A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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バークレー/西海岸で学ぶ喜び - 現場の渦にいて当事者になること

入試のスケジュールが遅めのHaasでも、ついに1st Roundの合格者が出始めたようです。去年対面や電話でお話した何人かの方から"合格しました!"というメールを頂き、自分の2年前のことを思い出し、とても嬉しくなりました。

2年前に私が受験していた時には、「MBAで学ぶ知識自体はどこも大差ないだろうから、実際に現場で何が起こっているのか行ってみないとわからない世界に飛び込んでみたい」と考えて、主に欧州と米国西海岸を集中して受けていました。受験時のエッセイにも、「シリコンバレーの生態系の中に入る必要がある。なぜなら、、、」と書いたりもしました。

しかし、「ベイエリア・シリコンバレーの現場に入り込む」という感覚が具体的にどういうものなのか、、、実はここに来た後もしばらくは、自分自身でも上手く定義や表現が出来ませんでした。もちろん、このブログでもまだ日本で誰からも知られてない時にTwitterの社長Biz Stone氏が基調講演をしていた、とか、様々な形で、毎日の刺激に満ちた生活を断片的に紹介はしてきました。しかし、今週飛び込んで来た3つの大きなニュースが、丁度バークレー/西海岸にいる意味を表現する題材に相応しい、と感じ、この現場に飛び込んでこそ得られた学びについて、少しだけまとめっぽく書いてみることにしました。

(1) iPadの発表 (2010年1月28日):

 もちろんAppleとAmazonの2社ともすぐ目と鼻の先、直接社内を訪問する機会があることも大きいが、現場を知る、という意味では、なんと言っても友人達の存在が大きい。Haasの同期で、AppleとAmazonの2社で夏から秋にインターンした人は、私の知る限り少なくとも15人以上(1学年240人中)。しかもドンピシャでKindleやiPhone、電子メディアの仕事をした3人とは、ずっと仲が良い。偶然同じスタディーグループに割り当てられたり、ライバルチームにいてプレゼンを競ったり、Japan Trek内で飲み明かしたり、日本の情報をWebですぐ見つかる範囲で教えてあげたり、、、。もちろん、この2社の守秘義務、特にAppleの秘密主義は恐ろしいまでに徹底しているので、彼らと直接インサイダーの話をすることは無い。しかし、入学して1年半一緒にいると、彼らがどういう人間だったからその仕事に関われたか、そしてインターンやHaasの学びで彼らがどう成長していることを、存分に垣間見れる。決してAppleはSteve Jobsだけが凄い会社ではない。こうして、自分の生き方や嗜好に少なからず影響を与えてくれる。

(2) 楽天が百度と一緒に中国進出を開始(2010年1月28日; 日本語翻訳済記事))
 Haasに来て友人たちに触発されたのと自分の英語力向上のため、自然とTech系ブログを毎日2誌ほど眺めるようになっていった。この中で、感覚的には、日本勢関係の話題が記事になるのは月に1件あれば良い方(注1)。すなわち、2誌から毎日計30件ニュースが上がるとして、確率約0.1~0.2%の世界。ということで、今回のこの記事、まず日本企業が出たことそのものが、率直に非常に嬉しいです。

一方、ここから派生して、ガラパゴス化、のある意味の利点も認識します。シリコンバレー内部の人々とはいえ、日常で目にしているニュースの多くは、これらのブログ等がソースになっています。こう考えると、ここで取り上げられない日本/韓国企業は、ずっと周りに騒がれないステルス・モードで開発できる(あるいは、当地の人は、地元の情報把握で精一杯。アジア人はとても多い地域だが、アジアの現場で起こってることの把握までには手が回らない、とも言えるかもしれない)。さらに、こんなにメディアから隠れた状態でも、米国の消費者はモノさえ安くて良ければ、日本/韓国製品を選ぶ。このブランド力を、先人の努力の賜物と考えれば、我々の世代も頑張らなければ、と、真剣に気持ちを新たにします。

本記事の中身に関しては、何故$50Mかつ51%/49%なのか、という想像が色々膨らむようになった。1年前に、UC Berkeley Business Plan Competitionに出場したお陰で、ITスタートアップの財務分析・予測を自分の手でやったこと。そして、VC&PEとM&Aの2つの授業をそれぞれ中国人と一緒のチームで取ったお陰で、中国で合弁企業を作るときにかかる余計なコスト、期待するリターンや合弁の契約条件などなどを大まかにイメージ可能になったのは、ここに来たからこその学びです。中国でB2B2Cという新しいビジネス形態へのチャレンジ、その成功を心から祈ります。

ちなみに、ごく身近な私周辺の異常サンプルなので何の参考にもなりませんが、ABCの中国系幹事4人と話すと、UNIQLOは全員が知っていて(!)、楽天は1人だけ(でも、知ってること自体驚き)。特に、UNIQLOに関しては、「あの安くて種類が多くて丈夫な服でしょ」、などと好意的な評判。2社とも中国語Webサイトを持っていますが、やはり、店とモノが現実にある方が、ブランド力としては大幅に高くなるのかもしれません。

(注1) ここ半年間で抜け漏れあるかもしれませんが私の目についたものでは、上記楽天に加え、10年1月の東芝ノートPC、09年12月のセカイカメラ、11月に富士通の新技術の噂、11月の日産のエコカーの動向、8月のソニーの電子ブックの計6記事。

(3) BetterPlace社、Bラウンドで$350Mという巨額の資金を調達(2010年1月24日:英語記事)
 このブログでも、授業の中でBetterPlace社に半年間コンサルティングプロジェクトをしていたことは、過去何度も述べてきました。というわけで、多少インサイダーになってしまっているため、この記事の内容そのものに対する私見を書くのは控えます。

ただし、関連して起こったこととして、昨年12月に、BetterPlace社社長のShai Agassi氏ご自身が、MIT Press Journalの記事"World Without Oil"の中で、私のチームが授業の最後に外部情報部分をまとめたレポートを、彼自身の主張の根拠を示すために引用していたことが判明。こうして、我々の成果が、少なくとも彼らの内部データのダブル・チェックに利用されたであろう、と考えれば、この約315億円という巨額の資金が動くプロセスの一部に、間接的ながら関われたことになります。

これに限らず、今世界中で大ブームのクリーン・テックに関しては、自由に何でもできるMBAの場で学べる・手に入るものは、相当多いです。例えば、我々の友人達の会話の中で、「クリーンテックにはマーケティングなんて言葉は存在しない。あるのはガバメント・マネジメント(政府をどう動かすか)だけだ」、なんて茶化して話したりしています。そのせいか、今年はMBAでも法律や政策関係の授業の人気が異様に高い気がします。もちろん、この点に関して、UCバークレーでは、公共政策大学院:Goldman School of Public Policy や、法科大学院 Boalt School of Law がすぐ隣にあり、気軽に授業の受講や多数あるシンポジウム等に、お互い出入りできます。HaasのカリキュラムはMOTがとても充実していることからテクノロジーばかりが強調されがちですが、このように、各分野の最先端で議論されている情報がすぐ目の前で手に入る、というのは総合大学としての大きな利点です。

さらに、バークレーが州立大学であるお陰で、1年前の冬休みに"Washington Campus"にて1週間、「MBA向け公共政策の特別講義」を受けれた学びも大きいです。行ってみて気付いたのは、西海岸とワシントンD.C.とでは、考えていることが全然違う。政府を巻き込んで業界全体を現実的に変えていく、という観点で学ぶには、東海岸の方がより実践的な学びがあるのかもしれません。

その反面、西海岸では、シリコンバレー発の、とにかくリスクを恐れずやってみて、上手く行けば資金を調達して、失敗したら修正してまた立ち上がる、というサイクルの速さを実感することが出来ます。MBAにいてクリーンテックに関わる際に、これを実感できることを3つ述べてみます。

