A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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Thanksgivingの4連休 (1/2) 食事と息抜き

気がついたら11月ももう最終日。先週は木曜からThanksgivingの4連休だったのですが、今週が怒涛の最終課題地獄かつ、インターンの仕事もたまりにたまっていたため、家でレポートを書きまくる日々でした。とはいえ、4連休が作業だけで終わるわけはなく、日々休みらしい行事を過ごしたため、2回に分けて、簡単にアップします。

1回目は、食事と息抜き。ということで、11月26、28、29の過ごし方をアップして見ます。

11/26(木) Thanksgiving Day
家族で七面鳥とパンプキン・パイを食べることで有名な感謝祭。アメリカ人にとってクリスマスの次に重要な祝日。日本でいう元旦みたいに、店はほぼ全てお休み。週の頭から米国人のほぼ全員が帰省を開始し、取り残された留学生の居場所はないなあ、と思っていたら、さすがはMBA。生徒会でVP of Internationalをやってるイタリア人の友人が、Thanksgiving Dinnerを体験したい留学生と、ボランティアで受け入れてくれる家族を募って、マッチングして割り当ててくれました。

というわけで、我々夫妻、及び、偶然もう1組の日本人家族を招いていただいたのは、大御所の老教授ご夫妻の家でした。なんでも、大学卒業後朝鮮戦争の兵役があり、1954年に横浜に一度住んだあと、シカゴ大でMBAを取得。一度製造業で働いてイタリア赴任などを経験した後、MITでPh.Dを取得。その直後、UCバークレーに籍を置き、以後40年間バークレーで教鞭を取りつづけたのだそうです。「ここに住むと、他のところには2度と住めないよ」とのこと。バークレーに隣接するケンジントンという高級住宅地にあるお家からは、サンフランシスコ・ベイエリアが一望でき、夕日が落ちる様を堪能できました。
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早速始まったディナー。最初はイタリアンと和風折衷の美味しいシーフードサラダ。バークレーが誇る我が家すぐそばの日本食材店"Tokyo Fish Market"で買ってきた、という魚の質は、40年在住の老夫婦に言わせても相当レベルが高いそうです。
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舌鼓を打っていると、七面鳥の登場。
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これを切るのは旦那様の仕事だそう。「貴方達も見に行きなさい」と促され、七面鳥のあけ方を後ろから見ていきます。
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そして出来上がった料理は、このお皿
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七面鳥はあまり味は良くないと聞いてはいたのですが、クランベリーソースと交えると、とてもさっぱりとした美味しい味でした。また、七面鳥にあうワインが赤か白かは、永遠の論争だと言うことで、私は両方のワインを頂きました。教授は「歴史的に無駄に価格&コストを高くしてきてしまった」カリフォルニアのワインより、「料理のことを第一に考える」フランスのワインを好むそうです。

最後に、パンプキン・パイ。これはこの家独特の作り方で一般的ではないパイだそうですが、とてつもなく美味しかったです。
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日本で元旦に見ず知らずの人を招待することは中々想像がつかないのですが、それが自然に出来てしまうところ、素晴らしいおもてなしでした。話題も、宗教行事からバークレーの歴史、欧州・日本の文化まで幅広く、アメリカ人の知識層の方との会話、という感じ。一方、私自身はこの教授が全米1-2を争うバークレーの金融工学(MFE)コースの創設メンバーの1人、と知り、いろいろと世界の経済・金融情勢の話の質問を幾つかしてしまったのですが、これは妻に駄目出しされました。確かに、日本で正月にくつろいでいるときに、真剣に仕事の話をし始めるのは野暮だったなあ、と反省したディナーでした。

その後、もう1組の日本人家族の方に招待され、深夜までワインを片手に語る。このご家族には、ディナー中もずっとおとなしくしていたとても可愛い赤ちゃんがいて、奥様が御風呂に入れたり大変そうな中、お構い無しに長居をしながら夫婦でワインを空けてしまいました。また反省。


11/28(土)
ゴルフの予定が、家の前が雨と寒さで断念。インターンの仕事と課題に集中。合間の息抜きに、新品$9.99で買ってみた2年前のゴルフゲームを試す。
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数年前のシカゴ赴任時に、CD/DVDプレーヤー代わりに買ったPS2が、ここで活躍。Pebble Beach, St Andrews, TPC Sawgrassといった、世界の有名ゴルフコースの数々がとても綺麗な絵で緻密に再現されていて、コースを見る勉強になります。そして、このゲームだとアンダーパーで回らないとゲームオーバーなので、まだ100を切れないような私のレベルからすると、上手い人が何を考えて1打も無駄にしないでゴルフをしているのか、大変参考になります。ちなみに、このゴルフゲームの最新版は日本ではWiiでしか出ていないように見えるのですが、米国では全プラットフォーム展開は勿論、中でもとりわけiPhone版がとてもよくダウンロードされているようで、時代の流れを感じます。


そして、朝から妻がじっくり煮込んだビーフシチューと小麦粉から作ったパンで、夕ご飯を楽しみます。学生寮でも大きなオーブンが使い放題、さらに、新鮮で美味しい野菜・肉・ワインをふんだんに生かした家庭料理が楽しめるのも、妻とカリフォルニアに感謝です。
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11/29(日)
朝からサンノゼにて、数年ぶりに再開した元同僚を囲み、楽しくブランチを頂きました。場所は、Dolce Hayes Mansion。私以外はバリバリ現役で働いている方々の集まりだったこともあり、高級感溢れるレストランでの、さわやかな一時でした。
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懐かしい話、楽しい話、元気が出る話の数々とともに、かわいい赤ちゃんを見るのに夢中になって、料理の写真を撮るのを忘れましたが、肉・魚・野菜・卵・主食などなど全部あわせたら百種類以上くらいありそうなフレンチのビュッフェに、シャンパンまたはミモザが飲み放題、という豪華なものでした。ちょっと変な味がした生牡蠣以外は、味も完璧でした。

