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A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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春学期後半(Spring B) 授業の全体像 - 1年目終了まであと1ヶ月

長らくブログをお休みしていました。3月末には1週間Japan Trekで毎日睡眠を削り、帰国後4月頭に急激に怒涛の課題&作業ラッシュに突入し徹夜続き。なのに先週末にワイナリー10箇所を訪問して飲みまくって泥酔。眠れずにYahooで広島-巨人開幕3連戦の実況を見てますます眠れない(私は広島ファン)。脳内時間と身体時間と太平洋標準時が完全に狂った生活をしておりました。これではあかん、ということで、気を取り直して、ちょっとやり方も変えながら、ブログも復活させたいと思います。

気がつけば、もう春学期後半(Spring B)も半分が過ぎようとしており、もう中間試験の時期です。実は入学時に、今の2年生から、「1年生の秋学期はめちゃめちゃ忙しいけど、春学期、特にSpring Bはとても暇だよ」、と聞かされていたのですが、私にとっては、全く逆。昨年秋に比べると、今学期は2倍くらい忙しい印象です。また、そのせいもあってか、得るものもとても多い学期です。

それでは、何故忙しいのか。理由を3つ、並べてみます。

(1) 昨年と授業内容に変化あり
今学期は、下記7つの課目を取ってます。
- Strategy - 2単位
- Ethics - 1単位
- Leadership - 1単位
- Intro to MOT - 3単位: Spring Aからの継続
- Technology, Innovation & Leadership - 2単位: Spring Aからの継続
- International Business Development - 2単位: Spring Aからの継続
- Merger and Acquisition Practical Primer - 2単位: Spring Aからの継続、4月9日を持って無事終了!

上記のうち、Leadershipは、今の2年生は秋学期後半(Fall B)に組まれていました。ところが、この授業の評判があまりにも悪かったためか、はたまたプログラムオフィスが「秋が忙しく、春が楽」というフィードバックを聞いて改善したためか、今年は先生もカリキュラムも完全に一新して、Spring Bに移ってきました。こうして物理的に秋が楽になり、春が忙しくなりました。さらに、春学期の先生は比較的、授業時間枠一杯に詰め込んで、早口でしゃべる人が多い。実際に「こんなの多すぎて教えきれない」、と口にしてる先生もいるくらいです。こういう事情も知らず、よく中身を見ずに、「春学期は暇だよ」という情報を鵜呑みにして、選択科目を取りすぎてしまったことが、忙しさを助長しています。

一方、このおかげで、この成長途上のHaasが毎年進化しているさまを、肌身を持って実感できていると思います。入学前いろんな卒業生の方に、「Haasは学生のやりたいようにやらせてもらえるし、例えば要望すれば自分で新しい授業とかどんどん立ち上げられる」と聞いていたのですが、まさにそんな感じで、来年以降もっと変わってくる、また、我々自身が改善していくのだと思います。

(2) とにかく読む量が多い
この7科目のうち、事前に予習でケースを丹念に読まなければならない課目が、5個もあります。これは、私の場合Fall A, Fall B, Spring Aではそれぞれ2個、1個、2個だったことを考えると、圧倒的な苦痛です。工学部出身+純日本人+コンサルティングという経歴の私にとって、ケースを読まないですむ課目は、数学で勝負できる分、比較的サボったり手を抜いたりしても後で挽回可能でした。一方で、英文を読む時間は未だに周りの学生の1.5~2倍(入学時に3倍だったのに比べれば進歩したが)。したがって、ケースが多いと読む時間が増えるわ、融通が利かないわ、で、自由時間が格段に減ってしまいます。

(3) マネージしなければならないチームの数が多い
この7科目のうち、Ethics以外の6科目全てにチームワークが課されています。しかも、全部ばらばらのメンバー。これは、秋学期は全ての授業をずっと同じ5人のスタディグループでやり続けたのと、大きな違いがあります。

