A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
ブログパーツ

<   2010年 03月 ( 8 )   > この月の画像一覧

孫正義氏のUCバークレー学生生活秘話

UCバークレー卒業生の孫正義氏が、2010年3月29日に東京国際フォーラムで行われた来年新卒採用の学生向け講演会にて、2時間以上に亘って行われた演説の、前半40分程度が孫正義氏ご自身の大学生時代の話でした。この動画がWeb上に期間限定(4月5日まで)で公開されているようですので、下記にリンクと共に紹介させていただきます。

USTREAMによる動画(2010年4月5日まで公開)→終了

高校を辞めてアメリカに行きたくなったきっかけ、その初志貫徹の仕方、入学以降の誰にも負けない勉強姿勢、UCバークレーという場所の「使い倒し」方、そして20歳以降一度もぶれない人生の「志」、「登る山」の設計と、スピーチ内容の一つ一つが心に染み渡り、妻と2人で40分間、食い入るように鑑賞。この続きも聞きたくなって、結局映画を1本見る感じで(中国語の宿題やりながら)2時間バージョンを聴き通してしまいました。

こちらに要約してテキストに書き下ろしたものがあるようなので、そのリンクも貼っておきます。
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その1)
実際のスピーチで見たほうが全然迫力があると思いますが、期間限定かつ長いため、見れなかった方はこちらをどうぞ。

------------------------------------------------
ここからは余談ですが、見て個人的に思ったことを2つ

○ 住む場所が人の属性に大きく影響を与える
孫氏が私のルーツがある九州の言葉で、私が今住んでいるバークレーについて語ったことで、ものすごい親近感とビジュアルイメージが沸く。ABCのインド・フォーラムの記事で、「インドで物が売れるかどうかは、各地方独特の方言が通じるかどうかが大きく影響する」と書きましたが、それを自ら感じることになりました。また、本当かよ、と思うような内容でも、本当にその通りやってる学生が一杯まわりに居ることから非常に納得でき、内容そのものの良さが何倍も増幅されて聞こえる。こうして、私自身もこのバークレーの環境で2年間学べた、という、一生切り離せない貴重な経験を、今後の人生に生かして生きたい、と強く思いました。(このとき妻には、「食事のときに私の作った料理に集中していない所だけは、孫さんとそっくりだね」、と言われてしまいましたが、、、)

○ 米国の大学(学部)に留学する意義
2週間前にシリコンバレーで行われたKeizai Societyの講演会、Three Scenarios for Japan's Global Futureの中でも、ハーバード大学(学部)の日本人学生が合計で1桁ということが指摘されていました。また、3/6(土)にバークレーで開催したスタンフォード大学との日本人学生交流会JGRB-SJAにおいても、スタンフォードの日本人学部生は、ハーバードと同様、殆どいないという話を聞きました。

UCバークレーに関しては、もともとアジア人が全体の4割以上を占め、コミュニティー・カレッジ経由での入学可能、ということも関係しているのか、ハーバードやスタンフォードに比べれば、数~十数倍の日本人学部生がいそうな感じです。それでも、まだまだ増加の一途をたどる中国人や韓国人留学生数に比べると、絶対数も勢いも衰えている、という公開データを友人に教えていただきました。
(図: UCバークレー学部生の国籍別推移。ソース:UC Berkeley International House資料)
c0174160_15295572.jpg


こういう話やデータがあっても、他の文脈がなければ良し悪しも不明な上、自分にどうすることも出来ないため、ふーん、と思うだけだったのですが、本日孫正義氏のバークレー学生生活を聞き、改めて2つのことを強く意識しました。

- 「数ではなく、質の問題」:
韓国人がいつの間にか日本人の十倍になっていようと、結局孫正義氏のような人が1人生まれるかどうかの方が重要。そもそも、孫氏の時代に似たような考えを持った日本人留学生が、今と同じ数の数十人もいたかどうかも判らない。従って、数の問題ではなく、個人がどれだけがむしゃらに頑張って質をあげられるかが重要。こう考えれば、私もあと2ヶ月、がむしゃらに質を高めて生きたい、とやる気が出てきた。

また、「質」が指す方向性についても、孫正義氏が最初の起業時の心情を、「日本人の中に1人くらい変人が居ても良いと思った」といった話を、どこかのビジネス雑誌に書いていたことを思い出す。そもそも奇人・変人が多いバークレーという場所が孫氏に何らかの影響を与えたかどうかは不明だが、私も人と違う道で堂々と価値を出せるようになりたい、と思う。

 - 「米国の大学は、改めて凄い場所」:
個人の資質を高めて世の中に価値を生み出す場所としての、米国大学のシステムの優れた点を思い出す。もちろんシリコンバレーと密接な関係にあり起業しやすい、という側面や、バークレーが東海岸のアイビーリーグに対抗して実学重視の大学(州立の公共性&工学部に優れる歴史に垣間見れる)である、という面も、孫氏のスピーチと併せて当然想起される。しかしさらに今回別の視点から感じたこととして、今学部生と一緒に受けている中国語の授業があります。理系/文系・大学院/学部問わず、受講生の皆様の頭の回転の速さはもちろん、多くの方は「この中国語は一番楽な授業」という感想で、毎晩深夜まで専攻の勉学や研究に取り組む姿を見ると、落ちこぼれの私からは敬意を表したくなります。このように研究機関に加え人材育成機関としての米国の大学の凄さを思い知るとともに、こんな中だからこそ、スピーチに出てきた孫氏の大学生としてのモーレツな学習態度が生まれたのだ、と納得です。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-31 14:20 | 学校以外のイベント

マウイ島旅行(3/3) 島での体験 Best 5

最後に、4日間半のマウイ滞在における体験Best5を、順に並べておきます。

(5) ビーチ&シュノーケリング
1つのビーチを見学、2つのビーチでシュノーケリングをしました

○ カパルア・ビーチ(Kapalua)
島の北西にある、リッツ・カールトンなど最高級ホテルとコンドミニアムが並ぶエリアのビーチ。マウイ島は、全てのビーチが一般開放、駐車場も無料(混むけど)なので、こういう最高級ビーチにおおっぴらに勝手に入れるのが素晴らしい。
c0174160_17361613.jpg
この建物はリッツ・カールトンのコンド。空室率90%くらいに見えるのは、不況が続いている証拠だろうか。
c0174160_17362530.jpg
西に沈む夕日も綺麗でした。ちなみに、ここでは鯨やイルカの大群が肉眼で見えるのももちろん、シュノーケルにも良い場所だそうです。
c0174160_17363396.jpg

○ カアナパリ・ブラック・ロック(Kaanapali Black Rock)
カアナパリ自体はマウイ島で一番歴史がある有名なリゾート地。その北端にある、Black Rockという岸壁付近が、シュノーケルの名所だ、ということで、行ってきました。
c0174160_17364630.jpg
写真の通り、実は波が結構高く、海岸沿いはシュノーケルにはあまり良い場所ではありません。従って、本当にシュノーケルを楽しみたい人は、波を避けて黒岩から直接飛び込んでました。
c0174160_17365553.jpg
ここでは、数種類数十匹の熱帯魚を見ることが出来ました。さらに、泳いでいてウミガメを間近に見ることが出来たのが、感動的です。

○ ホノルア・ベイ(Honolua Bay)
カパルアをさらに北に行ったところにある、このHonolua Bayは、凄いの一言。先ほどのブラックロックと違い、マウイにしては珍しく波が全く無い浅瀬の珊瑚礁からなる湾になっていて、まさにシュノーケルには絶好の場所でした。
c0174160_173759.jpg
潜ってみると、岸から1メートルも進むと、そこはまさに熱帯魚の宝庫。数秒泳ぐごとに違う種類の群れが見えるため、恐らく50種類以上、数千匹の熱帯魚を見ることが出来ました。小さい熱帯魚を何回かに分けて食べる大きな熱帯魚、2匹の大魚から逃げまくる100匹くらいの小魚の大群、それらを無視して海底をつつくヒラメやエイのような魚、海草と色がそっくりのタツノオトシゴのような魚などなど、ハナウマ湾の数十倍は凄い。普段英語でもよく耳にする生態系(eco-system)とは、まさにこのことだろう、と改めて思いました。

これだけ凄いものを見たにも関わらず、第5位としたのには理由があります。実は、このホノルア・ベイ、殆どのガイドブックには言葉だけの表示にとどまり、詳しく載っていない。「水に立ち入り禁止」としているガイドブックすらある。聞く所によると、有名になってからあまりにも人が殺到しすぎて荒らされてしまったらしく、現在は自然保護区扱い。地元の人々により非観光地化:案内表示も公式駐車場もなくし、見つけられないようになっていました。

我々は、公式ホームページでシュノーケリングやって良いと書かれていること、コンドについていたガイドブックにお勧めと書いてあったこと、たまたま場所を発見できたことから、シュノーケリングをやりましたが、実際、岸から3m位以内と以遠の場所を見比べるだけで、人が如何に環境を荒らして魚を住めなくしているか、を実感します。帰り際においてあったHonoluaの環境保護の募金箱に寄付してしまうくらい、後ろめたい気分になったのです。