その後はミツワという日本食スーパー、および隣接する紀伊国屋書店に初来訪。マグロの解体ショーをやっていました。駐車場と山頭火ラーメンが大混雑しているのは、昔シカゴのミツワで見た風景を思い出しました。

帰ってからが大変。通常授業の毎回の宿題に加えて、下記の課題をこなす日々に逆戻りでした。12/4(金)を乗り切れれば楽になるので、もう少し頑張ってみます。
11/30(月) インターン先へレポート提出(1)、CFE授業最終レポート提出、FIAプレゼン資料の完成、VC&PE最終レポートの最終議論、中国語筆記課題提出
12/1(火) FIA授業最終プレゼンの実施、インターン先へレポート提出(2)、
12/2(水) VC&PE最終レポート提出
12/3(木) 中国語口頭最終試験
12/4(金) 中国語筆記最終試験
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by golden_bear | 2009-11-29 23:00 | 社会・風土

Cisco 本社で受けた衝撃、と、その日本への意味合い考察

さて、大学がストライキの最中ではありましたが、金曜日の午後にサンノゼにあるCisco本社を見学に行きました。Haas Tech Clubが主催するこの企業訪問、通常は就職活動が主目的ではありますが、今回はHaas卒業生のグローバルマーケティング担当上級副社長による講義の他、ビデオ会議システムなど、現在のCiscoの主力製品を紹介してもらう時間がたっぷりあり、まるでSony Plazaに来たかのように、純粋に楽しむ側面が強いものでした。実は今まで幾つか別の企業訪問もあったのですが、「建物内の写真撮影や内容の口外厳禁」というところが多かったので、このブログでも取り上げてきませんでした。しかし、今回はなんと「ビデオは駄目だけど、写真は自由に撮って良いよ」。通信機器という秘匿性が高い商品を扱い、また通常MBAに関しては留学生は一切採用しない、この秘密主義満々のCiscoから、こういう台詞が出てきた以上、先方のご希望通り、幾つか写真を載せちゃいます。

まずは、受付嬢。
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実際話しかけて見ましたが、普通の受付と変わらぬ対応。恐らくセキュリティー面を考えると、人を置くより優れているのかもしれません。これだと、何人もの高価な方々を採用する必要もないですし、もしかしたらマクドナルドのドライブスルーの応答みたいに、インドから受付する会社も出てくるかもしれません。

次に、電話会議システム。これは、丁度私がHaasに入学する2008年中頃に、「シスコがとんでもないバーチャルリアリティを開発してた!」という噂が出回ってたり、今年授業でCiscoの方をインタビューしに行ったときも、「シスコはCO2削減に関して、エコカーなんかよりも、自社の会議システムを積極的に導入して、もはや人間の移動そのものを減らしてしまう」とか言われてて、元々興味があったのですが、実際に見て「これか!」と驚きました。
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4部屋で16名が会議をしている、という想定で、繋がってましたが、もはや機械を感じさせない。マイクに向かって話しかけなくても、スピーカーに耳を近づけなくても、お互いあたかも同じ部屋に居るかのように受け答えが出来ます。そして、誰かがしゃべると、3つある画面(写真では左2つしか写っていません)の1つがその声に反応して自動的に話者をズームし、他の2つの画面は、その話者を見ているような格好に自動的になります。プレゼン資料などは、画面の下に映し出され、プロジェクターの役割を果たしています。

というわけで、百聞は一見にしかず。これは宣伝用なので勿論最高の通信環境に設置されていたと思いますが、この装置自体1人/部屋用から18人/部屋用までさまざまなスペックのラインナップを現在拡張しているみたいで、もし似たように機能するなら、本当にドラえもんの漫画で書かれる22世紀の世界を見るようです。そして、私の現在のインターン先のCEOは、「最近は良いテクノロジーさえあれば、スタートアップでもいきなりのグローバル展開は難しくない」との考えの持ち主でして、実際彼が前に立ち上げた会社では創業2-3年目くらいに世界中への事業展開を成功させているのですが、このような装置がもし手に入るのであれば、ますます最初からグローバルで勝負するスタートアップが増えていくのだろうなあ、と楽しみに感じています。


最後に、Ciscoと携帯機器との連動についてです。丁度今週、Ciscoが提供するインターネット会議システムのWebExのiPhoneアプリ版のリリースが始まったとのことで、iPhoneユーザーが仕事で使うVoicemail,WebEx,その他の録音通信機能を、如何に心地よく使えるか、実際にiPhoneを持っている人にその場で電話してもらい、デモをしていました。そして、iPhone、その他の携帯電話、デスクトップ、ノートPC、IP電話、、、どこからでも、同じビデオ通信が見れることを、色々な場面をロールプレイすることで、実感しました。
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このプレゼンの中で、下記2つの説明が、Ciscoの末恐ろしさを私に実感させました。
(1) 「これらのサービスは、全て3Gで十分実用に耐えますよ。もちろん、Wifiに繋がったら、その人だけもっと品質は良くなるけど」

Ciscoという会社は、インターネットの会社というイメージが強かったので、電話や3Gの世界とは対立しているものだとばかり考えていたのですが、それは完全な間違いでした。米国の通信インフラ事情は、国土が広いためか米国人が几帳面でないからか、場所によって当たり外れが激しい。日本ならば、iPhoneに対する文句をSoftbankのカバー率や回線品質の悪さに求めたりしますが、米国では日本のSoftbankほどよく繋がるキャリアがあれば奇跡です。ならば、そのインフラを改善するのではなく、最低スペックで十分実用に耐えるものを開発する、という発想。それを、自社製品と競合する3G製品に得をさせてでも、実現する勇気が、素晴らしい。

見方を変えると、これはイノベーションの要素の1つ、"Good Enough"という考え方をまさに地で行っているサービスだ、とも思いました。"Good Enough"とは、「もし最高のものでなくても、顧客/ユーザーにとって十分満足できるものなら、それ以上の追求はしてはいけない。時間とコストの無駄」、という考え方です。では、どこがGood Enoughなのか、という点を見極めるのが、マーケティングと製品管理担当者の芸術たるところです。