1つ目は、Haasのカリキュラム変更の柔軟さ。上で書いた去年BetterPlaceにコンサルティングをした大変面白くためになった授業は、なんと今年はあっさり閉講に。その代わり、Berkeley Energy&Resources Collaborativeという学生クラブが立ち上げた、Cleantech to Market(C2M)という授業に吸収されてしまった。この授業を受けるにはレジュメとエッセイを提出して高倍率の選考プロセスに通る必要があり、正にクリーンテックの本場の中で存分に技術立ち上げの瞬間を自分の手で作ることが出来るようです。他にも、今年定員が80名から120名に増えた、IBD(International Business Development)のプログラムでも、クリーンテック関係のプロジェクトが大幅増加しているようです。

2つ目は、シリコンバレーの業界内部でインサイダーとネットワーキングできるイベント・シンポジウムが多数開催されていること。どこからどのように突然、雨後のタケノコのように"業界人"がわさわさと集まってきたのか、分かりませんが、特に昨年11月など、ベイエリアでは毎日どこかで誰かが何かしらのイベントを開催していました。その中には、ゴア元副大統領が大々的に講演をするような、$1,000ほど取られる高級なものから、学生がボランティアをできたり学割料金が大幅に安く設定される良心的なものまで、様々なものがあります。ここでは、私が11月に行ったイベント2つ(もちろん格安!)の写真を幾つか貼って見ます。

- Cleantech Open Gara(2009年11月17日) 
2006年に第1回が起こって以来、今年で4回目を迎える、全世界のスタートアップを対象にしたビジネスプラン・コンペティション。初回当時VCとしてTesla Motorsを見出して育てたような方々が、起業者とVCの双方を育てる目的で、大々的に世界中のスタートアップを発掘している。今回も1,000近いチームがエントリーしていたようで、個々のアイデアの奇抜さ、斬新さ、には、目も眩むほど。クリーンテック、という言葉がカバーする範囲と機会の広さと深さ、頭をやわらかくする意味、「お前隠れてこんな凄い事やってたの?」という、顔だけ見かけていた同期の新たな起業家としての側面の発見、と、様々にとても刺激を受ける良い会議でした。
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- Berkeley Stanford Cleantech Conference(2009年11月13日):
この100年以上対立が続く両校が共催している珍しいイベント。Stanford MBAに留学するブログのY.I.さんらが精力的に、学生のみで運営しています。学生のみの運営、といっても、集まってくるゲストは相当豪華、聞ける話も基本情報から裏話まで様々。この地域における、大学の影響の大きさを実感します。
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3つ目は、インターン。あるクリーンテック企業で、夏に3週間のフルタイム、秋以降は週5時間のパートタイムで続けてきたこのインターンシップ。今までは、ビジネスプラン書きや、財務分析、市場・競合調査、および、全米/世界中の政府/大学の補助金調査(どれが自社ないし顧客に適応されるの?)をしてきました。しかし、この最後に書いた補助金の話ともなると、自分の法律・会計知識及び米国ルールの土地勘の無さから、全然チームに貢献できず。12月は足を引っ張るばかりで全くアウトプットが出せないまま、カリブ海クルーズに行ってしまうことに。正直クビだと思っていたのですが、この前新年初出社時に、「今学期は商品開発をやってもらおうか」、という有り難い言葉。MBA生活の最後の締めに、この激動のクリーンテック業界において、自分でマーケティングして商品に直接反映できる、という楽しみな仕事を頂くことが出来ました。残された貴重な1日1日を大切に、生きて行きたいと思います。
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by golden_bear | 2010-01-29 21:53 | 社会・風土

Asia Business Conferenceの舞台裏(1) 和食弁当の選定

去年11月頃から運営幹事となった、Asia Business Conference(以下ABC)。Haasの通常のクラブ活動(一覧はここで見れます)では、11-12月頃の選挙を受けて、年明け1月に1年生が2年生から幹事役を譲り受けます。これは、1つには1年生がインターン向けに就職活動をする際、このようなMBA内でのリーダーシップをアピールできるためです。しかし、このABCは実施時期が2月ということもあり、引き続き2年生数名が全体のまとめ役を務めています。

私自身、クラブ活動に関しては、今までは他にやりたいことが一杯あったこともあり、幾つかのクラブにメンバーとして登録し、情報収集やイベント参加の恩恵にあずかる&たまにボランティアをする程度でした。ABCでも一部パネリスト発掘を手伝ったのみでしたが、今年は、下記の理由で運営側に周ることにしました。
○ 昨年の会議が大変熱く面白かった
○ 授業等を通じて、現2年生の幹事全員と自然と仲良くなる。この尊敬できるメンバーと一緒に、運営を面白くしたい、と考えた
○ 今後何をして生きるにしても、このテーマは自分に重要。幹事にコミットすることで自分で色々と調べるきっかけや、ビジネスリーダー、1年生や教授などHaas関係者とコンタクトができる
○ 可能な範囲で、少しでも日本の存在感を上げることが出来れば、と思った。

Haasは歴史的にも(学校が貧乏&サボってて!?)これらのクラブ・イベントのほとんどは、学生が自主的に立ち上げ・運営をしています。「クラブ活動は就職活動のため」と揶揄されたりしますが、実際に中に入ってみると、全て自分達で立ち上げてやらなければならない、というのは、想像以上に大変。そして、これは、授業で習ってきた各種ビジネス・スキルを試す、格好の場でもあります。

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そんなわけで、本日は弁当屋さんの選定。毎年この会議では美味しいアジア料理が振舞われてきたそう。確かに去年のタイ料理はとても美味かった。今年は2年生幹事がみんな日本食好きでもあり、「安くて最高の和食弁当を探してくれよ」、と早くから私にプレッシャーがありました。

最初は、以前International Consumption Functionの時に最高のタコを提供していただいたTrue World Foodsさんより、当社が実施している新事業のプロジェクトの一環として、ここで弁当を出していただける、という話をしていました。ところが、今週になってそのプロジェクト・スケジュールが2月20日に間に合わず、弁当の提供も無理、という連絡があり。急遽、地域の日本食弁当屋さんを探す羽目になりました。

1日に500個も和食Bento Boxを作ってくれる業者(しかも安くて美味しい)なんて、近所ににあるのかいな?と思って、試しにYelpで"Sushi delivery"場所"Berkeley,CA"と入れてみると、85件ヒット。この高々10万人の都市に、寿司の出前がこんなにあるとは、アメリカ人の寿司好きぶりに驚きます。

85件から選ぶのも効率悪いので、評価が高くキチンとビジネスをしてそうなところだけメモをして、次に実地調査。近所のスーパー5社程度に、寿司の弁当箱が置かれているので、その中からおいしそう&値段が高すぎないものを買って、食べてみる。見た目綺麗なものの中で、味は本当にピンからキリで、びっくり。ちなみに、最悪は予想通り、学部生向け大学生協で売ってた弁当。見た目はなかなか良いのに、一口で吐きそうになった。1社おいしいものがあったので、そこを候補に。

最後に、以前緒方貞子さんや稲盛和夫さんらがバークレーにいらした時に、レセプションで提供されていた寿司のケータリング業者をCal Japan Studyへ問い合わせ。1件、良いものがありました。

これらの所に、電話して問い合わせてみる。"2月20日に弁当500個、この値段で作っていただけませんか?"と聴くと、特に本業がレストランの所からは、"そんな値段では無理。大皿ならいいけど、弁当箱は箱のコストが高い"、とか、"生ものは腐るからだめ"、とか断られたこともありました。しかし、"頑張ってみます。昔800個までなら作ったことがある"、とか、"その値段は駄目だけど、あと1個$1上乗せしてもらえれば、凄くいいのを作る"、など、受注を頑張ろうとしてくる業者もあり。