今振り返ると、秋学期のメンバー5人は、役者が揃った素晴らしいメンバーに恵まれた上に、、阿吽の呼吸が取れていたと思います。このメンバー達のおかげで、英語が極端にできない日本人の私にも、活躍の場がありました。例えば、最初は、主に定量分析で完璧にミスのない答えを毎回チームに提供することだったり、議事録作成や全員の作業分担と時間管理だったり、と、アナリスト兼秘書的な役割で貢献。これを繰り返すうちに、徐々に、お互いに苦手分野を引き取り、得意な人がコーチするようになって行きました。

このように、1つのチームで役割分担をしながら互いに高めあう、というスタイルは、いわば「専任プロジェクトベースの働き方」
・ 前職のコンサルティング業界での働き方と同じ
・ いざ自分が忙しくなったときに、お互い他のチームメンバーにヘルプが頼み易い
という、私にとっては前職の働き方をそのまま英語に置き換える訓練になる、居心地が良い環境でした。

しかし、今は6つバラバラのプロジェクトを抱えており、さらにそれはどのチームメンバーも同じ状況です。これは、いわば「事業会社が多数のプロジェクトを走らせている」働き方と思います。特に優秀な方ほど兼任の仕事を沢山抱えてしまい、かえってボトルネックになってしまうような現象を、前職の顧客企業の中で幾度となく見ていましたが、今度は自分でその立場に立っている気分です。

・ チームに、その課題に対してベストなメンバーが揃っている、とは限らない
→ そこはチームワークで補うべきだが、チームが組まれた時点で、知らない人だらけなのに、あまりお互いについて深く知る機会がなく、チームワークも何もない。
→ とりあえず最低限、1週間の予定だけは予め最初に決めておかないと、緊急に何か入っても対処できないことが多い
→ なのに、突発的に色々なことが起こるので、どうしてもメールベースでその場で議論せざるを得ない
→ メールの数が死ぬほど増えて、メールボックスがパンク。さらに、全てのメールを読めないと、自分のミスも増え、諦め気味になる
→ 本来自分でやってしまえば直ぐ終わる仕事でも、頼んだ相手がパンクしてるのかサボってるのか、仕事を上げてこないので、全体が遅れる。
→ 最後は締切直前に全員で1つの仕事に同時に取り掛かり、非効率な待ちや手戻りが何度も発生。仕方なく、締切ギリギリにやっつけで無理終わらせるが、アウトプットの質がとても低い。
→ 従って、自分自身は常にものすごく忙しい作業に追われ続けているにもかかわらず、チーム全体の仕事の進み具合が、自分のイメージに比べてあまりにも遅く、悲しくなる

このように、コンサルタントをしていただけではわからない、多数の発見があります。その際たるものは、役割も権限もインセンティブも責任もないのに、自然とリーダーシップを取らざるを得ないこと。これは、「自分で納得いかない」ものが沢山増えて、「腹が立つ」ので、「自分で納得いくように、他のチームメンバーを無理やり動かそうとする」ためです。しかも、Skillも、Willもあるのかないのかわからない相手に対してです。これは、課題の内容、相手の性格や文化、自分の置かれた状況などなどによって、個別にリーダーシップの使い方を変えなければならない分、恐ろしく勉強になります。


というわけで、単に過ごしているだけでも勉強になるSpring Bですが、実際の勉強内容も、私にとってはとてもためになっています。その内容詳細は、明日以降、毎日、ないしは、2日に1回くらいのペースで、小出しに上げるようにしてみたいと思います。今までは、週に1回程度、まとめて投稿するスタイルでやってきたのですが、特に今学期は日々面白い発見があり、少しずつ書き溜めているのになかなかあげられない。どんどんたまるうちにまた新しい発見が増える、という悪循環に陥っていたため、打破したいと思っています。「20日近くサボっていたのにできるのか」、という不安もあり、果たしてこの方針転換がうまく行くかわかりませんが、あと1ヶ月しかない1年目の学生生活、頑張ってみようと思います。
by golden_bear | 2009-04-10 21:57 | 学業
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