そして、プレゼン中にこの"Good Enough"の芸術を垣間見ることが出来ました。デモの最中に、なんとiPhoneからの会議システムが失敗して起動しなくなりました。それも、何度も、です。この言い訳としてプレゼンターが、「ほら、こうやってデモをやる時に限って、良く失敗するんです。でも、普段は繋がりますし、最悪こうすれば普通の電話会議にすぐ切り替えられるので、問題ないです」という説明。日本で企業向けに通信手段を売ろうものなら、99.999%くらいミスのない状態にした後に売るのが普通でしょうが、Ciscoでは、80%くらいの成功率+失敗時の代替手段を抱き合わせにして売っているように見えます。


(2) 「デスクトップ・ガジェットの分野では、マイクロソフトさんには勝てませんので、代わりにマイクロソフトさんのガジェット内にわが社のAPIを入れてもらい、わが社のサービスも顧客が選択できるようにしてもらいました」
(注1)

先ほどの3G製品に乗っかる話に加えて、競合製品が強いときの対処法。もともとCiscoは、この通信システムを使うためのソフトを当然、iPhone用、携帯用、PC用、などなど各種機器向けに全て自社開発していました。しかし、その頃MicrosoftはWindows OS内に同様のソフトを持っていて、かつ今後の成長分野として拡大しようとしていました。想像するに、「Windows OSの標準装備」 VS 「Ciscoのホームページからダウンロードして使うソフト」の勝負では分が悪い、と判断したCiscoは、あっさり負けを認め、代わりにMicrosoftの顧客がMicrosoftのソフト使用率を上げる方法を提案して、自社ソフトにも誘導する戦略をとったものと思われます。

これ、さらっと書いてみましたが、仮に日本の事例で考えると、パナソニックのビエラリンク向けリモコンでSONYのPS3を使えるようにした、という感じで、あまり想像がつきません。
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また、この写真にあるように、この展示室には、Appleは勿論、Nokia, Motorola, Samsung, IBM, RIM(ブラックベリーの会社), そして、日本からはSONYの商品も飾られていて、恐らくはMicrosoftの事例で語られたようなパートナーシップ戦略を、この並んでいる各社に対してしてきたのだと思います。実際には単に商品が並んでいるだけで詳しい説明はありませんしたが、これだけ圧倒的な企業群がCiscoに協力している、という事実を見せ付けられただけでも、もはやCiscoには勝てねえ、という印象を持たせるに十分な、物凄く効果的なプレゼン手法だと思いました。

そして、このMicrosoftとのパートナーシップの説明の中で一番印象的だったのは、"Ciscoが業界標準になっている"あるいは"Cisco製品が一番素晴らしい"、といった自社を競合より高く評価する話が一度もなかったことです。代わりに、見えた態度は、上述の通り、「競合の方が素晴らしいので、そこに乗っかって一緒にサービスを広げる、これを、愚直に繰り返した」、ということです。Ciscoは「業界標準の独占企業」に見られがちなのですが、このプレゼンを聞く限りにおいては、初めから業界標準を狙って行った、というよりは、個別に良いものを一つ一つ積み上げて開発するなりM&Aで買収するなりしていくうちに、自然とCiscoが使われる確率が高くなっていった、というとてもボトムアップなやり方に見えるのです。

もちろん、Qualcommのように、外から見る限り、初めからトップダウンで業界標準を狙うことありきで、政治力、特許など、あらゆる武器をかき集めて行使し続けるような企業もあります。が、一方で、Ciscoのように、業界標準の構築は目標ではなく単なる結果、というアプローチも、特にインターネットのように政治や規制があまり通用しない、かつ勝者が全て持っていく世界では、ありなんだろうな、と改めて実感したわけです。



この(1)(2)から思ったこと:
この日本の失われた20年といわれている間、まさに1984年に誕生したCiscoが今に至るまで着々と達成してきたことは、技術的には日本人が大半を達成してもおかしくなかったもののような気がします。それでは、Ciscoにできて何故日本人にできなかったのか。想像するに、その場で下記4点くらいはすぐに思い浮かびました
- 競合企業の商品を認めることはない。全て自社製品で揃えてもらうことをよしとして、競合のお陰で市場が立ち上がれば横並びで似た商品を改良して揃える
- 結果、"Good Enough"を通り越して、スペック上の最高値をはじき出す競争を、日本企業同士で追求
- 顧客が企業に求めるものも、100%の品質。例えば携帯なら、100%の3G国土カバー率。そんな国は他にはなく、それに慣れてしまうととても海外に持っていけない
- 日本国内に利益を誘導するために、政府主導で業界標準を作ることを試みる。しかし、その規格は海外では通用せず、さらにそれが足かせとなり国際標準への参画が遅れがちになる

こう考えるに、「もはや国内に閉じこもって競争して作りこむのではなく、地球のどこかで誰かが欲しているもの(多くは既存技術の代替か並存)を、なりふり構わず達成すること。それだけなんだけど、それがきちんと出来ているCiscoはやはり特別な会社なんだなあ」、と改めて思い、完全に敗北感たっぷりの企業訪問でした。



では、(私の頭の中で)、日本は敗北しっぱなしなのか:
 そんなこともない気がします。下記3つ、理由を書いてみます。まず、このCiscoに関連する話として、日本にいた頃、よく、「日本人は業界標準の構築が下手、あるいは、業界標準となれる強い製品をもう生み出せなくなっているから、海外でもものが売れず、利益率が低いんだ」という議論を耳にしていました。しかし、本当に日本人は業界標準の構築が下手なのでしょうか。Blu-rayにしても、ハイブリッドカーにしても、結局良い技術を生み出して、それを広げてきた結果、業界標準となっている日本発の技術は、たくさんある気がします。また、本当に日本の技術・製品は強くなくなってしまったのでしょうか。これも、トヨタやキヤノン、任天堂のように、自社で全部やってしまえるケースは成功していることを考えると、単純に自社で全部出来ない分野が絡むと弱いだけかもしれません。その理由が、上に挙げた4点だとするならば、今からでもCiscoを見習って、「他社の強いところを借りる」、"Good Enough"へと発想の転換をやりきれれば、間に合う分野もいろいろとある気がします。こう考えれば、現在の技術力自体は地盤沈下が言われている現状でも尚"Good Enough"かもしれません。(利益率が一般に低いのは、素晴らしい商品を開発できたかどうかとは別に、独立した様々な利益低下要因があり、それらを愚直に解決しているかどうかの方が重要な気がします。)