(4) 食事
ハワイ料理は、基本は魚とグリルが多めのアメリカ料理、という印象ですが、食べたもので美味に感じたものを記します

○ Dragon Dragon (中華料理): ハワイアンっぽいメニューもある中華料理で、味もとても美味しい。量が多く、余った分を持ち帰れるのも、コンド生活にはプラス。
c0174160_17372019.jpg
○ Mama's Ribs & Rotisserie (弁当屋): 牛肉とチキンのリブを持ち帰って、地ビールやワイン、マカデミアナッツと共に食す。美味かつ安い。
c0174160_1737317.jpg
○ Hula Grill (ハワイアングリル): カアナパリ内にあるハワイ名物グリルとハワイアンカクテル。外のバンド演奏を聴ける席は45分待ち、と言われるが、中のカウンター席は並ばずに入れ、調理している様子を見れるので、悪くない。
c0174160_1738181.jpg
c0174160_17381327.jpg
○ Sam Sato's Inc(和風?創作料理): なぜか朝食とランチのみのレストラン。沖縄そばみたいなオリジナルつけ麺(?)と串焼き牛が美味。ちなみに日本語は店主以外には通じない
c0174160_17382263.jpg
○ Lappert's Ice Cream (アイスクリーム): 全てハワイの天然素材から作ったというアイス。流石に美味しい。
c0174160_17383458.jpg
余談ですが、このアイスクリーム屋の隣に格安チケット販売あり。島行きのツアー等が70-80%オフで売られてる。これ知ってれば島にも行けたのに、と思うと残念。
c0174160_17384368.jpg
○ Casanova Italian Restaurant and Deli (イタリア料理):何もハワイでイタリアンを食べなくても、と思ったが、近場に良い店があったので入ってみる。外装はヘボイが中身はゴージャス。石釜焼きのピザ"Volcano(火山)"に、カルボナーラスパゲティに、どれもこれも米国本土で普通に口にするイタリアンより相当美味しく驚く。
c0174160_17385368.jpg
c0174160_1739095.jpg
c0174160_173973.jpg
今回食には期待しなかったので、これらが全て美味だったことにも驚きますが、それ以上に、事前に何も調べなかったにも関わらず、全てその場でiPhoneアプリのYelp(日本での食べログのようなもの)で見つけた店であることに、驚きました。実際、この殆どは「地球の歩き方:マウイ」にも載っている店でしたが、最後のイタリア料理など載っていない店もある。改めて紙の出版物業界の大変さが身にしみました、、、


(3) 島1周の観光・ドライブ
既に写真を載せた風景以外で印象に残った所を下記に

○ Kipahulu National Park(7 pools): 北時計回りの島一周ドライブルートで、600箇所のカーブを超え東のHanaへ到着後、さらに先に進んだ所にある国立公園。滝から海に流れる途中にある7つのプールで、泳ぐことが出来ます。
c0174160_17392195.jpg
c0174160_17392858.jpg
c0174160_17393668.jpg
○ ワイナリー: Kipahuluを超え、南側の海岸通りを走ると、今までとは打って変わって砂漠のように木が少ない地帯が広がり、これはこれで見事。
c0174160_17394845.jpg
そして、これを超えたところに地元のブドウで作られたワイナリーが。IDを見せれば無料で4杯テイスティングできるのは嬉しい限り
c0174160_17405524.jpg
c0174160_1741256.jpg
○ Haleakala : クレーターと呼ばれる山頂。ここからの朝日を是非見たいと思い、朝3時に出発して車2台で向かったものの、山頂は0℃の暴風雨で(命知らずのメキシコ人以外は)外に出ることも出来ず。
c0174160_17411756.jpg
残念に思いながら帰る途中、高度1500mくらいのところで、雲の切れ目を発見。
c0174160_17412564.jpg
c0174160_17413279.jpg
どうやら、山頂の天気は日や時間によりころころ変わるようなので、いつ行くかは事前にネットや電話でよく確認して決めた方が良かったようです。

○ Iao Valley Regional Park: こちらは島の西側にある2,000m級火山の麓、ハワイのヨセミテと呼ばれる、Iao谷。Iao Needleという細長い山が見事でした
c0174160_17415043.jpg
c0174160_17415923.jpg
c0174160_1742733.jpg


(2) ゴルフ
ハワイのゴルフ場というととても高価で難しいイメージですが、そんなコースは貧乏学生の我々には手が届きません。そこで、初心者の我々は、友人がプレーした手頃な高級コースを1つ見学し、格安コースで2回プレーしました。

(手頃な高級コース: Makena Golf Resort)
リゾート内部にあるコースの中では、一番手ごろと思われます(時間帯により$70-150位)。それでも、とても綺麗に整備され、海辺に向かって打つ爽快で難しいコース群は、まさにハワイのリゾートだったそうです。
c0174160_17421858.jpg
c0174160_17422599.jpg
c0174160_1742339.jpg

(格安コース(1) Kahili Golf Course)
多分マウイで2番目に安い。午後2時半から、$55(カート込み)でプレー。
c0174160_17424029.jpg
実際に驚いたのは、
- サービスの良さ: 安いとはいえ、定価で$100する米国にしては高めの観光地コースだけあって、GPS付きカートに飲み物を冷やす氷、至れり尽くせりのサービスです。
- 芝の質の良さ: さすが南国の島。青々と茂り、欠けているところなど皆無。グリーンもとても良く整備されています。
- 広いフェアウェイ: 安いコースのためか、やたらフェアウェイが広い。さらに、ラフでさえフェアウェイに思えるほどよく整備されていて(いない?)。つまり、思いっきりかっ飛ばして、どこに落ちようが、安心して次のショットが打てる
- マウイの景色: コースによって、標高2-3,000mの山あり、海に浮かぶ隣の島や小島群が見えたり、そこに夕日が沈む様が見れたり、と、とにかく美しさに惚れ惚れする
- 強い潮風: さすが島だけあり、常に強風が吹き荒れる、ゴルフには厳しい条件。しかし、暖かいのと、このコースの広さに、風の気持ちよさを楽しむ余裕すら感じる。
c0174160_17424787.jpg
難しいパー3と後半のとても深いバンカーにやられましたが、殆どのパー4、5では気持ちよくプレーでき、結果普段より良いスコアになり、満足

(格安コース(2) Pukalani Country Club)
多分マウイで一番安い。午後2時半以降、$27(カート込み)でプレー。
c0174160_1742564.jpg
こちらは安いだけあり、観光客向けというよりは地元の方々を良く見かけました。前のコースよりは手入れやサービスが杜撰でしたが、元々の芝の良さと、コースの広さで、全く気にならず心地よくプレー。自己ベストを更新でき、満足。
c0174160_1743242.jpg
c0174160_17431033.jpg


(1) 同期友人たちとの交流
やはり一番印象に残ったのは、何の目的も無い旅路にて一緒の時間を過ごしたことで、いつもにない友人達の考えや視点を伺えたこと。とくに、常に一緒に居た中国人とは、丁度進行中のGoogle撤退に関する本音に始まり、中国と日本の過去、現状、未来の認識の違いまで、まさにWeb上に書けない内容に踏み込んで話すことになりました(日本人にここまで冷静に話してくれて、感謝!)。他にも、メキシコ人に聞いた国内事情(米国・日本との関係含む)や、酔っ払った米国人やインド人からの質問攻めに会うことで彼らが日本や我々の何に興味があるのか、という感覚は、心に刻まれることになりました。

ラハイナのバーにて、Mai Taiをがぶ飲みする
c0174160_17433094.jpg
c0174160_17433948.jpg
朝3時から、車2台でハレアカラ山頂を目指す
c0174160_17451390.jpg
突然バーで始まったトリビア・クイズ大会に、同期で参加。米国ネタ中心の問題構成に対し、よく見るとその場に米国人が2人しかいなかった我々は、3時間に及ぶ熱戦の末、惨敗。
c0174160_17452180.jpg


少人数制のMBAということもあり、この旅行中に会った同期の殆どとは、何らかの授業や課外活動でチームを組んだり、少なくとも全員の発言を聞いたことがあり、「どういう仕事の仕方をする人々か」という感覚はありました。しかし、仕事を離れた素顔は皆また一味違う。「飲みニュケーション」の大切さは、東アジアのみならず万国共通であることにも気付きます。こうして、Student Tripの面白さを再確認することで、改めてJapan Trekをやって良かったと思う一方、もう少し色々なStudent Tripに参加しておけばよかったなあ、と反省もすることになりました。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-29 17:34 | 旅行

マウイ島旅行(2/3) 別荘の「2つのクラウド」化

お次は宿の確保です。我々がマウイ島に行くことに決定した3月9日には、我々を誘ってくれた友人たちが、何組かのグループに分かれてコンドミニアム(賃貸型のリゾートマンション=別荘)を予約済みでした。

そんな友人たちに薦められたのが、VRBO(Vacation Rentals By Owner)というウェブサイト。このサイトは、締め切りとビッドの無いYahoo! オークションのような画面上で、下記のようなことができます。
○ 貸したい側(コンドミニアムのオーナー(個人あるいは企業)): 自分の部屋の写真、空き状況、金額、条件(支払方法やバリアフリー有無など)を提示。人によっては、地図やビデオ、利用者の評価コメントなどもアップロードしている
○ 借りたい側(私): 場所別に検索すると、建物別に登録された部屋が全てリストになって出てくる。宿泊希望日を指定すると、その前後2日の計5日分の空き状況が付記される。希望日に空いている部屋をクリックして、詳細を確認し、気に入ったものには、電話又はメールで問い合わせをすることができる

問い合わせに対しては、通常48時間以内に返答あり、と記載されています。なお、リストの並び替えは、掲載写真の枚数、部屋数、滞在可能人数、及びコメント数では可能ですが、金額で並び替えることが出来ません。こんな所に、価格競争に陥らない工夫が見られます。

------------------
これを薦められて、早速使ってみました。

3月8日
この日時点では私は妻と2人で泊まる予定。従って、韓国人カップルが泊まる建物を紹介してもらい、その建物の空き部屋をVRBOで検索。安くてよさげな部屋があったのでメールを出してみると、10分で返答がある。しかし、どうやら4泊という短い期間だと、清掃代が大きく取られるらしく、Hotels.comで見た同等のホテルの方が安いことに気付き、一旦保留する。