ここまでのやり取りが面白かったのと、この時点で残った弁当はおいしいものばかりだったので、せっかくなので、幹事の皆で品評会をしながら決めることに。金曜日の昼に"今3社程度の候補の中から1-2社迷っているので、明日の昼までに普通の1つ、ベジタリアン向け1つの、2種類のサンプルを用意して下さい。"と電話。こうして、候補に選ばれたのは次の3社(クリックでホームページへ)。
○ Musashi Japanese Restaurant
○ Suruki Japanese Restaurant
○ Creative Sushi Catering

そして土曜日当日。大雨の中サンプルを全て回収。ついでに、"日本酒も出そう"ということになり、もう何度も御世話になっている、バークレーにある米国宝酒造本社テイスティングルームに幹事のみんなを連れて行き、まずはお酒のテイスティングと、会議へのお酒の協力をいただけました。
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次に、我が家にて品評会。価格の違う2種類の弁当を用意したお店もあり、下記のような合計7種類の弁当が並びました(写真の順番と上記店の順番は不同)。
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ここから、幹事全員で喧々諤々の議論が始まる。
・ 「全体的に、この値段の割りに、これだけいっぱいのおかずが詰まっている、というのは、お得感があっていいね。どういう基準で決めようか。見た目、品質、味、コスト、宅配付きかどうか、、、」
・ 「コストは重要だよ。$1違うだけで、全然インパクトが違う。」
・ 「いやー、コストもいいけど、食べ物は会議の満足度を直接左右するからね。」
・ 「どうやって選ぼうか。順位をつけるか、1人1個にするか?。」
・ 「ベジタリアンは、これ、大丈夫かな」
・ 「他に味噌汁とかつけてもらう?」「いや、汁物はめちゃめちゃ大変だから、無理だよ。まだ昼からお酒を出したほうがいいよ。」
刺身を切りながら脇で聞いていた妻は、あまりの真剣さに大爆笑していました。
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そして、結局基準は見た目と味の2つに。まず全員紙に見た目の順位をつけて、回収。次に、各自自由に少しずつ試食し、味として一番おいしかったものを選んで、決めていきました。

結果、どの御弁当が選ばれたのかは、会議当日のお楽しみに。下記感想だけ述べておきます。
○ 購買担当者は楽しいが危険!!: どんなに"公平な相見積もりをしなくてはいけない"、と思っても、実際に店を訪問して手厚くもてなされたり、「どうしても買って欲しい」、という顔で懇願されると、ついつい情が移ってしまいがちになる。逆に、別の店で、明らかに普通で何の非も無い対応をしても、他の店の対応が手厚いため、対応が悪い、と錯覚してしまう。そう頭では分かっていたが、実際にやると本当に危ないと実感。

○ 味覚の違いと見た目の重要さ: 私が美味しい、と思ったものは、他の人と随分異なった。私が変なだけかもしれないが、やはり日本人が和食に関して気になる細かい味は、外国人には気にならないのだろうと思う。とすると、おそらく今回の3つの味は大差なく、私が考える以上に見た目がより重要なファクターになったと思われる。

○ 食は交流の基本: この後、妻に作ってもらった豚汁と刺身、友人に御土産で頂いた南カリフォルニア産のウニなどを交えて、日本酒を飲みながら、皆で相当酔っ払いながら、楽しい一時を過ごしました。皆もうすぐ卒業し、今後は世界中に散らばって活躍することになりますが、その前にこういう交流ができるのは嬉しいこと。協力してくれた妻に感謝すると共に、残された1日1日を大切にしたいと思います。
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by golden_bear | 2010-01-23 23:57 | ABC

たまには酔っ払った勢いで、、、

新学期始まって4日、ザンビアの記事を書く、と言っておきながら、やはりというかなんと言うか、授業が始まると毎日毎日本当に面白いイベント&びっくりすることがありすぎのMBA生活。本日は昼5時から9時間連続で0次会から4次会まで飲み続け、相当泥酔して恐らく書き終わった頃には記憶が無いのですが、とりあえずここ4日間のうちに起こって印象に残ったこと、普段書かないようなことも、酔っ払った勢いで、そのまま下に書き並べてみます。

(ちなみに、この後ザンビアの記事を書く前に最低2つはまとまった記事を書くこと、及び、必要以上に大げさに書いていること、及び、今回はあえて定量表現を避けて具体的にしていないこと、を、ご了承下さい。)


○ MBA2年生(Haasの場合本年5月末に卒業する生徒)の就職状況(1): 今まで良く分からなかったこともあり、そしてたまたま自分が良く付き合っていた人が内定をもらえている割合が多かった(="デキル"と思った外国人とばかり無理やりチームを組んでもらっていた)こともあり、あまり意識して書かなかった2年生の就職活動。たまたまあるきっかけで、この問題は、自分の想像を超えてはるかに恐ろしくヤバイことに気付いた。現時点で次の就職先が決まっていない人がこんなにいるとは、、、特に、米国人。留学生はまだ本国の採用がある分ある程度想像通りだけど、米国人の米国におけるMBA就職状況は、本当に酷い。

○ 2年生の就職状況(2): こんな状況とはいえ、本当にデキル奴は選り取りみどりで、複数社から内定をもらっている。

○ 2年生の就職状況(3): この背景として、早速(1)と矛盾しているかもしれないが、皆が"わざわざ数千万円の投資してMBAに来たからには、できるだけ良いところに就職したい"と考えていることが原因の節もあり、、、。結構、"内定をもらったが、そこだどあまりに待遇が悪いので、もっと良いところを目指している"という人も、多いようにも思われる。

○ 青田刈り(1)(2年生の就職活動(4)): そして、一番"すごいなー、やられたなー"と思ったのは、どこの国のどこの企業とは言わないが、この(1)-(3)の状況を踏まえてここぞとばかりに超優秀な生徒を取り捲っている企業があったと知ったこと。一応、誰もが認める優良企業なので、そこを受けていた人が一杯いたことは知っていたが、その上で驚いたのは、”内定を出した数”の想像以上の多さ、に加え、”その中から、わざわざよりによってこいつらを選んだかー”、という、ある意味における素晴らしい選球眼の良さです。こういう採用活動ができる日本企業は残念ながら今存在しないんだろうなあ、、、

○ 青田刈り(2)(2年生の就職活動(5)): (2)に絡むが、(4)の企業に内定をもらっても、結局辞退する人も想像以上に多かった。その中では、元々内定を頂いた米国企業が嫌で海外の企業を受けてみたが、最後に嫌だった米国企業に戻した人がほとんどと思われる。かように、米国人にとって米国以外の企業に勤める、というのは、とても大きいリスクなのだなあ、という米国人のプライドの高さを改めて実感。

○ ヨーヨーマとSFO(1): 今週、たまたまサンフランシスコに来ていたので、行ってみた。とはいえ、チケットは4ヶ月前に買って完売していた。これが、にわかクラシック好きの自分にとっては意外にも、サンフランシスコ交響楽団とその建物を見に行く最初の機会。
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(ホール内から見たサンフランシスコ市庁舎)
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(休憩時間のホールの様子)。今回初めて生で見たヨーヨーマの印象は、将棋の"羽生義治"氏と全く同じ。共に業界の第一人者であることはもちろん、顔つきとめがねもその通りだが、とにかく腰が低いのと、本当に楽しそうに演奏するのと、首の曲がり具合加減あたりが、本当にそっくりでした。

(注:ここから先は意味不明になっていたので、書き直しました。)
○ ヨーヨーマとSFO(2): 次にオーケストラに関して。しょっぱなから最も驚いたのは、指揮者が突然最初の曲に、プログラムに無い、通常でいうアンコールを持ってきたこと。その理由は、今回のプログラムがシベリウスの海、ショスタコービッチのチェロ・コンツェルト、及びチャイコフスキーの交響曲2番、という、どれもとても重く、特に最初の2曲はこの異常気象そのまま反映しているくらい暗いこと。指揮者は最初にマイクを使って全員にしゃべった後、”皮肉にも、、、本日のプログラムみたいに最近の天気は暗すぎるから、その前に明るい曲を入れました”、としゃべりだして、突然ショスタコービッチのポルカが演奏されました。この、観客から笑い声が絶えないようなポルカが聴けたお陰で、会場の雰囲気が一変。このようなサービスが即興で思いつかれるのも、ベイエリアの陽気な性格から来るのでしょうか。