次に、一緒に参加した友人が、一言。「確かに今回のCisco訪問は、プレゼンだけであまり技術を公開しなかったXX社の訪問よりは、全然興味深かったけど、僕にとっては、Japan Trekで見たYY社の方が、お世辞抜きに全然面白かった。Ciscoみたいに儲かる分野に特化すると、つまらない会社に見えちゃうんだよねえ。日本企業は逆に色々手を出しすぎて大変そうに見えるけど、新しいことにチャレンジしてるのがわかるから、見ててファンになるよ」。これを聴いて、本当かよ、とも思いましたが、Japan Trekをやったことによる、また新たな発見とともに、日本企業って思ったより凄いブランド力があるのかもしれない、とも思いました。

最後に、株式市場の評価です。詳しくは省略しますが、Financial Information Analysisの授業中で扱ったP/E RasioとMarket/Book Value Ratioの分析で、株式市場からみた企業への将来の期待感は、「負け犬」、「負け犬から回復途上」、「上昇中のスター」、「スターからの転落途中」の4種類に分けられます。この分析をした結果、2009年11月1日現在では、SONYは「負け犬から回復途上」、Ciscoは「スターからの転落途中」にあるのです。


(注1) この(2)で書いた話は、完璧にプレゼンを聞き取れたわけではないため、内容が事実と異なる可能性があります。もし違っていたら、ご指摘いただければ幸いです。当面、ニュアンスとしてはこのような感じだった、ということでご理解願います。
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by golden_bear | 2009-11-21 16:52 | 学校のイベント

ストライキの顛末と、個人的な学びに対する意味合い

先週末のストライキは、結局木曜夜から立てこもり事件へと発展し、金曜日は朝から警察が建物を封鎖、ローカルテレビ2-3局が丸一日実況中継をし続ける事態となりました。私も朝から中国語の授業を受けに行くと、出席率は3割程度。教室のすぐそばに、立てこもりの現場 Wheeler Hall(この前ブレンデルが講演をしていた会場)が有り、授業中もずっと周りが騒々しい。もし何かあって爆発したり撃たれたりしたらどうしよう、とびくびくしながら授業を受けていました。

授業終了後に外で取った写真。各種警察・機動隊が建物を封鎖し取り囲み、
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その外でもデモが起こって騒然としています。
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その後、Haasの建物に戻って補講とミーティングに出席し、車に戻ろうとすると、今度は火災報知器のベルが。隣の法学部や音楽学部でも皆一斉に避難していたことから、どうやら大学のキャンパス全体で避難勧告が出た模様。
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結局、金曜日の夜のうちに、立てこもりは解消。月曜日時点で学長から全員宛メールで「この未曾有の学費増、職員カットに対する最善解を引き続き追求していく」とあり、結論は一旦先延ばしになったようです。

バークレーのヒッピーや学生運動を起こしてきた歴史、そしてそこから受けつかれ今も残るスーパーリベラルな気風もあり、今後もこの問題解決が長期化すると、良くも悪くもますますモラルハザードが進んで行くのかもしれません。

そして、ここからは個人的な話ですが、モラルハザードというと、どうしても私の中学生時代を思い出すのです。私の出身中学校は入学時には地元のごく普通の公立中学校だったのですが、私が中2から中3になるにかけて、あることがきっかけで、地域で一番の問題校(注1)になるほど荒れはてた時期がありました。一旦学校が荒れ始めると、それまで普通にまじめだった生徒にも伝播していきました。1つ当たり障りのなさそうなものを例に取ると、最初は近所の店からの万引きが、誰でもやる当たり前のことになっていきました。そのうち定価数万円の電子機器などを大量に盗み、1個500円位で売り出す輩が出てきて、皆そこから買った方が得だ、と真似しだす。そして、授業妨害はじめ暴力や器物破損などなどもっと酷く目に見える派手な行動を行う同級生の存在が、普通の学生の罪の意識を軽くしていく、、悪循環、、、

なぜ突然こんなことを書いたかと言うと、恐らくこの中学生時代は、私に固有の最初の大きな学びの場になったからです。この学校崩壊状態の中で、たまたま生徒会長という多くの学生の目の敵になるような立場に居たこともあり、日々目の前の脅威をどう対処し判断するか、ひいては、自分が何を正しいと考え、何をして生きていくべきか、常に真剣に考えざるを得ない状況に追い込まれていました。そして、高校進学以降、似たような人生を歩む方々とは多数お会いしたものの、この私の中学時代に似た経験をした方とは、あまりお見えにかからない。仕事上でも、白黒着かないものに自分で判断をつけなきゃならない時、あるいは、普段考え方があまりずれない同僚と最後ギリギリのところで対立する場合、私の主張の根っこには、この中学生の時の原体験があることが多いのです。

今回のストライキを見て、この中学時代の体験を改めて強く思い出し直しています。そして、この世界中が混迷している時代に、バークレーという土地で、まさにモラルハザードが始まるかも知れない状況に立ち会えたこと、そこで学生として思いっきり時間が使えることは、今後の数十年の人生に対して私独自の大きな判断軸を再度培う、とても良い機会と改めて感じています。

(注1) 窓ガラスの修理費が年間数百万円に上り、確かこの金額は地域の数十校の中で僅差で1番か2番だった
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by golden_bear | 2009-11-20 11:16 | 社会・風土