3月9日
私と一緒に行くことにした中国人が「良い1人部屋が無く困っている」、ということで、VRBOでコンドを探すことに。本当は妻と2人にこだわって、断っても良かったのだが、昨日VRBOで検索した際に3人宿泊だととても良さげな部屋に格安で泊まれることに気付いた上、彼から中国語や中国の状況を聞きだす良い機会と考えた。1-bedroom (2-4 people)というタイプの部屋で、我々夫婦がbedroomに、彼がリビングのConvertible Bed(ソファーの中を開くとベッドが出てくる)に寝る前提で検索する。

西マウイで、VRBOに登録のあるコンドの部屋(全タイプ)は、目分量で合計約1,300件
- カアナパリ620
- ラハイナ170
- カハナ 160
- カパルア130
- ホノロカイ120
- ナピリ  90
- その他  10

ざっとこれらのリストを眺めて、価格が一定以下で日程に空きがあるものに片っ端から問い合わせをかける。その数31件。

当日中に返答があったもの: 8件。うち、
 - 問い合わせたそのものに空室有り:4件、
 - 空きは無いが他のコンドを2件薦めてきた人: 1件
 - 既に埋まってしまった連絡: 3件
というわけで、この時点で6件のコンドから空き状況を調べることに。

この日の夜、中国人夫婦(奥様は別の仕事で今回の旅に来れない)と我々で、6件のコンドそれぞれを比較する。ポイントは
- 価格
- 内装の豪華さ
- クーラーの有無
あたりで、優先順位をつける。だが、どの部屋を見ても日本で考えると1泊1人数万円しそうなスイートルームに見える。今回我々が見た所は、諸経費全て込みで1人1泊$60以下で泊まれるため、結局どこでも素晴らしいよ、という結論に。とりあえず優先順位の高い所に問い合わせをいれる。

3月10日
早朝に、2件新たに返答あり。うち1件は通常1泊$600する場所も内装も豪華な有名コンドが、1泊$99で良いとのこと。早速予約するつもりで問い合わせを入れると、「実はもう1人仮押さえしている人がいて、彼らが24時間以内=夜8時までに返答したら彼らのもの、それを過ぎたらそこから貴方が予約できるよ」とのこと。

昼までに、昨晩問い合わせた所から返答があるが、優先順位の高い2件は既に埋まっていた。3番目の物件よりは、早朝に来た1泊$99の所の方が良さげなため、午後8時まで待つことに。

夕方までに、さらに13件返答あり。うち、空きがある、という連絡は4件。このうち1件が、1泊$99、というもの。多少、早朝のものよりへぼく見える&クーラーが無いが、昨晩のものよりは気に入ったので第2希望に。

夜7時半に、第1希望のところを再度確認してみると、「丁度2時間前に仮押さえしてた人が予約完了したよ」、という残念な連絡があり。従って、第2希望の所に対して、予約すると電話で連絡する。すぐに、合計金額の確認だけメールが送られてくる。1泊$99に、税金(ハワイ州の消費税は安く4.5%くらいだが、宿泊には別に8%くらい追加され、12-13%ほどかかる)と清掃費(何泊しても同じ料金。場所により様々)が取られて、結局4泊で$580程。つまり3人で1泊$145なので、1人1泊$48で済んだ。コンドによっては、さらに駐車場代(1日1台$10-20程度)も取られるが、我々の所は車1台まで無料。また、エキストラ・ベッド代(1日$20程度)も、不要だった。

全体を集計すると、(1,300件のうち)31件問い合わせたものに対して、8+1+13=22件(約7割)返答があり、うち実際に空き物件を紹介してもらえたのが6+1+4=11件(約3割5分)。

3月11日
朝、契約内容が長々と書かれたメールが送られてくる。こちらがここで取らなくてはならないアクションは下記2つ。滞りなく終わる。
 1. 指定金額を入金する: 今回の人には、Paypal経由で振り込むことができ、安心だった。
 2. サイン: 契約内容に対する入居者3人の全員がサインをし、Fax又はスキャナで送付

3月12-14日
 サインした後ではあるが、中国人から、ソファーベッドのシーツは持ち込まなきゃいけないのか、とか、鍵は3人分あるか、どうやって鍵を受取るか、とか色々な質問が出てきて、その都度転送する。親切に答えてくれるが、鍵に関しては"The lock box key should be left in the lock box at all times. Therefore, any one of the three of you can use the lock box key for entry any time. Just replace it each time back in the lock box. Finally, there is no front desk. The key is in the lock box on the door. The combination is XXX. Then there should be keys in the unit."という説明。lock boxというのが何をさすのか良くわからないが、とりあえず行けば何とかなるだろう、と考えることに。

3月19日
マウイに夕方到着後、Lahainaのバーで夜11時過ぎまで合計12人で飲んだ後、我々3人は早めに退散し、コンドに到着。我々の部屋を発見すると、網戸と普通のドアの二重扉になっている。網戸を開けた先のドアに、番号を押すタイプの錠が掛かっており、これがlock boxだと理解。"combination XXX"に書かれた数字を押してみるが、何も応答が無い。そこに通りかかったオバチャンに教えてもらい、暗くて押す数字のボタンを間違えていたことに気付く。数字を押した後にOpenというボタンを押し、lock boxが空いて中から鍵が出てきて、これにて部屋に入れることに。Webでの説明通りに、美しい部屋が広がっている。


部屋自体の写真は取らなかったのですが、実際にどんな部屋だったか、下記様子の一端を記します。こんな外観の建物です。
c0174160_21275670.jpg
安さの理由は工事中だから。しかし、昼は基本的に出かけているし、工事の場所もエレベーターホールとかだけなので、殆ど気になりません。
c0174160_2128874.jpg
部屋自体のイメージをウェブサイトから拝借。
c0174160_21282197.jpg
実際にもこれと全く一緒のリビングルームでした。奥に少し見えるベッドも快適。このソファーの隣に丸いダイニングテーブルがあり、隣室のキッチンには、4口のガスコンロ、オーブン、冷蔵庫に電子レンジと、普通の家にある標準装備はもちろん全て揃っています。従って、空港そばのCostcoや、近所のスーパーで食料や飲み物を買いこんでおき、ケータリングを利用するなどすれば、滞在中の食費は普段の生活と変わらないようにできます。また、この季節クーラーは不要でした。

ベランダからの眺めです。プールの脇にはバーベキュー・コンロも備え付けられています。
c0174160_21283715.jpg
c0174160_21284422.jpg
c0174160_21285166.jpg
建物の端まで歩くと、そこはもう海。ここから、肉眼で、鯨や
c0174160_2129379.jpg
c0174160_21291071.jpg
ウミガメを見ることができます。
c0174160_21291722.jpg
VRBOを使っての、おっかなびっくりの宿選択でしたが、こんなコンドに格安で泊まれて、大満足。ちなみに、同じく春休みに友人3人でプエルトリコに旅行する予定と聞いていた私の中国語のチューターの方に、早速VRBOを教えると、「ホテルが馬鹿高いプエルトリコでも、2つ星ホテルの値段で、4-5つ星相当の豪華な宿に泊まれて、とても満足」、という連絡が帰ってきました。

----------------------
ここからは、マウイの話からは大分ずれて飛んだ、個人的な勝手な思いつきです。この体験を経て思ったのが、表題につけたように、「VRBOは、財務諸表の観点から、別荘を2つのクラウド化(crowdsourcing/cloud computing)しているサービスにあたるのではないか」、というものです。

1つ目のクラウドは、クラウド・ソーシング:不特定多数の人(crowd=群集)に業務を委託する(sourcing)雇用形態のことです。代表的なものに、Amazon Mechanical Turkのように、画像編集などの単純人力作業を、不特定多数の人々にやらせる。また、CrowdFlowerという最近絶好調のスタートアップに至っては、FacebookなどのSNS内のゲーム通貨と連動させて、人々がゲーム内のミニゲーム代わりに企業の仕事をアウトソースすることでゲーム内通貨を稼ぐような仕組みまでできています。

企業はクラウド・ソーシングをすると、人件費を完全な変動費にすることができる。つまり、必要だ、と思った瞬間にその場で外注可能なため、人を雇って資産として持っておく必要がなくなるわけです。もちろん、そんなことができる業務には限りがありますが、CrowdFlowerの例のように、今後対象業務や参加者の幅を広げる新規サービスが増えると、様々な企業が嬉しくなると思います。

もう1つのクラウド(Cloud=雲)は、今流行のクラウド・コンピューティングを指します。こちらは今まで個人ならパソコンの中に、企業なら個別に持っていたシステムの中にある、データやソフトウェアを、全てWebの先のデータセンターで一括管理し、必要なときに必要なだけ取り出す。使う側はWebブラウザさえあってインターネットに繋がっていれば、後は全てのやり取りがWeb上でできる、というものです。

現在Salesforce.comやGoogle Enterpriseなどのサービス、及び近い将来Microsoft Officeまでもが、従来の個人・企業向けソフトウェアやシステムを急速にクラウドへ置き換えています。その際、携帯電話の基本使用料のように、1ユーザーあたり月幾ら、という料金体系にすることが普通です。従って、こちらも財務諸表的な意味合いとしては、今まで企業が資産として持っていたシステムが資産から消え、人件費に連動した費用になります。こちらももちろんセキュリティー等の問題が多数あり、全てを置き換えるわけには行きませんが、急速に広がっているのは、莫大なシステム投資が抑えられて嬉しい企業が多いためでしょう。

さて、この2つのクラウドとVRBOとの接点ですが、要はコンドミニアムという固定資産を収益化&変動費化するサブリースという活動を、Web上で仲介する、という面白い所に目をつけて、2つのクラウド全盛の今の時代だからこそ実現したサービスだ、と思ったわけです。多くのユーザーは「リゾート地に別荘なんてデカイ投資出来ません」。従って、使いたいときに使いたいだけ使えるのは非常に嬉しい。一方で、多くのオーナーは、「別荘を貸すためのマーケティングのためにシステム導入や人を雇うなんて出来ません」、という状況のため、まさに「クラウド」上で人を雇わないマーケティングを実現しているのです。