○ ヨーヨーマとSFO(3): 建物の印象。まず、最上階(2階席)で聴いたのですが、迫力が消されてしまい残念。まるで2階最前列の目の前に透明の膜でもあるかのように、余分なノイズはかき消されているような印象で、せっかくCDのデジタル音でないアナログを聞きに来たのに、「映像+30個くらいのスピーカーによる、デジタル音」で、綺麗だが少音量になって耳に届いた感じです。これでは私のような普通の人からの受けは、悪くなる気がしました。演奏そのものは良くまとまって素晴らしい、と思ったので、音楽雑誌の世界ランクではだいたい30~40位以内に入っているオーケストラですが、もし建物のせいで評価が下がったり観客に与える印象が悪くなってしまっているのなら、残念です。一方、椅子の間隔や大きさはとてもゆったり作られていて、快適に座って聴くことができました。もう1回位、別の椅子に座って聴いてみたいと思います。(、、、こう思った時点で、「リピーターとしてより高い席を買わせる」マーケティングに嵌ったのかもしれません)

○ 義務or機会: 学期が始まると、想定外の所から面白い機会が2つも降ってきた。これらをやると決めた場合、相当な義務が発生するため、やるかどうかはとりあえず未定。せっかく立てた授業計画含めてまた考え直すことに
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by golden_bear | 2010-01-23 20:23 | 社会・風土

春学期開講と1/2定年記念日:大方針と授業選択の様子

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(1月17日(日)午後4時、バークレーの裏山Grizzly Peakより撮影)

バークレーはここ最近、豪雨やあられなど、毎日異常なほどぐずついた天気が続いています。気温も最近は最低気温が10度を割る日が多いです。そんな中、本日、いよいよ最終学期が開講しました。そしてこの日は、私の32歳の誕生日から丁度丸6ヶ月が経ち、32.5歳を迎えた日。65歳定年と考えた場合の折り返し日でもありました。

そんなわけで、仕事人生の後半にさしかかるにあたり、その最初に与えられたこの貴重な4ヶ月間の"Paid Vacation"(注1)。学生最後の猶予を如何に過ごそうか、冬休み中何度か考えていたのですが、決まったことは、月並みながら下記の大方針のみ:

○ 卒業後の32年間に備えて、「心・技・体」をリフレッシュする
- 今しか出来ないこと、及び、卒業後の第1歩&32年間ずっと通して考えること、に向けて今準備できること、のみを実行する
- 特に、家族とのんびり過ごす時間を増やし、興味の向くままに自然にいろんなことができるように、ゆとりを持って予定を空ける
- 具体的には、週休5日を目指す:中国語を除き、授業は基本的に月曜水曜の2日間に集中

最近の天気のように、のらりくらりとしたスタートですが、下記に現状の授業選択の状況を記してみます。実際に何を取ったかは2月1日に決まります。ちなみに、Haasで春学期に選べる授業のリストはここで見ることが出来ます。MBAのうち必修授業を除いて、約70個のクラスから選択可能です。これに加えて、UC Berkeley全体から授業を取ることも可能(一覧はここで見れます)で、私が取っている語学もそうですが、法律学、政治経済学、情報工学などを履修している人も結構います。一学年240人という小規模にして、この機会の多さは嬉しいところです。

(受講すると決めた授業)
・ Chinese 1B (月-金、8-9am): 秋学期のChinese 1Aの続き。基本的なスタイルは変わらないが、特に聴く・話すを重視して、より様々な場面の中国語を身につけていく。本日1回目を受けた感じでは、先生が変わり、前学期よりさらに厳しくなった印象。

・ Managing Innovation (月: 2-4pm): "Open Innovation"の著者H.Chesbrough教授による、イノベーション論。彼は他に2つ授業を持っているが、恐らくこれが一番イノベーションを網羅的に扱っている、人気授業。Haasに来る前は、Haasではイノベーションを一杯勉強しようと思っていたが、実際来てみて、ビジネス&学問の側面から大上段に構えて語ったものを聴くよりは、自らシリコンバレーの内側に飛び込み様々な話を断片でも大量に拾った方が面白い、と思うようになった。従って、この系統の授業はあまり選んでこなかったが、今までに拾ってきたものをまとめて昇華させるため、この大御所の授業を一発MBAの締めに取ることに。

・ Managerial Accounting (水: 2-4pm): いわゆる管理会計。本で勉強できるといえばその通りだが、Udpa教授という個人的にとてもつぼに嵌った面白い教授が、米国&IFRS基準双方に対応して教えてくれる、貴重な機会。

・ International Finance (水: 4-6pm): 前学期のCorporate Financeで学んだ内容の一つ一つが、国境をまたいだ時にどうなるか、というトピックを網羅的に扱う。教授は新しい人で未知数だが、今この内容にとても興味があるため、最悪教科書で自習するつもりで受講を決定。

・ Private Equity: A Focus on Leveraged Buyouts (日: 8am-5pm x 2日間): 日曜日を丸2日潰して、要は「ハゲタカ」の小説や映画の、実務に相当する部分を演習で行いつつ、今後この業界で何が起こるかを議論する。たった丸2日で何が出来るようになるとも思えないが、生徒からの評判は良いので、昨年消化不良だったM&Aの授業の学びを、ここで少しでも補完したい。


(受講するかどうか迷っている授業)
・ Designing Financial Models that Work (月 4-6pm、春学期前半のみ): 誰が見ても使っても分かりやすく間違えないようなエクセルの表を作る、という、それだけに特化した授業。こんなものMBAでやることか、とも思うが、エクセルという言葉を取っ払って、「何も知らない他人にデータを最も分かりやすく伝達する」方法論を学ぶ、と考えれば、何か本質的なものが得られるのかもしれない。実際に過去の受講生から「感動した」というコメントが多いのと、時間が丁度良いので、恐らく受講するでしょう。

・ Wine Industry (木 6-8pm): 毎週木曜日の夜にワイン業界関係者(ワイナリー(畑・醸造)の人以外にも、流通関係や一流レストランなどなど多岐に亘る)の人を呼び、ワイン片手に業界知識やテイスティング・スキルを上げる授業。こういう遊び(スピーカーシリーズ)系の授業は2単位までしか卒業単位(注2)に考慮されないのに、既に2単位取ってしまい単位換算されないのと、このためだけに木曜夜に大学に行く意味があるかどうか、1回目を受けて決める予定。

・ Investment (月 6-9:30pm): 金融工学を元に、株・保険・不動産等の各業界でどのように投資が行われているか、理論と実践を学ぶ。しかしとても評判は悪い。実際に投資家になった卒業生ですら、「この授業で習う理論は難しすぎて、現実にはごく一部のヘッジファンド位しか使っていないと思う。とても大変で取ったら失敗する」、というくらい、不人気で負荷も甚大な授業とのことだが、行動ファイナンスを本で読んだ上で、こちらを授業で受ければ、投資家という生き物がどういう行動原理で動くのか、理論的に理解できるのでは、と考えてもいる。今年から教授が変わったので、おっかなびっくり第1回目を受けてみて判断したい。


(受講できなかった授業)
・ Pricing (月・水 9:30-11:00): マーケティングの一要素でしかない価格決定のみを徹底的に扱う授業。確かに価格決定こそがビジネスをビジネスたらしめる(法・政治・社会・心理学などの世界で価格のみを徹底して扱うことは通常無い)し、この魑魅魍魎の世界が本当にある程度でも理論にできるのであれば、その理論・考え方は今後の人生においてもとても有益だろうと思い、ビッド時に持分1000ポイント中525ポイントを投入。しかし、過去の受講生全員が薦めるほど評判が良いこの授業、今年は666ポイントが足切りラインとなり、敢え無く受講できず残念。