今学期2回目のストライキ突入あるか?! - カリフォルニア財政破綻の余波

(注) 本文中の数値は全て、あくまで、2009年11月16日時点でポスターやWeb告知等の文章内に使われている目安のものです。実際の学費等の数字に関しましては、学部や専攻の違い、カリフォルニア州在住かどうか、などの要因で、個人個人で数倍単位で異なることに加え、何を基準の増加額か等もよく明記されていないものを元に試算しており、内容は全く異なる可能性があります。従って、あくまで「ストライキ前に私が読んで受けた印象」をそのまま書いている、ということでご理解下さい。

しばらく、カリフォルニアの良い面を賛美する記事を続けましたので、悪い面についても述べてみます。9月24日に1日間ストライキが行われたばかりのこのUCバークレーで、今週18日(水)から3日間、今度はUC(カリフォルニア州立大学:UCLAなど含む10校を指す)全体に巻き込まれる形で、またストライキが計画されています。
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なんでも、昨夏に学費が9%増加したばかりにも関わらず、今週17日(火)から19日(木)の3日間で、さらに今後2学期間で32%の学費増、及び、UC全体で2,000人の職員追加解雇を投票で決める、と言われているからだそうです。これにより、学費は、9年前の3倍と書かれていて、1年前に比べて1.09*1.32-1.00=43%値上がり(!!)することになります。たとえば学部生の値上がり前の学費が250万円だとすると、値上がり後は359万円、というわけで、去年に比べると年間109万円も、値上がりすることになってしまいます。ちなみに、その試算だと9年前の学費は120万円だったそうで、UC Berkeleyが如何に米国内では安い大学だったか、何故その頃の卒業生に今「そんなに学費上がってるの!!」と非常にびっくりされるか、がよくわかります。

このストライキのもう1つの背景に、これらのリストラにより$170million (約150億円)の利益を生み出す一方で、UCが$1.35billion(約1,200億円)新たに借金をして、70の建設プロジェクトを継続するようなのです。金額の規模感から言って、「建設プロジェクトの利子分の返済のみのために、これだけの学費増と首切りをするのか!!」と怒っているわけです。

これに対して、ビジネススクールでは今のところこのストライキには全く関与せず、通常通り授業が行われるようです。ビジネススクールはUCからは独立採算で経営されており、学費増もこの増加率そのままにはならなさそうです。また、前回は積極的にこのストライキを支持していた中国語のクラスも、今回は期末前の重要な時期に3日間も行われることから、さすがに、「学生が授業をボイコットすることは自由だが、授業は通常通り行われる。宿題の締め切りが、多少ずれるのみ。」という対応です。


それにしても、何でこんな酷いことになってしまったのか。ここからは私の推測ですが、下記2点かと。
(1) 2009年1月に連邦破産法第9条で破綻を宣言してしまっている上に、国ではない「州」であることから、「赤字なので借金して自転車操業」、という国がよくやっているやり方が認められないこと
(2) 2009年9月のカリフォルニア州失業率は12.2%と高いことから、雇用回復が最優先。従って、比較的裕福な大学生(を持つ親や奨学金基金)のお金を使って、建設という公共事業に振り分けた

こう考えると、実は(2)って、国も借金しまくりながらやっていることと同じです。日本でも民主党による仕分けのニュースが話題になっていますが、米国もFRB(日本でいう日銀)の資産を2007年レベルの2倍以上にまで、絶対額では100兆円以上増やして、銀行保護やめぐり巡ってオバマ政権のグリーンニューディールなどに充てています。ここで、カリフォルニア州は(1)により借金できないから、学費の値上げやストライキなど、大変なことが「目に見える形で」起こっている。もしそうだとすると、国全体も本当は今、とても大変な状態なのに、借金してあまり見えないように隠してるだけじゃないか、という邪推をしてしまいます。だとすると、巷では景気回復の兆しか、などと報道され始めていても、このUCバークレーに居る限り、とてもそんなには楽観できないのです。

ただ、本日、米国スタートアップ、順調に資金調達、雇用も創出、という記事も見ました。米国のベンチャー投資額は、現在せいぜい年間1-2兆円程度。これは、米国のGDP1,400兆円のうち、わずか0.1-2%程度のインパクトと少額であり、短期的な効果は限られるにしても、せっかくFRBが増やした100兆円のうち、1-2%程度はここシリコンバレーに回ってきて、長期的な成長の芽を確実に探っているようです。


今のカリフォルニアで見ている惨状が、将来世界中の国々で利子つきで数倍になって覆いかぶさってくるのかもしれない、と考えると、とても恐ろしいことです。が、そう悩んでいても仕方は無く、ここは、国が借金してくれて目の前の恐怖を消してくれている、と前向きに考えたいと思います。そして、私自身も将来の自分に借金してここバークレーに来ているのは、国と同じです。目の前で学費がすぐどれだけ上がるのかはわかりませんが、いずれにしても既にシリコンバレーが動き出していることを見習って、引き続き大学生活を満喫し、限られた時間に学べるだけ学びたい、と身を引き締めています。


(補足) UCのストライキ情報は、ここのサイトで日々アップデートされています。
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by golden_bear | 2009-11-16 23:03 | 学校のイベント

UCバークレーの日本食イベント(2) 和食とワインのガラ・ディナー

続いて、夕方から行われた、豪華ディナーの紹介です。Washoku & Wine 50th Anniversary Gala Dinner to Benefitと銘打たれたこのディナーは、Center for Japanese Studyが寄付を募るためのイベントで、150名の参加者の大半は、大企業の社長や法曹界、宗教関係者など、地元の名士と呼ばれる方々ばかりでした。このディナー、特に私の妻が以前から興味があったのですが、参加費があまりにも高価で諦めていたところ、「最後の数席空きがあるから、どうか」ということで前日に割引価格で招待頂いたため、数名の社会人大学院生の方と急遽参加することにしました。JGRBを立ち上げて、普段からボランティアで地域の情報連絡係を買って出ていると、こういうときに役得があるものですね。