では、過去の同種のサービスと何が違うのか。個人売買のサイトであれば、日本ならYahoo!オークション、米国ならeBayのようなオークションサイトやCraigslistのようなクラシファイド・サイド、またはetsyのようにオークション機能のないマーケット・プレイスもあります。しかし、これらの個人売買サイトは、実際に品物を買う前後に実物をチェックして、気に入らなければ買わない又は(出来ないと断りのない限り)返品できる。一方、VRBOはコンドミニアムという商品の性質上、買ったら返品できないにも関わらず見知らぬ個人から実物を見ないで買う、という、より危険な取引なのです。

また一方で、VRBOは他にすぐ横展開出来ないだろうか。例えば、VRBOができるなら、不動産賃貸/売買契約もWeb上で全てやってしまえば良いじゃないか、という考え方もあるかもしれません。実際、米国ではRedfinというスタートアップが、従来の不透明な不動産取引の慣習を壊すべく、不動産取引の仲介を全てWeb上で行い料金の透明化を図ろうと努力している例もあります(現在当初の目的がどこまでうまく行っているのかは不明)。しかし、こちらは、ユーザー側の利用期間及び不安、及び、既存業界の規模・歴史・業界構造が、コンドミニアムと比較にならないほど大きく、サービスの成立はVRBOほど簡単ではない。

以上まとめると、VRBOは
○ 別荘という新規サービスを始めるに丁度良いニッチな業界で、
○ 危険な取引を、最近のWebサービスの機能を駆使して危険を和らげ、
○ ユーザー側もPaypalでの送金やYelp等の評価サイトの信頼性を理解した(クラウド・ソーシングやクラウド・コンピューティングが成立する)時代に
○ ユーザーとオーナー双方の財務諸表上の問題を解決する
サービスなんだろう、と思ったわけです。

そしてVRBOが成立する時代なのだから、例えば米国では当たり前のように使われているが日本では全く立ち上がらないCraigslistのようなサービスでも、時と場を読み関係者の利害を正しく一致させれば、今からでも立ち上げられるチャンスはあるのかもしれない、と考えるようになりました。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-27 21:25 | 旅行

マウイ島旅行(1/3)春休みの過ごし方考察の過程

春休みの前半を利用して、ハワイはマウイ島に5泊6日で行ってきました。3回に分けて、
 - マウイ島になった顛末
 - 宿の選定と結果
 - アクティビティーのハイライト
について記してみます。

マウイ島になった顛末ですが、そもそも今年のHaasの春休みは3月22日(月)-26日(金)の5日間。前後の土日を足すと9日間。しかし、特に卒業後すぐに社会人に復帰する人にとっては最後の長期休暇のチャンス、ということもあり、人によっては17日(水)-30日(火)位まで、最大14連休にしてしまう人もいます。

この期間、人によって使い方は様々です。昨年は我らがJapan Trekほか、1単位もらえる授業も兼ねたVietnam Trekなどが大学で公式に企画されていましたが、本年春休みには、全体向けに告知があった企画は無し。従って、今年は旅行に行く人は、個人又は適当に行き先を募って纏めていくなりバラバラに行って現地で会えれば会う、という形で、台湾、北京、メキシコ、米国南部、近場のレイクタホやラスベガスあたりに行くグループを見かけました。また、遠出をしないで就職活動に励む人、起業に精を出す人、のんびり過ごす人も多いです。

私自身が春休みの過ごし方を考え始めたのは1月末でしたが、結局マウイ島に行く事にすることになったのは出発10日前の3月9日。それまで何を考えていたか、というと、下記(ア)-1,2、及び(イ)、(ウ)の4つ

(ア) せっかくなので、卒業後にできないことをやりたい
 (ア)-1:旅行するなら米国西海岸からの方が日本からより行きやすいところ
 (ア)-2:友人達と交流できる機会(冬休みはカリブ海で妻と2人で過ごしたので、春休みは同期の友人重視で。もちろん妻も一緒の方が良い)
(イ) 一方、卒業直後働き始めるまで多少期間がある(=もう一度休みがある一方収入は無い)ことを考えて、コストを抑える
(ウ) 少なくとも春休み後半はインターンの調査など旅行以外に使いたい

これを元に、検討した土地を順番に記します。

1. ペルー(南米)
 友人に紹介してもらった旅行会社により、西海岸からは日本より圧倒的に安く行ける、ということで、(ア)-1と(イ)がものすごいプラスとなり、第1候補でした。しかし、予約する直前に大雨によりマチュピチュへの線路が崩れ閉鎖、となり、逢えなく却下となりました。

2. ウィスラー(カナダ)
 次に、元々妻がとても行きたがっていたWhistler。宿と航空券は安くてよいところを見つけて、予約直前まで行ったのですが、スキーのリフト代やレンタル料金が非常に高いことに気付く。スキーなら近場のレイクタホでもできるし、他に行きそうな人も見当たらない。日本からでも時差を除けば行く手間は大差ない(飛行機1回+バス)ことも考え、働き始めて収入を得てからきちんと行くことに。

3. ガラパゴス諸島(エクアドル)
 日本でも多用されている「ガラパゴス化」の言葉。個人的には本物のガラパゴス諸島を見ずしてこの言葉を使うまい、と思い、日本人としてヒントを得るつもりで検索。しかし、やはりどう安く行こうとしても予算を大幅にオーバー。かつ、動植物見学で終わってしまうフェリーツアーばかりで、それならザンビアとカリブ海で経験済、ということで却下しました。

4. コロンビア(南米)
 同期の友人10人弱が、コロンビア・トレックを企画している、と聞きつけ、多大な興味を持つ。前職シカゴ滞在時代に一番仲の良かった同僚がコロンビア人で、国について色々聴いていた上、現在帰国し活躍しているため会いにいけること。また、エメラルド・カーボーイという実話ドキュメンタリー映画を見て、日本人がこの地で起業して苦難の末、大成功していることを知ったこと。治安が回復中の今が行くチャンスであること。とはいえ、治安が悪いことには変わりなく、勝手を知った同期の友人と行くのは良いチャンスであること。それほど高くないこと。

 これだけ行く理由が揃っていたのですが、妻の猛烈な反対にあったことと、春休みをはじめから最後まで全部使い他にやりたいことが幾つかできなくなること、そこまで長期で滞在して何が得られるかよく判らなかったことから、却下することになりました。

5. カンクン(メキシコ)
 この有名なビーチには、All Inclusiveという、移動・宿泊から食事・酒まで食べ放題飲み放題全部込み数百ドルというプランがあります。しかし、冬に南カリブ海に行ったため内容が被るのと、最近米国とメキシコ国境付近で騒動が起きていて、国境付近には近づくな、という大学からのメールが流れ、何かと物騒なこともあり、今回はやめることにしました。

6. 他の中南米諸国
 まだ行ったことの無い中南米の国として、ブラジルは行きたい人は冬休みのブラジル・トレックで大量に行っており、言葉も判らず個人で行くのは得るものが少ない気がして却下。アルゼンチンは滞在費は安いが航空券が高く却下。チリは地震で却下。中米のコスタリカもピラミッドと熱帯雨林に興味あったのですが、妻が爬虫類苦手につき、とりあえず却下。

7. 米国内
米国内での候補は、まだ私も妻も行っていないニューオーリンズなどの南部地域、グランドキャニオン/グランドサークルやイエローストーンなど国立公園、及びレイクタホやヨセミテなど近場の観光地が候補に挙がりました。ただ、これらは卒業直後に行こうと思えばのんびりいける上、今回一緒に行く学生の情報が無かったため、とりあえず却下しました。


と、ここまで色々考えて、結局行かない、という選択肢に落ち着く直前に、マウイ島に行くことになりました。

8. マウイ島(ハワイ)
 ハワイは日本からでも行けるし、「ホノルルは日本のようだよ」と米国人にまで言われるし、島という意味では冬にカリブ海にも行った。というわけで、最初はずっと却下していたのですが、下記の理由により行くことに決めました。

○ 友人たちが多数集結
 どういうわけか、自然発生的にマウイ島に行く友人がやたら多く、判明した人々だけでも我々を含めて総勢8カ国20名
 - インド人: 5人
 - 米国人: 4人+奥様1人
 - スペイン人: 1人+奥様1人
 - イタリア人: 1人+奥様1人
 - 韓国人: 1人+ガールフレンド1人
 - 日本人(我々): 1人+奥様1人
 - 中国人: 1人
 - メキシコ人: 1人
これだけバラエティに富んだ人々が狭い島に集まれば、色々な面白い話ができる機会も多いだろう、と考えたのが一番の理由。


○ 西海岸から直行便があるアクセスの良さ
 日本からの場合ホノルルから経由して別の島に行こうと思った瞬間に、コストも大幅に跳ね上がり、スケジュール調整も面倒になります。私自身も過去、学会発表ですばる望遠鏡のあるハワイ島(big island)に行ったことがありましたが、何か目的でもない限り日本からわざわざマウイ島に行こうと思うことは自分では考え付かないだろうと思っていました。

 一方、どういうわけか西海岸からはマウイ島に直行便がある空港がいくつもある。うちの近辺からも、SFO(サンフランシスコ)、OAK(オークランド)、SJC(サンノゼ)の3つの空港全てから、直行便が出ています。最終的に一番安いフライトを選んだため、直行ではないものの、ロスアンゼルスまで飛んでそこからマウイへの直行便を使うことになりました。が、スケジュール的には、行きは午前11時SFO発夕方5時マウイ着、帰りは夜11時マウイ発翌朝9時SFO着、という、とても時間帯の良い便が最安値で利用できました。これは西海岸ならではの大きなメリットと感じ、このアクセスの良さが友人多数集結の理由の1つなのでしょう。