(受講をやめた授業)
・ Negotiations and Conflict Resolution (火&木、2-3:30pm): 交渉術の演習を毎回シミュレーションで行う。前学期取ろうとしてやめてわざわざ今学期に回したが、前学期受講した友人数人の感想が、「楽しいし、予復習もいらないけど、所詮練習。非ネイティブなら英語の練習には良いと思う」という感じ。これを聞き、それなら前職でやったことのあるトレーニングと大して変わらないと思い、前学期なら取ったけど、学生最後の今学期にわざわざこのために火曜と木曜を潰すのは勿体無いと感じ、結局取らないことに。

・ Entrepreneurship (月 6-9:30pmまたは木 8-11am): 看板授業であり、前々からこの知識が無くて失敗したな、と思うことは数あれど、そんなこんなでこの授業に関連する授業を幾つか取るうちに、大体何やるかがわかってしまった。そして、木曜は中国語と被るし、月曜夜は教授が変わってしまい評判も悪い。ということで、これも結局却下することに。

・ Hedge Funds (火 4-6pm): 毎回ヘッジファンドの人を呼び、手法やどういう人・行動原理で動いているのか、を学ぶ授業。冬休みに関連本を2冊ほど読んで、それで良いや、という気になった。


今学期火曜と木曜を空けるために「受講をやめた授業」の上2つを見る限り、何事も後回しにすると結局一生できないんだな、と改めて感じざるを得ないです。まあ、前を向いて生きて行きたいと思います。

そんなこんなで、今後しばらくは、授業選択が最終決定する2月1日まで、たまっていた昨年夏のIBD(International Business Development)/ザンビア関連の記事を少しずつアップしていきます。今後もどうぞ宜しくお願いします。



(注1) 通常の英語では「有給休暇」の意味。ただ、米国人の友人たちと、MBA最終学期というある意味「金を払って得た休暇」をどう過ごすかの話をしてたら、その状態も英語では"Paid Vacation"だろう、ということになった。本当かどうかは知りません。

(注2) 卒業に最低必要である単位の51単位はほぼクリアしている(前学期までに既に46単位取り、今学期中国語が終わるだけでも6単位増え52単位に)。が、留学生は各学期最低8単位以上取ることが義務となっており、あまり少なくしすぎると、もし何かで不可がついたときに卒業不能となってしまうリスクがある。
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by golden_bear | 2010-01-19 22:27 | 学業

2009インターン向け就職活動レポート(3) 経験からの学び

インターン向け就職活動に関する、過去の2つの記事(60回目の正直- インターン向け就職活動を振り返る,2009インターン状況レポート(1) Haas視点での他校比較)に対する質問を幾つか頂いたので、こちらで補足したいと思います。尚、データ等明記されてないものは私の経験に基づく話なので、年毎の景気や人・大学等のバックグラウンドにより、必ずしも当てはまらないケースもあることを、お断りしておきます。追加質問・コメント等は歓迎いたします。

頂いた質問は、大別すると下記のようなものです。
(1) 60ポジションに出願した、というのは普通のことか(負荷の大きさ・失敗した点)?
(2) 純日本人のキャリア・バックグラウンドで大丈夫か?
(3) 採用のポイント/コツは何か?
(4) 情報収集/ネットワーキングのような活動はどのくらい重要か?
(5) 2010は2009と比べてどう違いそうか?

(1) 60ポジションに出願した、というのは普通のことか(負荷の大きさ・失敗した点)?
いえ、59社落ちてる時点で、明らかに失敗の就職活動です。本当は、行きたい企業ないしは業界・ポジションがものすごく明確に具体的にあって、そこのみ徹底して研究して受けた方の中には、日本人の米国就職でも2-3社しか受けず成功した方もいるようです。そうでなくても、成功している人は10社~多くても20社程度の検討で、内定を取っているようです。

一方、私と同様、60社くらい出さなければインターンの内定が出ない状況に陥った、すなわち5-6月のギリギリまで活動していた方は、09年の場合恐らく全体のインターン志望者の2-3割に上っているような気がします。(注1)

というわけで、かかる負荷は、天国と地獄の2パターン
○ 早めに志望企業から内定が出た場合、あるいは、受けるところを絞り駄目だったらきっぱり諦める場合: 授業2-4単位(1-2コマ)分、
○ そうでない場合: 授業6-9単位(3-4コマ)分

その内訳は、大体下記(a)-(c)
 (a) 情報収集&ネットワーキング(各種説明会/ジョブフェア/アルムナイイベント/企業訪問等への参加とその後のフォロー、ネット/メーリングリスト/キャリアセンター通じての業界・企業研究)
 (b) レジュメ・カバーレターの雛形作成、書き方マスター、及び実際各社向けへの作成と送付
 (c) インタビューの練習及び本番
慣れるまでは、(a)&(b)に1社5-10時間くらいかかりますが、慣れると1社1-2時間で出来るようになる、という感じです。(c)は、内定するくらいまで何回か受けると、結局1社に対して5-10時間くらい取られる感じです。

じゃあ、どうしたら早めに内定もらえるの?という話になりますが、一般化は難しいと思います。私自身、成功者のブログに書かれている内容を見て、仮に同じことをして、自分が成功しただろう、という気がしないです。ただし、これを怠ったから59回失敗しただろう、というポイントが、4つくらい思い当たりますので、下記に記します。

 ○ 選択と集中&優先順位付けに、柔軟性が足りなかった
 私も最初から闇雲に60社も受けるつもりはなく、秋のうちに4社程度に絞り、そこに関しては徹底的に調査や練習をして臨んだつもりでした。しかし、その4社中3社が、2-3月の時点で「まだ採用をするか決定できないので待ってくれ」、その後3-4月に結局「(留学生を)採用しないことになった」。既に、他社の面接等も始まっていたので、とりあえず少しでもフィットしそうなところには全て出すことに。ここで、良くも悪くも、それなりの確率でインタビューまで行けてしまったため、却って一社あたりの準備の時間が減ってしまう。その場その場でベストを尽くすも、元々MBA以前から持っていた自分の強みが無い所からは全て1次で落ちる結果になりました。

 すなわち、就職活動中の様々な外乱により、頭でやっているはずの選択と集中&優先順位付けが、実際その通りならなくなってしまったのです。これへの対策としては、一番いいのは恐らく、「自分はXXをやりたい人間だ」というのを、ものすごく強く持ち、そこからぶれないこと。ただ、この海外MBAの新しい環境での海外就職活動、私同様心に強い軸を持ちようが無い/あえて持たない人も多いかと思います。その場合でも、定期的に周りの友人/キャリアセンター等頼れる人々と相談し、自分のやりたいこととやっていることがぶれてないかどうか、確認することは重要と思います。

 ○ 英語力の無さに、謙虚になりきれていなかった

 英語力が無くても米国で内定をもらえる日本人の方がいることはその通りですが、とはいえ英語が流暢でない、というその理由だけで駄目になったことも結構あったように思います。この点、私はスキルをアピールすることで英語力の無さを補うことばかり考えていたのですが、多分それは傲慢だったと思います。もう少し基本に戻って、その業界の英語を徹底的に頭に叩き込む、発音をゆっくり丁寧にする、など意識してやっていれば、多少違った気がします。

