A Golden Bearの足跡 |
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某先輩のブログタイトルをそのまま使ってしまいましたが、今学期の必修授業は本当に、私の中での評価と他人の評価が違うな、と思いましたので、それを含めて簡単に紹介します。
(1) Strategy (経営戦略) (2) Leadership (リーダーシップ) (3) Ethics (倫理) のうち、本日はまず(1)を説明します。 (1) Strategy (経営戦略) この授業は、やることが多い結構大変な授業です。毎回の授業自体は、主に最近の企業間の競争を取り扱ったケースを、某経営コンサルティングファーム出身の南米人系の教授が、軽快な早口の語り口でバッサバッサと解きほぐしながら、いつ、何を元に、どういう判断をして、成功/失敗したのかをあぶりだします。この授業の準備に結構時間がかかるのに加え、チーム課題として ・ 毎週1つのケース分析を数ページのレポートにして提出 ・ Strategy Gameへのインプットを週2-3回実施(後述) ・ 中間、期末レポートの作成 があるので、たかだか1教科ではありますが、毎日チームで議論のメールが頻繁に飛び交います。 チームメンバーは、私の他に下記3人 ・ Wall Street大手投資銀行出身の、インド系アメリカ人女性 ・ テキサスの弁護士 ・ 地元会計系コンサルファーム出身、学部もUCバークレーという根っからのカリフォルニアン 東、南、西、日本、というアメリカっぽいチームです。 周りを見渡すと、皆授業を褒めて、授業以外の課題に辟易している感じなのですが、私は全く逆。授業自体にはあまり感銘を受けず、むしろチーム課題にはまって精力的に取り組んでいます。 授業は、確かに経営戦略の基礎を学ぶ、という面では目から鱗の学びが詰まっていると思います。教授はまるでコンサルタントがミーティングをするように、軽快に黒板にフレームワークを使い、皆の意見をあぶりだしながら軸に沿って課題を抽出していきます。また、徹底的に数字、ファクトにこだわったり、最後に意味合い出しを抽出する過程なども、ああ、この人コンサルタントなんだな、ということがよくわかります。 しかし、私にとっては、5年以上仕事でやってきたこともあり、モチベーションがあまりあがらないです。1つには、現場の緊張感がない教室という場で、過去の事例という、答えが出たものに対して行われること。もう1つには、扱っているケースがわかりやすさ・面白さを重視しているためか、大成功/大失敗という極端な話だったり、偏りがあること。「紹介したいフレームワークに当てはめたいから、事例を後付で持ってきたんじゃないか」という視点で授業を聞くことになり、あまり実践で使える気がしないのです。実際、これらのフレームワークに基づく戦略立案は、過去多くのクライアント企業と接してきて、既に多くの企業が意図的に、あるいは、無意識に実践しているにも関わらず、成功する企業はごく一握りしかない。従って、この授業で学んでいること=基礎は、その通りやっただけじゃ多くの場合うまく行きませんよという内容を懇切丁寧に教えているような気がします。 一方で、チーム活動のStrategy Gameは、とても面白いです。これは、8チームが毎週2-3回、4つの異なる性質を持つ市場に対して、「参入するかどうか」、「生産キャパシティを変化するか」、「価格を幾らに設定するか」、「他チームに対してどういうパブリックコメントを出すか」、の情報を入力するだけ、という単純なゲームです。全チームが入力し終わると、各市場でどのチームの商品がどれだけ生産され、幾らで売られていたか、及びパブリックコメントを見ることができます。 このゲームを面白いと感じる点は、下記にあります。 ・ 今までの勉強を総復習できる: そもそもミクロ経済学の需要・供給曲線、ゲーム理論、寡占理論がベースになったゲーム。しかし、これにとどまらず、需要曲線を洗い出すために統計学でやった多変量解析、マーケティングで扱った損益分岐点分析、ファイナンスで習ったローンの理論など、秋学期に習った課目を一通り繋げて戦略を立てることが可能です。 ・ 「戦略は基本通りやるだけでは、うまく行かない」、をそのまま実証している: 実は、我々のチームはたまたま理詰めで好戦的な人々が揃ったのか、最初にチームが置かれた状況を見て、「これは場そのものをかき回さない限り、うちのチームの勝ち目はない」と全員で共通認識を持ちました。そこで、1発目にわざと、通常ありえない極端な数字を出しました。最初のターン終了後に、教授から各チームの戦略に対して、「この会社の株を買うかどうか」、という一言アナリストレポートが出てくるのですが、我々1チームだけ、「激しく売り」という最悪の評価。同じ市場に張っていたチームから「あのチーム正気じゃない、頼むから消えてくれ」と叫ばせたりしています。 ・ チームメンバーと濃い議論が出来る: 実際に上記のような悲惨な評価を受けたりすると、チーム内でも「この戦略は諦めた方がいいんじゃないか」、とか、「一度損を出しても価格を吊り上げるべきか、逆に大きく価格を下げるべきか」、といった議論で、結構意見が分かれます。そこで、2発目、3発目の数字を出すために、深夜に渡り練りに練った議論をすることになりました。その結果、今のところ、かなり思い描いたとおりの結果(必ずしもベストの結果ではないが)が発表され、チームはものすごく盛り上がっています。一方、他のチームを見渡すと、このゲームのインプットをどうするかについては、少なくとも我々と直接競合しない限りは、オーソドックスにやっていれば、そこまで真剣に悩む必要が無いと思われます というわけで、恐らく普通とは多少違う視点で、戦略の授業を楽しんでいます。次回、他2つの必修授業についても簡単に説明します。
by golden_bear
| 2009-04-13 09:08
| 学業
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