場所は、Culinary Institute of Americaという、全米で1,2を争う由緒ある料理学校(大学)。全米中の最高級レストランに料理人を輩出しているのは勿論、日本からもKihachiなどの有名レストランのシェフやレストランオーナー達が相当学びに来ている模様です(注1)。バークレーから車で北に1時間。Napaを通り過ぎた先にある、St. Helenaという町に、その建物は悠然と構えていました。
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以下、時系列に、出てきた料理、シェフとワインを順番に掲載します。まず、夕方5時に入場すると、最初にレセプション。次のようなアミューズ・ブッシュが、Ritz-CarltonのRon Siegel氏、および、SF Yoshi'sのSho Kamio氏より振舞われました。ワインは、2006 Russian River Pinot Noir, by Freeman Vineyard & Winery.
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5時半ごろより、基調講演の形で、ゲストでいらしていたハーバードの日本研究の教授が15分間くらい演説をしていました。日本食文化が如何に世界中で受け入れられ、将来の可能性があるか、熱く語っていましたが、既に酔っているし、頭は次の料理で一杯で、あまり覚えていません。

6時より、メイン会場へ入場開始。私たちのテーブルは勿論末席なのですが、それでもこの豪華な飾りつけ。
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皆様が集まるまで、近隣のテーブルの方々とのネットワーキングを楽しみ、その後来賓の方々の挨拶を経て、盛大な拍手と共に5人のシェフの紹介がありました。
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第1品目の前菜は、茶碗蒸し。ロブスターとウニが入った一品は、150人に振舞われたあとも尚熱く、美味の一言。シェフは、Hiro Sone氏。地元St.HelenaのレストランTerra、およびサンフランシスコのSt. Regis HotelにあるAmeのオーナーシェフとして、日本人で初めてミシュランで星を得たレストランを2つ所有するシェフとなった方だそうです。2003年に、Kames Beard Fondation Awardにおいて、"Best Chef in California"に選ばれたそうです。ワインは2008 Viognier by Miner Winery。
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第2品目は、サンフランシスコのRitz-CarltonにあるDining Roomというレストランのシェフ、Ron Siegel氏による、アワビの味噌ジュレとマツタケ添え。氏がシェフについて以来毎年Gayot誌の"Top 40 Restaurants in the US"となっているそうで、また、1998年に「料理の鉄人」の番組で、米国人として初めて、鉄人・坂井宏行氏を破った方だそうです。バター醤油に大根おろしの味付けは、料理としては抜群に美味しかったものの、やはり和食というよりは米国人による創作料理という感じだった気がします。ワインは、2007Deloach Vineyards Russian River Valley Chardonnay, by DeLoach Vineyards。
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第3品目は、ゴールデンゲートブリッジの北岸にある別荘地、サウサリートにあるSushi RanのNori Kusakabe氏による、長崎本マグロによる5つのクラシック・テーストと名づけられたにぎり寿司。サンフランシスコ周辺に寿司屋は沢山あるのですが、このSushi Ranはミシュランにも載り、ZagatでTop Bay Area Restaurantと評され、World 2008 Sushi Chef of the Year Award in Londonの勝者だそうです。以前、東京のNobuや、京都の京懐石 筍亭で腕を振るわれていたそうです。
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ちなみに、同じテーブルに居てこの食材を提供していた会社の方によると、「これは長崎の養殖マグロを、取ってすぐ空輸したもの。ただ、このような特別なものでなくても、ベイエリアで取れるマグロやウニ、ホタテなどは築地と違いほとんど冷凍していない。従って、この辺では、幾つかのネタに関しては、日本の大抵の寿司屋よりいいものを使っている」のだそうです。どうりで、この辺に相当レベルが高い割りに安いお寿司屋さんがあるわけです。

ワインは、2005 Napa Valley Merlot by Luna Winery。2番目のワイン(白)と3番目(赤)を並べた写真が下記です。
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第4品目は、和牛あばらのしゃぶしゃぶと、胡麻味噌のブール・ブラン。サンフランシスコの有名ジャズクラブYoshi'sのシェフ、Sho Kamio氏によるものです。彼は、以前はOzumoというサンフランシスコの有名日本料理屋にいたそうで、米国版"料理の鉄人"(Iron Shefという長寿有名番組)の勝者だそうです。肉は勿論、その下の大根がものすごい美味です。ワインは、2006 Raymond Vineyards Reserve Cabernet Sauvignon by Raymond Winery。
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そして、最後はデザート。黒胡麻のパンナコッタ、富有柿、そば粉チップス。これは、当料理学校CIAのペストリー講師、Stephen Durfee氏によるもの。James Beardの"Outstanding Pastry Chef"に選ばれたほか、Pastry Art and Designによる"10 Best Pastry Chefs in America"の1人だそうです。
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これにあわせて、お茶専門店のルピシアによる、煎茶「祭」。ほっとする味でした。
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肉、魚、野菜の全てが新鮮な地場の自然食材を用いて、日本でもなかなか食べることの出来なさそうな美味を、蔵出しのワインで楽しむ、まさに至福の時。日本の外で、これだけ日本人の繊細な舌にあった自然素材の料理を、身近な近所のレストランで楽しめる、カリフォルニアおよびベイエリアという土地の素晴らしさを、改めて実感することになりました。あと半年の滞在ですが、食べ物や自然、スポーツや文化、そして何より地元の方々との交流を、引き続き満喫したいと思います。

(注1) 日本の同窓会組織もあるようです。
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by golden_bear | 2009-11-08 23:49 | 学校のイベント