 ○ OB訪問をあまりしなかった
 キャンパス訪問に来るOBとは話して御礼状も書いたから、それで良い、と思っていたが、後から考えると、大抵1人で20-30人を相手にするので、お互い込み入った話が出来ず、その次の一歩が必要だった。忙しさにかまけたのと、あまり英語で気の利いた質問が出来そうに無かった、という理由で、踏み込んだOB訪問が出来なかったことは失敗。単純にOB訪問の電話を何人かにかけて、「どうしてもその企業から内定が欲しい」、と勢いだけでもいいから、やる気を見せていれば、そのうちの誰かから別の攻略の糸口が見えたかもしれない。

 ○ 自分の強みの把握が遅れた

 米国人が日本人の私をどうして採用するのか、という分析が結局甘かったこともあります。これは、米国人すら採用していない中で、現実的に結果論でしか分からない部分もありますが、すぐ下でも少し述べてみます。


(2) 純日本人のキャリア・バックグラウンドで大丈夫か?
結論から書くと、そもそも、企業から見て欲しい人材であるかどうか、が一番重要なので、国籍は基本的に関係無しの平等の勝負です。日本人かどうかは、武器に使える場合のみ使い、普段は意識しないべき。とはいえ、日本人特有で考えるべき点として、受験資格、採用基準、就労ビザの3点については下記記します。

 まず受験資格。基本的に"US Citizen Only"となっているところ以外は、良くも悪くも
スキル面は平等に見てくれるはず。もっとも、この話には±両側の例外があり、
 ○ US Citizen Onlyと書いてあっても、留学生がもぐりこめるケースもある:
 例えば、Ciscoは米国人しか取らないと公明正大に宣言している代表的な企業ですが、インド人MBA留学生でインターンした方がいます。実は彼女はOB訪問を繰り返すうちに、Ciscoに最近買収されたばかりで、まだ人事部の方針がCiscoのやり方に統一されていない部門があることを発見し、そこにアプローチすることで内定を頂いたそうです。
 ○ US Citizen Onlyと書いてなくても、留学生が却下されるケースあり: 
 09年は特に、ニュースに出るほどの大量の従業員解雇をした企業は、米国政府に睨まれて実質留学生採用を停めてしまった所も多かったような印象があります。極端な例では、08年まで「最も留学生を活用している」ことに定評のあった西海岸の某企業、1月中頃に某政府高官が名指しでその企業を批判した翌日に、留学生向けのインタビューが全てキャンセルになりました。

 次に、平等にスキルを見てくれる、ため、当たり前ですが、採用基準の通過、及び、採用人数枠内で他の出願者より評価が高い、の2つのハードルを越えなければなりません。ここで、一般的には、採用基準を通過するゲームの方は、減点/消去法方式。キチンと基準に合致さえしていれば、ミスを減らす努力で克服できると思います。一方、採用人数枠内で他人より優れているかどうか、は、加点方式。どんだけ開き直って徹底的にアピールできるかの勝負 + 自分より強い人がいたら運が悪いと思って諦める(数撃つ x 競争の少ないところを選ぶ)、に尽きると思います。

 ここで、純日本人特有の話です。減点法では1つだけ、採用基準に"Excellent Communication Skills"とか明記されている場合は、恐らく面接で見られてるので、厳し目になります。Business Development(企業向け営業)、や人事など社内向け業務にはほとんどついていますし、MarketingやProduct Managementみたいに社内調整が必要な部門も多いです。

 ただ、仮にそう明記されてても、業務上差し支えないコミュニケーションができれば、流暢でなくても構わないのは確かです。私の場合、前職の専門分野で、そこで使う「英単語に」慣れていた業務/業界では、たとえ英語が変でも、一発目のインタビューは通過できることが多かったです。したがって、なりたい業界・職種が明確な場合は、その分野の英語を徹底的に鍛えることで、日本人発音を克服できる可能性はあると思います。また、日本人に理解がある面接官(日本で/日本人と働いたことがある、など)の場合は、大目に見てくれることがあります。

 加点法の面では、そもそも日本人が欲しい(日本市場の調査・日本進出など)場合は当然日本人内での争いになります。そうでない場合は、常に、自分が日本でやって来たことが世界でも通用することを示すかどうかの判断がいると思います。一般的に、質問内で要求されている場合のみ、積極的にやるべきで、そうでない場合は、むしろ日本人色を消した方が良いと思います。

 最後に就労ビザですが、多くの企業がインターン生の中からできれば本採用を取りたいと思っていることもあり、持っていた方が無いよりは全然良いのは確かです。一方、インターンを短期の戦力として使いたい会社は、関係なく採ってくれます。いずれにしても、この点は、まず第一に嘘をつかないこと。仮に本採用になった場合にどうなるのか(H1Bが取れるのか、その期間など)、も含めて、自分の状況は自己責任で調べておき、聞かれた際にできるだけ早く正しく説明をすることが重要です。なぜなら、米国人が米国人相手に採用活動をすることが前提の場合、各国で異なる留学生の状況など、インタビュアーはもちろん、人事部の方も頭に入っていないことが多いためです。そして、例えばF1ビザでもインターン中は法的に問題なく働ける、という内容を、エントリー用紙に記入する際など、細かい表現で困ったら、迷わず大学のキャリアサービスに相談すること。間違っても企業の人事部担当者に問い合わせてはいけないです。(私自身、その質問をしてしまったことで、不採用になったことがあります。)


(3) 採用のポイント/コツは何か?
上記に書いた「採用基準の減点法/消去法で消されない」、「加点法の勝負で他者を出し抜く」の2つのゲームにどんな手を使ってでも勝つことです。ただし、前のブログ記事60回目の正直- インターン向け就職活動を振り返るに書いた、3つのチャネル別に、ゲームのルールが異なります。

 (a) ストラクチャーされたオンキャンパスリクルーティング; 毎年、各大学から複数名、MBA生全体で50名前後を採用するような、インターン向けの社内プログラムを専門に用意している大企業。大抵、MBA採用専門の担当者がいて、秋学期のうちに企業のほうから社員数名がプレゼンテーションに来たり、会社訪問等のプログラムを組織的に組んでいたりする。
 (b) アドホックなオンキャンパスリクルーティング; 上記以外で大学の就職課担当の方経由での募集。大抵、職種がしっかり決まっていて、1人即戦力の狙った人を採用する形
 (c) オフキャンパス; 大学の就職課を通さない就職活動。自分でWeb検索、各種メーリングリストに登録したり、OB訪問やAlumni、前職の先輩など、使えるものは全て使う形で実施


まず、(a)のチャネルには、(a)-1 人事担当者がレジュメをスクリーニング → (a)-2 中堅社員の面接 → (a)-3 役員面接、の3ステップあります。とにかく大量のレジュメから複数人を選ぶので、何となく、(a)-1は減点法9割&加点法1割、(a)-2は減点法7割&加点法3割、(a)-3で減点法4割&加点法6割、という印象です。「減点ゼロが大前提で、その中で同期の友人達より仕事が出来ることをアピールする勝負」という感じです。

この(a)においては、裏からの根回しなどが効かない分、正攻法で同期の友人とどう戦うか、が最も重要です。そして、「インターンの短期間で組織の中で仕事ができる奴」を求めるため、自己アピールは基本的に本気度を示すための最小限に、聞かれている質問に単刀直入に必要十分に歯切れ良く応える、というスキルが効いてくると思います。すなわち、行きたい会社を絞ったら、徹底的にその業界のケース・インタビューを練習する、ことが、他よりも効果があるところです。最後の役員面接の時に、「自分を採らないと損ですよ」、というコミュニケーションが出来れば良いと思います。

次に、(b)のチャネルは、本当にズバリその経験/スキルセットがある人、という形で募集がかかるため、まずその採用基準を満たすことが大きな難関になります。この採用基準、一般的には本当に厳しいです。例えば、私が直面した具体例では、下記のような基準が課されたことがありました。