○ インターンの調査にプラス
 詳細は割愛しますが、現在インターンで調査している事項の1つに関して、現地現物を見て感覚をつかむことが可能


○ 短期滞在で島一周、山と海と両方楽しめる
 マウイには、元々ハワイ全体の首都があったラハイナ
c0174160_17415227.jpg
c0174160_17421895.jpg
c0174160_17423624.jpg
や、世界で初めてリゾート専門に開発されたカアナパリ
c0174160_1743514.jpg
などの西部のリゾート郡の数々、東部のハナに至る険しい海岸のドライブコース
c0174160_17432866.jpg
c0174160_17435794.jpg
c0174160_17441832.jpg
、南部の旱魃地帯の新興リゾート郡
c0174160_17443861.jpg
c0174160_17445619.jpg
及び近隣の小島モロカイ島/ラナイ島、そして頂上のクレーターの景色は「2001年宇宙の旅」のロケに使われた高度3,000mのハレアカラ火山に舗装道路で行ける
c0174160_17451959.jpg
c0174160_17453718.jpg
、など、海も山も両方全て短い旅程で味わい尽くせます。かつて沖縄本島を2日かけてドライブで1周した時の快感に加えて、高度3,000mにも行けるのか、と思うと、とても楽しみになりました。

このように考えて(ア)-1,2、及び(イ)、(ウ)の4つ全ても満たすマウイ島に決定し、航空券を購入後、宿を確保することになりました。ここでの発見を、次回に記してみます。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-26 17:22 | 旅行

留学生向け就活訓練で考えた日本人の英語の話し方

2月下旬から3月上旬にかけて、Haasでは就職課主催で、主に米国での就職を目指す留学生を対象としたワークショップを、ほぼ毎日開催していました。去年は就職活動やJapanTrek準備、Business Plan Competitionなど多忙で行けず。今年も忙しさ自体はあまり変わらないのですが、毎日中国語の授業で自分の発音やコミュニケーションが通じない日々が続き、、、これは英語でもそうだろう、と省みて、卒業直前の今更ながらいくつか受けてみました。


(1) Interpersonal Networking (2/24 7-9pm)
ビジネスや社交の場で、どのように信頼性を保ちながら、自分をさらけ出してコミュニケーションを行うか、という、話し方の実践訓練。具体的には、16名の参加者に「下を向きながら常に低い声でたまに頭をかきながらつまらなそうに物を買おうとしろ」、とか「相手の肩や手を機会を見て何度も触りながら商品を売れ」、とか、いくつかの極端な役割や動作の条件を個別に指示されて、いろんな人にランダムで話し、どのような印象かを全員でフィードバックする、という演習を延々と2時間繰り返しました。

これにより、「上手なコミュニケーション」の本や講演で出てくるような知識が実際にどれだけ効果的か、ということを実感できたのはもちろん、下記の個人的な学びは目から鱗でした。
○ 自分をわかってもらうために、直接自分をアピールするより、うまく質問をして自分の興味のある内容を相手に語らせる方が、効果が高いことがある
○ 社交の場では、明るく振舞いすぎると、米国人にさえ不快に思われる。仮に疲れてたり気分が落ち込んでても、そのモードで丁寧に聞き役に回ることで、うまく立ち回ることが出来る
○ 必ずしも無理して不慣れなスモールトークをしすぎることは無い。自分の得意な話をする(相手にさせる)方が、アイスブレークに役立つことがある


(2) Your Elevator Pitch (2/25 11am-12pm)
c0174160_2050758.jpg

就職活動で使うことを前提に、30秒から1分で程度で、自分を深く相手に印象付けられるか、の方法論を学ぶ。要は、言葉の選び方としては、
 - 誰にでもわかる明確なもの
 - 強い意味があるもの
 - ビジュアルイメージを持たせられるもの
 - 的を絞った特定の用語
そして、構成としては、
 - ゴールを明確にして30秒で近づくストーリー
 - フックを利かせる(例えば、「3つのP:People, Process and Productを纏めること」、といった表現)
をすると良いそうです。ワークショップ内で具体例を見ると、同じ内容でも伝わり方が全然違うことがわかりました。なお、下記4つのサイトで、Web上で練習ができるそうです。
www.reachcc.com
www.15secondpitch.com
www.yourelevatorpitch.com
www.hellomynameisscott.com


(3) Accent Reduction for Clear Communication (2/26 2-6pm, 3/5 2-6pm)
そして、真打登場。ネイティブでない英語特有の癖を出来るだけ減らして、少しでも誰でも理解できる英語発音を目指す、4時間x2の徹底した発音矯正トレーニングです。講師は、ベンガル語が母国語のインド人だが、英語はもちろんスペイン語もフランス語も母国語のように話せる、この道20年の方。
c0174160_20502025.jpg
16名限定の参加者のうち、4人が韓国人、4人がインド/パキスタン人、2人が中国人、他チリ人、メキシコ人、ブラジル人など中南米の方々、ほかタイ人と日本人私1人という構成でした。各回最初の2時間は講義、後半2時間が演習、及び1人2-3分ずつビデオを撮ってフィードバックする。このトレーニングからは新たに学ぶことが多かったので、そのまま箇条書きで並べてみます。

○ 米国英語のように聞こえる要素のうち、「発音」そのものは実は最も重要でない。下記に、重要な順に並べると
1. Stress(強調): 1.1 Syllable(音節による強調), 1.2 Key Words(キーワードの強調)
2. Intonation(抑揚)/Pauses(停止)
3. Reduced vowel sound(母音の音を発音しない)
4. Word Endings(語尾の上げ下げ)
5. Vowel sounds(母音の音)
6. Consonants(子音の音)
発音そのものは5.6.にあるように、今から直そうとしても直るものではないし、多少おかしくても皆判別できる。しかし、強調、抑揚、停止は、今からでも直る上、ここを直すだけでも大分英語らしく聞こえるようになる、というこのメッセージは、8時間の中でいやというほど味わいました。個人的には、3.にある、「母音を発音しない」が、発音よりも重要ということは、大きな学びです。(例:confortableという単語で、2つ目のoは発音するよりしない方がconfortableと聞き取りやすい)、

○ 個別のコツの例
- 母音の音節の長さ: 直後の子音が無声音(名詞)だと母音を短く、有声音(動詞)だと母音を長くする。(例)safeとsaveがあるとき、前者の"a"は短く、後者の"a"は長めに発音する
- rの発音のコツ: 舌の中央部分を上に持ち上げて、上の壁にくっつけるイメージ。このとき舌の先端は少し下がる。(←よく「巻き舌」と言われるが、全然巻いていない)
- thの後にsがつくと、thを発音しないで、後ろのsを"ズ"または"ス"と発音する。例: monthsは「マンズ」、clothes"クローズ"。(←私はsを消してthを"ズ"または"ス"で発音していたので、全く逆だった)
- herbは、イギリス人は「ハーブ」と言うが、アメリカ人は「アーブ」と言う

○ 国別の英語の癖の特徴
ビデオを見ての個別にフィードバック中に指摘されていた内容
- 韓国人: 疑問文でもないのに、語尾が上がり、「俺の英語通じてるのか?」という不安のように聞こえる。三単現のsが抜ける、gとzが区別できない
- インド人: 全ての母音を同じ長さにしようとする(例:innovativeが"イノバテブ"となる)。その上、長い単語を短い単語と同じ単位時間に収めようとするため、長い単語になればなるほど早口でテンポがずれて聞き取れない。また、vとwが同じ発音になる。
- スペイン人: そもそもテンポが速く、有声音でも無声音でも母音の音節の長さが変わらない(後述)。語尾に向かって音がだんだん上がっていく
- 中国人: "e"(日本語の「エ」)の発音が中国語に無く、ei「エイ」がa「ア」になる。また、wとvが同じで、varyがwaryに聞こえる。sheをheと言う

と、こんな感じで、このワークショップの目的とは離れるのですが、ネイティブでない各国別の英語の聞き取り(特にインド人英語)がしやすくなったこともあります。

これらに気付いたあと、日本人である自分の発音をビデオで聞いてみると、
- 日本人(私): 上記韓国人、インド人、スペイン人の悪いところを全て受け継いでいる。さらにその上で、Intonationが変わらない、Pauseをしない、という点は他のどの国よりもひどい。また、rやvの音を発音できていない

改めて日本人(私)の発音って、最も英語らしい英語からかけ離れている、と実感。いまだに授業中に私が喋ろうとすると、皆急に静かになる理由が、そうしないと英語に聞こえないからだ、と、とてもよく判りました。


(番外) How to Obtain Work Permission for the U.S. (2/23 12:30-2pm)
ビザ発行に関して詳しい弁護士の方3名が、MBA生が卒業後に就労ビザを発行する種類、方法、手続き、現状を説明。MBA卒業直後に米国に残りたい場合、OPT(Optional Practical Training)という制度を利用して1年間は就職活動/就業を続けることが可能なのですが、具体的な手続きや現状に興味があり参加。起業したい人、今は職が無いが就職活動を続けたい人、また中国人家族などでビザそのものが特殊なケースの方など、30名程度の2年生が参加していました。

大筋は「目的や期間を明確にして初めて道筋が見えてくる」という流れ。自分の国籍などのバックグラウンドに加えて、米国滞在が短期か長期か、一時的なのか永住権を得たいのか、どんな仕事をしてどの程度の収入を得るのか(注:最低限の安定した収入がないと発行できないビザがある)など、将来何をしたいのかをイメージしてはじめて、B,E,F,H,J,L,O,TNなど様々な種類のあるビザのどれをどう取るべきかが決まってくる。例えば、人によっては卒業直後に米国に残るよりも、一旦本国に戻って就職し、就職先から派遣してもらう方が全然成功しやすいこともあるようです。