UCバークレーの日本食イベント(1) 世界最長のカリフォルニア・ロール

UC Berkeleyには、日本研究センター(CJS:Center for Japanese Studies)という、結構凄い研究所があります。CJSの何が凄いかというと、日本研究に関する蔵書数全米第2位という実績や、それゆえに「ジャパン・アズ・ア・ナンバーワン」を書いたエズラ・ボーゲル氏の息子で同じく日本研究の(すみません、初稿での誤りを訂正します)スティーブン・ボーゲル氏など著名人がバークレーに籍を置いている、という受け取り方もあります。が、それ以上に、この1年間で、日本では普段滅多に人前に出ることの無い、村上春樹氏や宮崎駿氏、そして緒方貞子氏や稲盛和夫氏などの著名人の方々を、次々にバークレーに招待して講演会を開いています。本日は、このCJS設立50周年記念の一環として、丸一日中日本食に関するイベントがありました。このうち、私は、昼に行われた世界一長いカリフォルニアロールを作るイベント、及び、夜のガラ・ディナーの2つに参加してきました。

まずは、世界一長いカリフォルニアロールを作るイベント。どういう経緯だかわかりませんが、とにかく世界一をハワイに奪われたので、カリフォルニアロール発祥の地に取り戻して、ギネスブックに登録しよう、というイベントでした。在サンフランシスコ総領事の長嶺さんが審査員をつとめ、日本の食品や調味料のメーカー・商社など10社近くがスポンサーになり、NHKや読売新聞、ロサンゼルス・タイムスやNBCなど報道陣も多数駆けつける、大規模なイベントでした。

1チーム5-8人で、57チームがエントリー可能、ということで、我々日本人大学院生・研究者の会JGRBにも、チームの募集がありました。しかし、募集があった翌日には、なんと57チーム全てが埋まってしまい、エントリー締め切り。どうやら、中国人や韓国人の団体が大量にエントリーしたようです。これを見て、知り合いの方が「日本のイベントなのに、日本人が入れないのは、よくないでしょう。忍者の格好でアピールするから、混ぜてくれませんか」、とCJSに対して交渉したところ、すんなり受け入れられて、しかもポールポジションの場所を頂きました。

下記がイベントの写真です。最初は和太鼓の演奏から入りました。さすがに日本の和太鼓ほど鬼気迫るパフォーマンスではないにしても、外国で聞く分には十分迫力のある、かっこいいパフォーマンスでした。
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もともと57チームが一斉に丸めてお終い、という15分くらいのイベントかなあ、と思っていたのが、結構丸めるのがむずかしく、結局ほとんどはプロの調理人が端からゆっくりゆっくり2時間かけて、丸めていきました。この長い丁寧なプロセスが、日本人ぽいなあ、という印象です。結果、見事333ft=101.5mを達成し、世界新記録を更新しました。終わった後食べましたが、味も結構美味で、食べつくされていました。

多数の記事や動画がアップされているようです。我々も忍者の格好をしていたために、多数の取材を受けましたが、ほとんどは社員ではない学生やフリーのライターさんによるもので、書いた記事を地方新聞などにあげてもらって、経験を積んでいるようです。米国のメディア業界は今倒産が相次ぎ大変なことになっていますが、それでもジャーナリストになりたい人々、そして、低コストで記事を配信する業界側の、それぞれの工夫を垣間見た気がします。1人、知り合いの記者が書いた記事のリンクを、下記に載せておきます。
オークランド・ノース・ネット
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by golden_bear | 2009-11-08 21:26 | 学校以外のイベント

Financial Reporting Conferenceを覗いてみました

本日は他の授業をサボってまで、朝7:30から夕方5時までみっちり、表題の会議に参加してきました。主催は、Berkeley Center for Financial Reporting & Management (バークレー財務報告管理研究所)。こんな研究所があるとは、まだまだ知らないことだらけです。場所は、サンフランシスコのWestin Hotel、という、大学主催の会議にしてはかなり豪華な会議室。それもそのはず、今回400人ほど集まった会場のほとんどはCPA(米国公認会計士)を持つ、ベイエリアの主要企業、監査法人、会計コンサルタントの方々だったからです。西海岸にもかかわらず、みなビシッとスーツを着ています。
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と思ったら、ジーンズやらポロシャツの人も十数人混じってます。彼らは皆、GoogleかAppleで会計担当をしている方でした。こんなところに、シリコンバレー企業のアイデンティティが垣間見れます。

なぜこんな会議に参加したかったか、というと、下記の理由です。
- 当然ながら、多くの議題がIFRS(国際財務報告基準)やFASB(米国財務会計基準審議会)などの現状や将来を扱う。今後あるいは今既に日本で大きな問題になっているこれらの概念に対して、世界の最先端で何が起きているか見てみたかった
- そもそも今までの人生の中で、プロの会計士同士が仕事の議論をしている場に触れる機会など全く無く、会計士とはどんな生き物なのか、肌身に感じてみたかった
- 普段興味ない知らない領域の議論に飛び込むことで、英語力の向上

丸一日びっしりのプログラムの中から、時系列に面白いと思ったポイントだけ、下に書き並べてみます。なお、門外漢による英語での聞き取りを基にしているため、内容がおかしいところあるかもしれませんが、どうぞコメントでご指摘お願いします。

7:30-8:00 朝食ビュッフェ。$15くらいは元を取ったと思う。
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8:00-8:30 Haas学長Rich Lyonsの挨拶。まず、Donald J. Kirk氏とGeorge J. Staubus氏の両名にUC Berkeleyから賞を授与、功績をたたえる。次にHaasからノーベル賞が出たこと、Economist誌のランキングでHaasが全米1位になったことを紹介。そして、彼の方針を演説。

演説の中で面白いと感じたのは、Haas3つの柱を"Confidence Without Attitude"(態度に出さない自信を培え),"Question Status Quo"(現状を疑え), "Beyond Yourself"(己を克服せよ)と定めたこと。昔からHaasは"Leading Through Innovation"を第1に、"Confidence Without Attitude"を第2の2本柱でしたが、このDeanは昨年の就任以来校風の定義を変えようとしてきて、ついに公にした感じです。受験生の方は、エッセイの参考になるかもしれません。