・ MBA from a top tier school graduating December 2009 - June 2010
・ 4-5 years total work experience, including a minimum of two years of business analysis and financial modeling experience, preferably as an Investment Banking Analyst or Strategy Consultant prior to business school
・ Direct experience in M&A execution and integration strongly preferred
・ Passion for high technology/software and commitment to pursue a career in technology (as opposed to a service-based career)
・ Driver - action-oriented leader comfortable with taking initiative
・ Self-starter who requires minimal oversight from manager
・ Must have strong interpersonal skills & ability to “win people over”, relationship building with the internal teams is vital to success
・ Strong follow-through skills, ability to complete tasks and hold other team members accountable
・ Strong work ethic; extremely organized and detail oriented

私の場合、上記の中で足りないのは3番目の"strongly preferred"だけ。他はドンピシャで当てはまっている、と、少なくともカバーレターや面接内でアピールできる、と考えていました。ところが、ここに出願した結果、一瞬で下記のメールが帰ってきました。
"Unfortunately, the manager is looking for someone who has enterprise experience more specifically those that have had M&A."
上記投資銀行orコンサルティングファームの4-5年の経験後、IT系の事業会社内でM&Aに携わった経験のある人が、複数人いた、と推察されます。

同様に、上記にそっくりな条件で、弁護士資格が無い、という1点だけを理由に、書類ではねられたこともあります。

さらに、このような厳しい基準をパスした結果、5人候補者がいて、1/5の戦いに敗れたこともあります。それも、6月時点という、多くの人が既にインターンを決めていた時期に、です。

ここからの意味合いとして、下記はいえるかもしれません。
 - カバーレターにはあまり意味が無い。ないと駄目だが、結局、レジュメの経験がスクリーニングで一番重要
 - MBAにはとんでもない経験を持ったツワモノが世界中からいっぱい集まっている: 日本では、少々面白い固有の経験を持っているな、と思っていても、それは井の中の蛙


(c)のチャネルですが、これはウェブ上やメーリス等から拾ってきたポジションの場合は、(b)に準拠します。一方、スタートアップなど、無理やり押しかけていって、自分から"私御社の中でこんな仕事できます"と、提案営業して周るようなやり方をすることもあります。その場合には、基本的にどれだけ加点できるか、だけの勝負と思います。ただし、その場合でも、「MBA以前にどんな経験をしてきたか」が常に議論の第一歩になります。したがって、レジュメを整備しながら、自分の過去、およびそこから何故御社なのか、の話を簡潔に出来る準備を整えることだけは、準備として必須。あとは、良く相手を下調べしたうえで、躊躇せず自分を出し切るのみです。


 次に、どんな手を使ってでも勝つ、と書きましたが、最後まで諦めない、というのも重要かと思います。これは、大学によっても違うかもしれませんが、Haasの場合は幾つかのHaas好き(OBが一杯いっている、教授が教えているなど)な企業複数社が、5月中旬に、まだ内定が出ていない優秀な学生を、ごっそり大量採用したからです。このような大学独自のネットワークがある場合には、それを生かさない手はないと思います。

 最後に既に何度か挙げたレジュメの話。まず、何をどう書くべきか、という話は、大学のキャリアセンターやWeb上にいっぱい出ていますので、そちらをご参照下さい。ここでは、何が見られるか、どう準備するか、の2点に絞ります。まず、何が見られるかですが、実は企業側からは、ほとんど下記2つだけ
 ○ 直近の職歴: スキル&経験
 ○ MBAの経験: クラブ活動(代表/共同代表)、ケース/ビジネスプランコンペティションでの受賞など
 それも、ほとんど直近の職歴の中身ばかり詳しく問われる印象です。逆にほとんど問われないのは下記のような点で、これはスモールトークなど本編と関係ない話の種以外は、積極的にアピールすべきではなさそうです。
 ○ 社会人以前の経験(大学の学部・専攻程度は見られるが、それ以上突っ込まれない)
 ○ MBAの経験: 授業で学習した内容、重点学習分野
 ○ Othersの項目: 趣味など
 ○ 日本人固有/日本でしか通用しない項目
具体的に私の場合、ビジネスプランコンペティションへの参加は、何度か興味を持たれ、その中でやった分析やプレゼンを、米国での職務経験のように考慮してもらえたケースもあります。一方で、JGRB(バークレー日本人会)の設立者として立ち上げたことは、60回の面接で一度も話題になることはありませんでした。また、授業内でやった課題や得た知識、というのも、どんなにキツイ授業でも、所詮授業、経験としては認めてもらえませんでした。あと、生徒会役員やクラブのリーダーに選ばれた(選挙に勝った)人、というのは、たとえ留学生でも軒並み高倍率の人気企業からオファーをもらえています。要は、(勉強ではなく)仕事ができるのかどうか、及び、同じMBA学生の中で群を抜いているかどうか、が見られていると思います。

次にどう準備するか、ですが、あまり言われていないことでは、自分から他人のレジュメをチェックする手伝いをすると良い、です。もちろん、そのココロの第1は、そのお返しに自分のレジュメをチェックしてもらう、という点にあります。が、それ以上に、他人のレジュメを見て、仮に自分の元いた企業か知り合いの企業に「この人雇ってくれ」と3行で推薦文を書くとしたら、どう推薦するかなあ、と考えると、削った方が良い部分、もっと強調した方が良い部分がどこか、というのが具体的に見えてきます。この後、我が身を振り返ると、レジュメで自分が強調したい部分って実は他人が面白いと思う部分と結構ずれてる、ということに身をもって気付くので、大幅に良いレジュメになる可能性が高いです。


(4) 情報収集/ネットワーキングのような活動はどのくらい重要か?
インターンを取るためのネットワークは、下記3つの意味と思います。特に(b)の企業を発掘する場合、及び(c)で内定に至るまでの全てにおいてでは、重要です。
○ 発掘: 他人が知っていて自分の知らない企業/ポジションや、攻略法のヒントを、芋づる式に教えてもらう
○ 推薦(レファレンス): どこかの企業に出願する時に、自己申告で出願した場合と、誰かに「この人良いですよ」、と言ってもらった場合では、私にお鉢が回ってくる確率が100倍くらい違った印象があります。
○ サポート: もう何度も書いていますが、レジュメを添削してもらう、うまくいかない時に論理的・精神的に補助してもらう、など、友人たちのアドバイスは常に貴重です。

(a)ストラクチャーされたオンキャンパスリクルーティング、の場合は、人によりけりです。元々十分なスキルのある人なら、基本的には説明会に出て、会った人にちゃんとお礼を出すだけでも必要十分と思います。というのは、実際に合格した人を見る限り、ネットワーキングはあまり関係なさそうですし、悪印象を与えてしまうリスクもあるからです。一方、同じ(a)の企業でも、前職の取引先関係などビジネス上の文脈で、重要意思決定者に推薦状を書いてもらえたり、事前に直接会わせてもらえるような環境にあれば、オン・キャンパスであろうと、有利になるケースもあると思います。

どうするか、という話は、ここでは個別には書きませんが、絶対忘れてはならないのは、特に米国ではネットワークはギブ・アンド・テイクということです。単純にお願いして「いいよ」と快く有意義な話が帰ってくるのは、それが仕事の大学のキャリアセンターや、キャンパスイベントに来たOB/担当者に質問した時くらいです。したがって、どうにかして恩を売っておくことが重要なのですが、例えば、下記のような戦術は有効でした
 ○ 授業/スタディグループ等で、問題を解いてあげて、信頼関係を作る
 ○ クラブ活動/大学のイベント等で、ボランティアやリーダー役を買って出る
 ○ 自分の情報・スキルを売る: 他人の就職活動にアドバイスを買って出る、など
 ○ 食べ物でつる: 昼ごはんを奢ったり(すしとか)、妻にお菓子を焼いてもらったり
特に、誰かから何かを頼られたりした場合には、これ幸いとばかり率先して引き受けておいてあげる事で、後でとても自分のためになることが多いです。あまりクラブ活動等やってこずに時期を逃した方でも、教授のオフィス・アワーで質問しまくる、とか、就職活動関係イベントのボランティアなど、今からでもできることは沢山あると思いますので、必要な方は試行錯誤して頑張ってみていただければ、と思います。