実務的な話としては、卒業直後に米国に残って働く方、あるいはその可能性が少しでもある方は、OPTの申請だけでも早めに済ませておいた方が良いようです(卒業の2-3ヶ月前から申請開始)。今年はOPTの志望者が多く、現在すぐに受理される枠は定員に達し、順番待ち&抽選になるようで、内定を頂いていても就労開始が遅れる可能性があるそうです。

そして各論は、弁護士の方3名がそれぞれ質問に答えられるビザが異なるくらい、複雑で多岐にわたるようです。「上司に聞くのを恐れるな、確認を怠るな、そしてあきらめることを恐れるな」という言葉で最後締めていたことが印象的でした。

--------------------------------------------
このように、特に英語力強化を1つの目的としてMBAに来られている方は、たとえ社費の方であっても、就職関連のワークショップをまめにチェックして、使えそうなものにはどんどん顔を出すことをお勧めします。

また、原丈二さんの本やインタビュー記事で、MBAは「話し方教室」と揶揄されていますが、個人的には、これは大好きな定義です。実際にMBAで学ぶスキルは、資産としての人間関係を除けば、ネタ(経営に必要な共通言語)、ネタを練る(チームで見て考えて解を導く)力、本番で話す力(プレゼン・議論・交渉・チーム管理・レポート提出等含む)、の3つくらいにくくられますが、これら3つは全て「話し方」だからです。しかし、これらはまた、「経営の7割は人で決まる」、という言い方における「人」そのものでもあります。社会の中で責任を持って信用を築いて生きていくために、「話し方」は卒業後も継続して向上させていきたい、と改めて思うワークショップ群でした。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-24 20:44 | 就職活動

同期の友人たちの身近な活躍の紹介

Haasの1学年240人の友人達は、皆個性的。普通のMBA生が目指す典型的な就職先(金融・コンサル等)を志望する人がそれほど多くなく、1人1人全員、バックグラウンドはもちろん、生き方、考え方や成功の尺度など、目指すところが全然違う。従って、基本的に自分は自分で他人は他人。就職先や良い成績を争うなど友人同士で熾烈な競争をするケースは比較的少ない一方、互いに足りないものを親切に補いあうような、協力関係が生まれやすい場所と思います。これは、仕事能力的には遜色ない4,000人強が毎年受験する中で、できるだけ全員が満足するように、Haasの文化にあった合格者を選ぶ、アドミッションや卒業生の努力の賜物と思います。

今回は、この校風を改めて意識し元気を与えてくれた、4組の友人達のごく身近な活躍を紹介します。

(1) Berkeley Team Wins Inaugural Energy Competition, Trip to Macedonia(バークレーチームが今年初開催のエナジーコンペを勝ち抜き、マケドニアへ)

元々Corporate Financeの授業で一緒だったChristy MartellとJeff Olsonの2人が、"International Renewable Energy Case Competition"のトロント大学における準決勝を勝ち抜き、マケドニアで開催される決勝大会に進むことになりました。

2人のうち片方は、創業間もないクリーンテックのスタートアップでインターンをしています。これが私との共通項だったことで仲良くなり、彼が働いているスタートアップがKliner ParkinsやSequoiaといった有力ベンチャーキャピタル(VC)を巡る際に、相談にのってあげたりしていました。

このように、有力VCを行脚できるほどのスタートアップで働いている人が、この大会に出る決断をして、実際に勝ち残ったと聞き、本当に凄い&良かったと思いました。というのは、下記のどのケースだったとしても(注1)、とてもハイリスクな決断の後に得たハイリターンだからです。

○ 今働いているスタートアップのアイデアで出場している場合
- 有力VCに行く前の場合: 目的は、コンペで実績を積むことを有力VCを回るステップとするため、と考えられる。しかし、ここで負けてしまうと、悪評判がついて、有力VCを回れなくなってしまう
- 有力VCにコンタクト済の場合: 目的は、有力VCからの投資を保留されたため、他のVCをあたる一環として、コンテストで実績を積む道を選んだと考えられる。しかし、コンテストに出ることで、アイデアを知ってしまう人が増えるため、上手くやらないとアイデアだけ盗まれる可能性もあり、諸刃の剣。従って、ここでも、勝たないのであれば、出ない方がまし

○ 今働いているスタートアップのアイデアではなく、新たなアイデアを出した場合
これらのコンペは勝ち抜くには相当の準備が必要。学生中心の大会とはいえ、数百万円の賞金/投資と企業家としての名声が得られる熾烈な争い。昨年UC Berkeley Business Plan Competitionに出た経験から考えて、ましてやクリーンテックという先の見えない難しい分野のビジネスプラン作りでは、今働いているスタートアップを辞めているか、あるいは学業か家族か、何かを犠牲にしている可能性が高い

シリコンバレーでは毎年数万社分の起業アイデアが生まれると言われていて、有力VCともなれば、1人の投資家あたり年間2,000のアイデアに目を通すそうです。その中で、実際にVCが投資するのは1社あたり多くとも年間十数件。さらにその中で成功するのは10社に1-2社あれば良い方。そして、3割以上当てるほどの目利きである超有力VCは、イチロー並みの天才打者。大成功を目指す起業家は、皆、それら超有力VCに投資して貰うために、まさに死に物狂いの争いを繰り広げています。この有力VCが1社に投資する裏には、999社の敗者の屍が積みあがる、ものすごい競争社会があるのです。

この、非常に限られた席を勝ち取るためには、権謀術数の限りが尽くされます。軽い考えで起業アイデアを他人に相談し、その相手や順番を間違えてしまったばっかりに、過去の努力の全てがパーになってしまうことは、よくある悲劇。そして、研究機関で地位や特許を獲得済みで、さらに起業を選ぼうとするエンジニア/研究者のような気合の入った優秀な方でさえ、1回アイデアが駄目になりその烙印を押されてしまうと、再起は不可能ではないまでも相当の根気と時間が必要。従って、アイデアを誰には見せるが誰には絶対に秘密にするか、それはどのタイミングか、どのVCから順番にアプローチすべきか、などなど、計画段階では全てを慎重に綿密に練ることになります。

よく「シリコンバレーは起業の数も質もインフラも整っており起業しやすい」という話になりがちですが、それは相対的に他の地域よりやりやすいというだけの話。大成功を目指した場合に、絶対的に大変なこと、99%は負けということに変わりは無い。しかし、それでも当事者は皆負けたくないし、負けられない。こう考えると、技術やアイデア次第では、競争者の少ない日本で起業したほうが、むしろ楽に資金調達できる可能性すらあります。

このような熾烈な競争を掻い潜る形でビジネスプランコンペへの参加をリスクをとって選択し、無事決勝大会まで残った友人2人には、本当に頭が下がります。過去様々な第1回大会の決勝大会出場者(優勝でなくても良い)から、大成功するベンチャー企業が多数生まれています。彼らのアイデアがそうなる日も遠くないのかもしれません。


(2) PUZUX
こちらも友人たちが作ったベンチャー企業の話ですが、(1)とは全然毛色が違います。なぜなら、そもそも(1)が目指すような大成功が目的ではない(と思われる)からです。創業者はイスラエル人の同級生2人で、うち片方はスタディグループからずっと一緒の戦友です。

彼らのビジネスは、単純明快、「Amazon Kindle上で動くパズルゲームを売る」ことです。流通経路は「電子書籍」と同じ方法でダウンロードするだけ。今既にAmazon.comから、彼らの「電子書籍」を購入する(2010年3月15日現在24冊、1冊$0.99)ことができるので、Kindleを持ってる方は、どうぞお試しあれ。

現在iPhone向けには、誰でも比較的容易にアプリが作れてしまうため、競争が激しくなりすぎ、もはや今からの新規参入は難しい。しかし、Amazon KindleはiPhoneやiPad、Androidと違い、電子ブックリーダー専用機。プログラム言語もKindle用の特殊なもので、わざわざこれをマスターして中のプログラムをいじってゲームを作ろう、と考える人はそんなに多くない。「普通にあって良さそうなのにまだ無く、その理由がめんどくさいからで、一番最初にやれば参入障壁が作れそう」。ただそれだけの理由で、とにかくやってみたとのこと。

要はシェアウェアのPCソフトをAmazon経由で売るだけなので、人件費を考えずに趣味で最小限の開発環境でやったと考えれば、開発・製造コスト及び設備投資はほぼゼロ。しかも、Amazonウェブサイト内のKindleコーナーで、Puzzlesなどの単語を打ち込んだ検索結果の大半が彼らのソフトになるので、通常初期に一番頭の痛いマーケティングコストもゼロ。こうして、立ち上げ直後に売り上げが立ち、即黒字化。以後、バグ報告の修正など対応に追われる日々が続いたものの、大きな問題もなし。このままでよいのであれば、当面VCの投資など受ける必要もない企業の完成です。

そして、この企業のもう1つの面白いところは、開発陣。なんと、我々同期MBA女性2人の旦那様方が参加しています。片方はイギリス人、もう片方はオーストリア人のご夫妻で、共にHaasにMBAを取りに来た奥様についてきて、就労ビザを取ってこちらで働いている旦那様方です。フルタイムの仕事も持ち、今どれだけコミットしているかは不明ですが、2人ともプログラミングスキルがあったことから、少なくとも企業設立当初、この特殊なプログラム言語を調査して使えるようにしたそうです。

今後もちろんKindleが汎用プログラミング言語に対応したり、また儲かりそうなら現状のままでも他社が参入することも当然わかっているそうですが、その時はその時。やれるだけやって仮にうまく行かなくても、この経験を次の起業なり就職なりに生かすことができる、良いMBAの時間の使い方だ、と感心します。


