近くは、テクノロジー・関係企業の財務担当職でした。
 うちの大学の強み・弱みを改めて認識。
 今回は2年生や、夜間MBAの人が主な対象だったので、数社と雑談をして帰りました。

・ 9月24日(水) 12:30-14:00 企業説明会(計測機器メーカー)
 同じ時間に、ネズミの遊園地で有名な人気企業が説明会をしていたため、
 人が大量にそちらに流れていたため、40人の定員で半分くらいしか埋まっていない、
 しかもそのほとんどが夜間MBAの方、という珍しい説明会になりました。

 私が名前を聞いたのは初めてだったのですが、とにかく計れるものは全て計る、
 計測機器と名の付くものは何でも作っている、会社でした。
 大きく電気計測とバイオ計測の2グループに分かれていて、例えばオリンピックでは、
 陸上競技のタイムや飛距離は電気計測グループの商品が測定し、
 その後の薬物検査はバイオ計測グループの商品が測定する、ということです。

 日本でこの業種の企業といえば、ノーベル賞の田中さんの企業とかが思いついたので、
 「MBAから財務担当者を募集」という理由がどうしても思い浮かばなかったのですが、
 質問した結果、下記で明確になりました。
 ・ 全世界で従業員が約2万人。日本にも研究所がある
 ・ あらゆるものの品質管理に我々の機器が使われるので、
   世の中で何か新商品が出るたびに、我々も新商品を出すことになる
  (この意味で、今は、電気よりバイオが2倍以上スピードが速いらしい)
 ・ また、この10年で、「製品力中心」から「顧客訴求力中心」に競争が変わり、
  いかに顧客の要望を聞き取りカスタマイズするか、というところに研究開発費がかかる
 ・ このカスタマイズ&新商品で、毎年数万の研究案件となり、
   その1つ1つのGo or No-go判断は本来マーケティング部で任せるが、
   最終収益責任のある財務部がかなり深くまで踏み込み、判断することがある
 財務視点と顧客満足視点の双方から、選択と集中の判断を行う、
 となれば、確かに、「技術に強いMBA」が、求められるフィールドなのでしょう。

 また、「海外からの留学生は基本的に採用しないはず」、だそうで、
 軍事産業の企業だからかもしれないですが、改めてストレートにいわれて、
 留学生の就職は厳しいんだなあと実感しました。
by golden_bear | 2008-09-25 15:34 | 就職活動
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