(5) 2010は2009と比べてどう違いそうか?
Haasのキャリアセンターのデータベースを見る限り、秋時点でのオン・キャンパス・リクルーティングの説明会の数は、一昨年度→昨年度→本年度と単調減少しているようです。一方、年明け後現時点の仕事のポスティングの数は、昨年同時期と同程度か、多少多いようなイメージです。多いと思われる部分は、特に例年終わっている金融・コンサルティング業界がまだ続いていること、それ以外の業界でも、1社あたりのポジションの数が単純に増えたり多様化したりしている印象があります。

仮にポジション数が去年と同様、と考えて、秋のプレゼンのみカットされた、ということは、より自主的な情報収集が重要になっていると思います。これから就職活動される方の御健闘をお祈りいたします。


(注1) 2-3割と見積もった理由の1つは、Haas同期のインターン先から、5月以降に採用してた所を引いた印象。もう1つは、ある西海岸のTech系企業(表面上インターンを募集していない)に、知り合い経由で「無料でいいから働かせてください」とお願いしたところ、「貴方と同様、無料でも、と言ってくるMBA生が、未だに100人くらい殺到しているよ」、とのこと。その企業に興味を持ちそうな大学のMBA生の母数をイメージしてのことです。
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by golden_bear | 2010-01-17 23:19 | 就職活動

謹賀新年: 新年の体験とハイチ大地震への哀悼

大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。「UC Berkeley Haas MBA生活で、見たこと起こったことで、面白いと思ったことを中心に、そのまま残すスタイル」で続けてきたこのブログも、開設からはや1年と5ヶ月。この、想像以上に楽しい西海岸での留学生活では、「」に該当する体験は常に尽きず、特に継続を意識しなくてもネタが勝手にたまって行き、その質・量とも恐らく半分も表現できないながら、自然とここまで続いて参りました。卒業まであと4ヶ月の短い間ですが、最終学期も同じスタイルで続けて行きたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


挨拶と共に、タイトルの2つの内容を併せて記事にしておきます。先に新年の体験。1月6日より慶事のため1週間ほど日本に帰国し、一昨日バークレーに戻ってきました。その間、帰国前にはベイエリアに残っていたMBAの友人達(大学・国籍問わず)と食事やゴルフを楽しむ傍ら、あるスタートアップ企業の全社戦略構築を手伝わせていただき、大変勉強になりました。日本では、到着日の夜から出発日の昼まで、いろいろな方にお会いできて、新たな知見やエネルギーを頂きました。今回お会いできなかった方とも、また世界のどこかでお会いできることを、楽しみにしています。

そして、これが卒業前の最後の日本滞在になると思い、例によってBook-off秋葉原店と東京駅の東西にある2つの巨大書店、成田空港の2つの本屋から、計45冊を仕入れて戻って来ました。鳩山首相は28冊大人買いしたそうですが、その書店には1日遅れの同じ時間に入ったので、会えずに残念。首相が買った28冊と、似たようなコーナーから似たような本を選んだはずなのですか、私と被ったのは今回買ったもの1冊、元々持っていたもの2冊の、合計たった3冊でした。出版不況といわれながら、政治経済のこととなると、読まれる書籍はいっぱいあるんだなあ、と感じました。

他には、今回30分以上滞在した駅/町として、1都2県の10駅の状況が印象に残っています。新年3連休という特殊性もありますが、特に自由が丘と横浜の2駅(及びUNIQLO)は、どこが不況か、と思うくらい、人でごった返していて、1-2年前に行ったときに比べて活気が戻っている印象に驚きました。一方、大きなコンプレックスや百貨店・スーパーに全然人が入っていないこととのギャップの大きさ、二極化の進み具合にも驚きました。もちろん全く主観で書いているこれらの情報には客観的な価値は無いですが、このように半年に1回だけ帰国するような生活では、良くも悪くも、現場に行った体験に敏感になるようです。



次に、世の中では、JALの法的整理やGoogle(携帯・中国など)はじめ、驚く事件が山積みですが、私にとってやはり一番ショックが大きいのは、ハイチの大地震です。というのは、次のように、この1ヶ月の間にハイチがとても身近になっていたからです。

○ 先月訪問したドミニカ共和国のサマーナ港から、震源地までは、僅か250kmしか離れていない。実際に会ったドミニカの方々が、隣接する敵対国へ真っ先に救援物資を送っている

○ 地震前日の1月11日に新宿で友人に会ったときに、道で見かけて入った喫茶店が、ハイチ・コーヒーの店。ハイチ特産の美味しいコーヒーを頂き、カリブ海を思い出していた

これを受けて、まず第一に、日本でいう山手線の内側の建物とシステムが全滅したような被害の深刻さに、大変驚きました。もし今、無鉄砲な無職私費学生&米国在住者としては貧困層に相当する私の身に降りかかっていたら、家族共々あの瓦礫の中にいる立場なのかもしれん、とぞっとしました。仮に生きていても卒業も就職も断念する可能性があり、本当に人生何をリスクと考えてその対策をどうするか、考え直すきっかけになりました。

次に、下記のような、米国の対応の凄さを、改めて感じています。
○ 政府: あっという間に100億円の援助を決め、軍隊を派遣、米国の最優先課題に設定、"You will not be forsaken(あなた方は見捨てられることはない)"というスピーチ、、、ハイチ人と同じくアフリカ系のオバマ大統領による、この素早い行動は、かっこよすぎで心を打たれます。9.11テロ以来、中東関連で物議を醸しながら注目を集めた前任大統領とは全然違うやり方で、リーダーシップを発揮する機会に恵まれる、この大統領と米国という国の組み合わせは、やはり只者ではない、という感じです。

○ 報道: CNNが全ての番組をほっぽり出して、看板キャスターが現地入りして、徹底して地震関連のニュースのみを流す。NBC他ニュース専門でない他局も、CNN同様米国内のハイチ人を呼んでインタビューするなどで追従しています。この動きを見て、やはり「情報を集めて編集する」報道機関の力は大きいな、と実感しています。

○ Webサービス: Twitterは、元々設立当初の狙い通り災害の状況を伝えるのに役立った、と思いきや、今回は実際には多数のデマが流れて信頼を欠いているようです。一方で、Googleはハイチ向け特製衛星画像の提供を依頼されたそうで、救援活動のページもすぐに立ち上げており、さすが世界の情報をくまなく収集するミッションに忠実に見えます。

最後に、日本の反応を見てみる。すぐに、岡田外相に対応が遅いのでは、という質問が記者から飛んだ、というニュースが目に付きましたが、個人的には、今回の対応は、問題ないのでは、と思っています。なにしろ、地球の歩き方の「カリブ海の島々」編に、地名以外一言も紹介されないくらい、日本から見てハイチは地理的にも文化的にも遠い。既に滑走路が足りない、という状況の中、目と鼻の先にある重要拠点の米国が行う支援とは全然意味が違うと思います。むしろ、同じ地震の多い島国ならでは可能な援助という意味で、一段落した後の復興支援ができたほうが意義があると思います。短いインタビュー発言からは外相自身もそう考えているようです。

そして、次にアジアや日本国内で同様の震災があった時に、今回の米国に学んで素早く動ける体制を整えることが重要と思いました。この点で、1つだけ、今四機になった情報収集衛星は何をやっているのか、だけは気になりました。毎年数百億円の予算がつぎ込まれている中、軍事機密ということもあり全く情報公開されていませんが、少しは情報公開してくれた方が、日本の宇宙開発の方向性がはっきりして良いのではないか、とも感じています。


ハイチで被災された全ての方々の一刻も早い回復、そして亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
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by golden_bear | 2010-01-14 23:36 | 社会・風土


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