(3) オペラ・アリアのコンサート
UC Berkeleyでは、Haasの建物のすぐ近くに音楽学部があり、立派な図書館とコンサート・ホールがついています。図書館の方には私もたまに珍しい楽譜を借りに行ったりしていたのですが、ホールの方では毎週水曜日の12時から1時まで、音楽学部の生徒や卒業生、地域の音楽家の方々が、無料の演奏会を開催しています。この演奏会、今まで話にだけ聞くところでは、流石バークレーだけあり、現代音楽の意味不明な曲ばかり演奏される、という噂で行ったことは無かったのです。しかし、今回、同級生がオペラのアリアを歌うことになり、30人ほどで見に行きました。
c0174160_9203380.jpg
2-300人位の観客のうち、半分くらいは音楽学部の生徒。残り半分も常連の聴衆と思われる。彼女の前座に音楽学部の学生の素晴らしいフルート演奏があり、そこでの盛り上がりの直後に彼女が登場したときの拍手は、思いのほか小さい。MBA生の30人以外は、まるでみんな敵、という、アウェーでの戦いの雰囲気が充満していました。しかも馴染みの薄いフランスの近代曲が6曲続き、言葉はわからない。
c0174160_9201584.jpg
こんな中でも、彼女の迫力のある声と表情に、会場からは次第にため息が出はじめ、そして4曲目以降に盛り上がる曲から、笑いと歓声が起きはじめ、最後はスタンディング・オベーションとなりました。

彼女は工学部と音楽学部のDual Degreeを経て、オペラハウスに勤務後Haasに来て、西海岸では一番人気の企業でインターンをし、MBA取得後の活躍も楽しみな方です。一方で、結婚し旦那様と良い家庭を築きながら、趣味の時間も精一杯頑張っている姿に、とても勇気付けられます。


(4) 裏学生新聞
Haasには"Haas Week"という学生新聞が不定期に発行されています。が、最近はどういうわけか更新が滞っています。この状況に不満を持った、毎回ダジャレのコラムを書いていた友人が、ついに裏学生新聞を独断で発刊。「もはや紙の新聞の時代は終わった、と言われる時代。しかし、学長の英断でHaasでの印刷代が無料になり、お前らの面白さと仕事の速さを考えたら、紙の新聞を続けない理由はないだろう」、と突然、問題提起をした友人が、自分が編集者となって読者投稿欄のみを継続。個別に記事を集めまわりはじめました。

前回のブログに書いたとおり、我々日本人のところにも「日本人と韓国人で面白い飲み会をやっているようだが、その内容を書いてくれ」、という依頼が来たので、速攻で記事を書いたら、いろんな人から反響がありました。(一応内輪向けの新聞なので、非公開にしておきます。)

現在までに彼の個人新聞は第2回まで発刊。1回目は5人、2回目は8人の投稿者と、増えています。そこでは、今誰がどんな起業をしているか、私にはどうでも良い米国のニュースがカナダ人にどれだけ衝撃を与えたか、などなど、本日上で紹介した3人以外の面白い生活や新たな一面がとてもよく判ります。非常に有難く、勇気付けられ、卒業までにこの同期たちともう一歩踏み込んで仲良くなりたい、と思うようになりました。

(注1) アイデア自体は非公開
[PR]
by golden_bear | 2010-03-16 16:19 | 学校のイベント

教授とのランチから知見を得る

2月下旬からの突発イベントの多発は延々と続き、ここ2-3週間は後手後手に回って火消しに追われ続ける、あまり好ましくない形での多忙な日々が続いていました。しかし、振り返れば、毎回毎回の授業や様々なイベントで、どんなに忙しくてもやった分だけは必ず有意義な学びを得ていることに気づき、この学べる環境の良さを実感します。

たとえば、突発イベントと呼んでいる中で、やたら多かったのは、急に誰かに呼び出されて意見を求められること。呼び出して頂いた方は、教授やクラスメート、他学科や地域の研究者、日本からの訪問者の方など様々。下記のようなテーマについて、突然、「こんなの調べてるんだけど、明日昼に意見くれない?」、という感じで、数-数十ページのメモが送られてきて、読んだ上で少し下調べして議論する、ということが、週に3-4回ずつ起こっていました。

○ 現在/過去に受講している授業の改良点議論
○ 来学期新設する授業に対する意見や調査
○ 国・地域別のアルムナイ活動活発化のためのシステム構築
○ トヨタ問題について
○ 民主党政権後の日本の展望について
○ 就職活動の現状とアドバイス
○ 沖縄問題に関する日本人の反応について
○ 東アジアと米国のソーシャルゲーム事情
○ 学生新聞への記事投稿(日本人・韓国人の飲み会のあり方について)

この試験やレポートが集中している期間に、やめてくれー、という感じでしたが、今まで日本人の私に対して、ここまで様々な事を真剣に聞かれる機会はあまり無かったので、予定が合う限り答えていきました。その結果、毎回毎回、日本/日本人ってこんな風に見られてるのか、と気付かされること多し。

中でも教授と少人数で議論するのは、こちらが学ぶことも多く、非常に良い機会。というわけで、教授と話をした部分を少しだけ紹介します。

(1) MOTの大御所名誉教授と、トヨタ問題について議論
HaasのMOT(Management of Technology)プログラム創設者の1人で、2003年に現役を引退された、Robert E. Cole名誉教授と、2回にわたるランチミーティング。1964年より日本の製造業・ソフトウェア産業の内側に40年以上どっぷり漬かり、働いたり研究やコンサルティングをしてきたことから、トヨタ問題については米国メディアからも多数の取材を受けていたそうで、彼自身の記事を公にする前に、何人かの鍵となる日本人の発言を参考にしたかったそうです。そこで、今回の私のミッションは、彼が送ってくれた幾つかの日本語記事を読み、彼の英語記事原稿にインプットをすること。

出来上がったものは、下記2つの記事となります。
If Toyota Sneezes, Will Japan Still Get Pneumonia?
No Big Quality Problems at Toyota?

特に下の記事で、日本でも日経ビジネスや週刊ダイヤモンドトヨタ“推定有罪”の世論を作った謎の人物とLAタイムズの偏向報道~『ザ・トヨタウェイ』著者の米大物学者が語る衝撃の分析!などの記事で取り上げられることの多い、ジェフリー・ライカ教授に対して、真っ向から対立する記事をすぐさま寄稿する様子(お互いを知る仲だそうです)など、大変熱い場面に遭遇でき、経営学者の世界を垣間見れました。

このような中で、ごく一部とはいえ私の意見も彼の記事に反映されていたのは、嬉しい限りです。さらに、この教授が昔から付き合いのある日本人Haas卒業生を紹介していただけたり、と、教授経由のネットワークの恩恵に多数預かることができました。

ちなみに、今回のランチの場所は、Faculty Clubという、Haasから徒歩2分の来賓用の建物。稲盛和夫さんがバークレーにいらした時にここですれ違ったりこともあります。$8程度で食べれるサラダが新鮮で美味しいので、普通のランチにも良く使います。
c0174160_1844167.jpg
c0174160_1844426.jpg
(2) 少人数制授業2つの改良点の議論
少人数の授業は、教授や共通の興味がある友人と親しくなれる意味で、学びも人間関係も濃く築きやすい良い穴場です。実際、2つの授業でランチが開かれました。

7人しかとっていない今学期のInternational Financeでは、教授のおごりで私含め3人の学生と1時間のランチ。元の目的は、「せっかく7人しか居ないので、皆が興味ある分野の解説を重点的に行いたい」、という授業改良案の創出ですが、当然それ以外の話題でも盛り上がる。例えば私に関しては、日本の株価と為替の推移予測や国の借金の返し方、日本と他国にまたがるM&Aの機会などなど。このパキスタン人の教授は、過去日本に関しては全く無経験で興味も無いにも関わらず、巷の日本語ブログ等で語られていることくらいは知っている/あるいは話しながらその場で瞬時に理解していることに、改めて驚きます。また、私以外は、奇しくも2人ともアフリカ投資関連の仕事に全然別の角度から関わっていた方々。これまたマイクロファイナンスの現状や、アフリカ政治/NGO事情など、私の興味ある部分の話で大変勉強になりました。そして、このランチを受けて、先週からの授業の難易度が大幅にレベルアップ。リスク管理のモンテカルロシミュレーションやデリバティブの細かい計算に踏み込むなど、他の3つ分くらいの授業領域まで扱うことに。これら取らなかった授業の分まで色々試しながら学べることは、嬉しいことです。

このランチでは、Haasから徒歩5分ほどの、Adagiaというレストランに行きました。ここはランチでも$13-20と高いので、おごってもらう機会で初めて行けて、ラッキーでした。
c0174160_18451563.jpg

c0174160_18453934.jpg
もう1つ、先学期8人しか取らなかった、Case Studies for Entrepreneurshipに関してもフィードバックを求められることに。教授の1人と1対1で30分の議論。実はこの授業、来年は大きく内容を変えようとしており、そのアイデアを一緒に練りました。「Haasの良いところは、学生の要望でどんどん新しい授業や教授を呼び込むことができる」、ということは入学前から聞かされていましたが、実際には良くできた授業が多く、あまり感じずにここまで来ました。しかし、こういう機会があると、まだ独立採算制になって間もない発展途上のビジネススクールであることを実感します。来年、どんな授業が出来上がるのか楽しみです。


(3) 日本の今後の展望に関する議論
最後に、これは機密事項なので詳細は書けませんが、UC Berkeleyのある教授に特命の調査を依頼され、今後卒業までの2ヶ月間、日本語の文献調査のアルバイトをすることになりました。1つだけ印象を書くと、この調査はまさにOnly UC Berkeley Can Doのプロジェクト。最初引き受けるかどうか迷ったのですが、教授と会ってテーマを聞き、「これは文系理系問わずBerkeleyが強みを持つ分野の知識・知見を総動員するからこそ、できて意味がある、Berkeleyならではのものだ」と思い、やらせてください、と即答しました。お金まで貰えて地球の裏側から日本をある面白い角度で見てみる良い機会だし、私があるビジネスの側面から日本を調べたことが、他の数十人が他国の様々な側面から調べたことと交わり、最終的にどんな成果になって現れるのか、とても楽しみです。

このミーティングは、大学中央にあるTelegraph Avenueそばの、Cafe Milanoで、朝食時間にありました。アメリカにしては濃い目のコーヒーが美味しいです。
c0174160_18461077.jpg
c0174160_18463021.jpg

本日ようやく春学期前半の期末試験&レポートの山をほぼ全て消化完了。明日からの最終学期、心機一転ラストスパートを掛けて、残りの貴重な時間、有意義に楽しみたいと思います。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-15 22:39 | 学業

米国で良心的な歯医者に出会う

先週から今週に掛けて突発イベントが多発。その全部は書けないのですが、いくつかまとめて紹介していく予定です。今日は2つ。まず、自分にとって比較的影響が少なく面白かった突発イベントとして、再度の大学ストライキ。朝、Sather Gateという門が封鎖されていて、
c0174160_19523264.jpg

仕方なく脇の川を飛び越えることに、、、
c0174160_19521548.jpg
c0174160_19522643.jpg


一方、影響が大きく面白くなかったものは、寝ていたら突然銀歯の詰め物が取れたこと。これには正直あせった。というのは、諸先輩方に、「米国で歯医者に行くなら、日本までの往復航空券を買って、日本で治療した方が安い」という話を聞いていたから。しかし、私費留学の私には現在、日本の健康保険証が無いため、日本に帰っても結局高い。ここまで必死に生活費を削ってやっと卒業直前までたどり着いたのに、ここで数十万円の出費は痛い。何とか避ける方法は無いものか、、、咄嗟に、いくつかの考えが頭をよぎりました。

○ 今は直さないで、就職後健康保険証の発行を待って病院にいく: 真っ先に思いつくのは、そもそも病院に行かないという案。しかし、就業開始は7月以降になるため、今から4ヶ月以上放っておいてもっと悪くなったら悲惨

○ 接着剤を買って自力でつける: 次に、米国なら取れた銀歯くらい自力でつける接着剤とか売っているのではないか、と考え、ちょっとWebを検索。しかし、そもそも銀歯(Silver tooth?)とか、接着剤がどの英語になるかもわからず、eBayでいくつか入力したが、全くヒットしない。Googleでは"貴方の金歯を換金する方法"など怪しい世界の話しか出てこず、断念。

仕方なく、ここはおとなしく安い歯医者を探すことに。まず、MBA同期のメーリングリストの過去ログを見てみると、何人かがお勧めの歯医者を挙げていたが、多くの医者は、学生保険(SHIP=Student Health Insulance Plan)が使えない、とのこと。

次にYelpという地域情報WebSiteで評判の良い近所の歯医者をいくつか当たってみる。YelpやYahooなど個人向けインターネットサービスがこれだけ発達している米国なんだから、医者もOpentable(あるいはぐるナビ)みたいな感じで簡単に予約できるのかと思いきや、全然違った。とにかく、電話を掛けるか直接訪問して、先に予約をとる、しか、普通に医者に会う方法が無いのだ。

3人のお医者さんに電話をしてみる。が、うち2人は複数の病院を掛け持ちしていて不在。ここで、「別の先生でいいです」、と言わない限り、各病院の秘書さんの間をたらい回しにされてしまう。このため、せっかく学生保険が使える、と書いてある病院に電話しても、別の病院に飛ばされて、「この先生はその保険使えないルールだった筈だよ」、と言われてしまう。また、そもそも民間保険の種類がありすぎるからか、2つの病院からは、「その保険が使えるかどうかは、やってみないとわからないね」という反応。これでは怖くて予約できない。

詳しい仕組みは全く知らないので、この段落は上記3人とのやり取りだけから書いてますが、日本だとまず病院ありきで、その中に先生がいる感じ。つまり開業医でも勤務医でも「○○病院の」××先生、という枕詞が着くのが一般的で、病院のやり方はどこも大差なく、評判は先生と病院の総和で決まる。一方、米国では医者個人がブランドを持つ個人事業主で、病院は単なるオフィススペース、という感じ。今までビジネスプランコンペなんかで、普通の企業が持ってて当たり前のようなシステムを「医者向けにしました」とするだけで、案外反響の大きい起業アイデアになったり、「それは大変難しい」と言われる光景を結構見てきて、不思議だったのですが、この「場所を固定しない個人事業主の集団」相手のビジネス、ということもその要因の一つかな、と思いました。従って、収益性など他の条件が同じなら、まだ病院が比較的画一的な日本の方が米国よりIT化しやすいような印象も受けました。

結局、保険が使えそうにないところばかりで、あきらめて多大な出費を覚悟しようと思ったところ、偶然韓国人の友人にすれ違う。念のため、「良い歯医者知らない」と聞いてみると、「あるよ。僕の行っているところは、完全に学生保険が使えて、いい医者だよ。」とのこと。早速電話をしてみる。「アンニョンハセヨ」と言われたものの、こちらが英語で話すと「ニホンジン?」という反応。以後英語のやり取りに。とりあえず土曜日の朝一を予約する。金曜日にもわざわざ「明日は往診日だよ」という連絡を頂き、マメな感じ。

土曜日の朝、オークランドの町のど真ん中にある韓国人街にある病院に行ってみる。
c0174160_19524673.jpg
中の表示も韓国語。
c0174160_19524088.jpg
受付のお姉さんに話そうとすると、医者本人が出てきて、自ら全部説明してくれる。どうやら、アシスタントの人は英語が堪能ではないようだ。
 
「紹介してくれたのは、XXさんか。彼はバークレーの工学部の学生だっけ?ああそうか、MBA生だったか。どっちにしても、勉強大変だろう。学生保険証見せてくれるか?これだこれだ。」という感じで陽気に話が進み、驚いたのは次の一言。
 
「うちは特別な治療で無い限り、患者の学生の紹介があった学生からは、治療費を取らないことにしているんだ。保険からおりるお金だけで十分だから、貴方は基本無料だよ。安心して治療を受けなさい」

 無料、と言われると、本当に大丈夫なのか、と却って恐ろしくなってしまったが、とりあえず言われるがままに中に入り、見てもらう。最初に取れた銀歯を見せると、「こりゃ、こんな奥の歯にこんな形で作るなんて、すげー、見たこと無いよ。日本人のやり方だなあ。」、と驚かれる。次に、他の歯も含めて、レントゲンをとったり、1つ1つ綺麗にしてもらいながら確認してもらう。

米国の歯医者は高いけど素晴らしい、と聞いていたが、ここは設備的には特に目新しくもなく、水のコップが隣に無く椅子から降りて歩かないと口を濯げないことを除けば、子供の頃に行った歯医者と全く同じ。20年くらい前にタイムスリップした感覚で、むしろ「これなら安いのもうなづける」と安心感があった。また、スキル的には、歯石を落とす様子などは、力が入っていて、恐らく日本人の歯医者がやるより痛い。が、別に問題なく許容できるレベル。

そして、最後に、「おお、貴方の歯はバクテリア(歯垢/歯石のことらしい)で一杯だ。もう何年も歯医者行ってなかっただろう。全部無料で直してあげるから、卒業する前にあと4-5回来なさい」と言われる。治療費稼ぎのために無理やり治療箇所を増やしているのか、と思ったが、こちらの負担はゼロだし、どっちにしても保険証をもらうまで日本で歯医者にいけない、かつ、就職して保険証を貰った頃は忙しくて歯医者にいけないだろう、と思い、4-5回行って見ることにしました。

私の治療が終わって外に出てみると、待合室に韓国人のおじいちゃん、おばあちゃんが一杯。1人日本人で気まずい空気だったので、さっさと外に出てみたところで、この歯医者が何で私を無料にしているかの理由に思い当たる。それは、そもそもとても安い治療費しか受取らない、善意の医者だろう、ということ。

オバマ政権の目玉にもなっている医療保険改革ですが、米国では全国民の約6分の1、約4700万人の方が無保険だそうです。そして、ここはオークランドという全米屈指の貧しい都市の、ましてや韓国人街。そもそも韓国人の移民は日本でコンビニの店員さんをやっているアジア人に近いイメージで、欧米人より裕福になる可能性は低い。また、韓国料理屋などの個人経営者やその家族の場合、べらぼうに高い保険料がかかる(注1)。従って、この病院にかかる方の中にも、無保険の方が結構いると思われ、ここで正規の医療費を取ったら、とても医者にはかかれず、医者の「仕事」(ビジネスではなく)が成り立たないのかもしれません。こんな中では、私のような学生でさえ、保険料を満額取れる意味で相当な上客扱いになる。そして上客が来なくてもやっていける低コスト体質を築き、金儲けを基本としない良心に基づく医者。こんな人が米国にもいるのだなあ、と驚きました。

個人的には無料で歯医者にいけることになって大変助かりましたが、一方で米国が抱える医療や貧困格差の問題の一端に直面し、複雑な気持ちになった、土曜の朝でした。

(追記) バークレーの学生(SHIP有)の方で、この歯医者の治療を私経由の紹介で受けたい方が居ましたら、非公開コメント等でご連絡お願いします。

(注1) ある個人事業主の方に聞いたところ、米国で起業/独立開業をする場合、一番高くついたのが保険だったそうだ。独立前に入っていた保健と同じものをしようとすると、自分の分だけで月8万円の負担となり、家族4人では20-30万円になる。ましてや大企業から数人優秀な従業員を引っ張ってくることを考えると、とても大変。「米国は起業しやすい国だが、起業を妨げる一番の要因がこの医療保険の高さ」とのことでした。
[PR]
by golden_bear | 2010-03-11 01:46 | 社会・風土


カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
外部リンク
最新のトラックバック
景気判断
from MIT Sloan 遊学記
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