8:30-9:30 Keynote Speech "Current Challange in International Financial Reporting Standards"
IFRSを実際に制定している、IASB(国際会計基準審議会)のインド代表、Prabhakar Kalavacherla氏による講演。冗談が入りまくりの中で少しだけ本音を交える、というインド人独特のプレゼンスタイルで、ずっと面白いながらも、なんじゃこりゃ、という裏話(オフレコなので書けません)が聞けました。
印象に残ったポイントは、
- 会計基準の統一の話は、本来国の政治とは無関係に行わなければならないが、とても「政治的に」話し合われている。正しい方向に少しずつ向かっているが、話があまりに大きすぎて、そのスピードは北極大陸の氷河を動かしているようなものだ。
- 現在の主要4議題のうちの1つに、「国際為替レートの統一」がある。報告書上の為替レートを世界中で統一することだが、まだ採用していない国は、主要100カ国程度のうち、北半球では米国、インド、パキスタン、インドネシア、日本の5カ国程度。米国とインドが採用しない理由は、「文化的に一日中議論をするのが好きな民族だから」と思われる

ちなみに、オフレコの話をする最中には、こんなプレゼン画面が表示されてました。
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9:45-11:00 IASB Panel
大学教授、会計監査、SEC(米国証券取引委員会)、IASB、FASBの5団体の方々による、現在のIASBについての状況や問題点のパネルディスカッション。印象に残ったポイントは、
- 5人ともIASBに移行するメリット(世界中の投資がしやすくなり、流動性が高まる、など)がわかっていても、問題点(例:米国基準にすら準拠できないミスが多数あるのに、その問題が輸出されてしまう、など)も認識。安全側を取ると、全体の動きが遅くならざるを得ない
- 会計基準の採用に対し、Conversion(変換する)のが良いか、Adaption(丸ごと適用する)のが良いか、は、ほとんど神学論争の世界。少なくともConversionにはしないといけないのだが、却って面倒なので、より大変なAdaptionをいきなりやるべき部分もあり
- 今後の会計基準は「ルールによる(厳密な)定義」ではなく、「原則による(やや曖昧な)定義」に移行していく

 うーむ。最後の点に関しては、「原則による定義」に移行しないと、現実的に議論が全く先に進まないのはわかるけど、そんな定義の仕方で国際統一基準を作る意味があるのかどうか、、、。前職で、全世界の拠点の指標を統一する、というプロジェクトに関わった時に、指標を統一する管理者側のメリットと、現場側のモチベーション低下やコスト上のデメリットで、相当揉めた経験を思い出しました。昔の日本人が尺とか貫とか使っていたのに、SI単位系に切り替えたのは、本当によくやったなあ、と思います。

一通り議論を聞いて、長い時間をかけてでも、全世界での統一基準はきちんと構築されることが望ましいと思いました。統一基準ができれば地球規模で人類全体のコストが下がる、という意見は、その通りだと思いますし、そのような基準がないと今話題の排出権取引の標準化など進みようがない。少なくとも、全世界でプラグが物理的に違う電力の世界などと違って、お金をどう数えるか、というルールの問題だけなのですから、頑張って人類を前進させて欲しいものです。

11:00-12:30 FASB Panel
今度は、米国内の会計基準について、FASBやAICPA(会計士の団体)は勿論、IASBや民間企業の財務責任者も含めて議論。主な論点は、
- せっかく米国独自に進化させてきたきた会計基準(例:在庫の後入れ先出し法(LIFO))が、IASBでは使えなくなってしまうので、その際企業の業績には大きな変化(主に損失)があるはず。
- また、リース問題や、売上認識の問題などは、FASB内にて業界毎に問題を抱えてたまま。特に数千社の中小企業に関しては、IASB移行の前にやるべき課題がたくさんある。

12:30-13:30 円卓テーブルでランチ&ネットワーキング。様々なメールや電話の処理に終われ、急いで食べる羽目に。写真は取れませんでした。それでも、食事は美味く、$35くらい分の元は取れたか。

13:30-15:15 SEC/PCAOB PANEL
同様にSEC関連の5-6人がプレゼン。個人的に面白かったのは、下記2点。
- 金融危機後の規制をSECがどうかけるか、マスコミや政治家は過熱気味に期待して報道するが、SECの裁量で解決できる問題はほんの一部。金融機関側のモラルや立法側の問題が同時に動かないと、SECが厳しくしても、(金融以外も含む)全企業の不利益になるだけで、問題は解決しない。
- XBRLという、財務情報が作成・流通・再利用できるように標準化されたXMLベースの言語が、今どのように運用されていて、今後どうなるのか、を結構まじめに話していた。今年度は財務諸表のみ、来年度は注釈部分も含めて、数千社が適用する予定。うち千社以上は、SECが頼むまでも無く、XBRLを自発的にどんどん適用しているところがある

XBRLという話は知りませんでしたが、自分から採用している企業は、技術に強いことのアピールや、システムの受注を狙っているのでしょうか。

15:30-17:00 Special Topics: Addressing the Challanges of Financial Statement Disclosures
今まで数時間の議論を一気にひっくり返してしまうような、現場の声、声、声、という感じ。企業の財務責任者を中心に、財務情報開示の問題を議論していました。日本でも、数年前に四半期決算が導入された時に、「3ヶ月に1度も報告書を提出するなんて、大企業しか対応できない」ということでとても話題になったのですが、それは米国でも同様。CFOによって感じ方は様々で、「徹底的に開示しまくって、資金調達を実際にしやすくした」良い事例を話す方もいれば、「そもそも何故IFRSにしなければならないんだ」、「XBRLなんて、現場で言われているメリットなど微塵も無い」という怒りに近い意見まで、様々に飛び交っていました。IFRSのインプリの大変さを実感。


全体を通しての感想としては、このIFRSは米国が言いだしっぺなのに、結局自国自身で拒否している点が多く、「国際協調がとても苦手な米国」の姿を改めて実感しています。西海岸にいると、留学生や移民の多さ、及び、国籍に囚われない人材活用やデファクト・スタンダードの構築が上手な企業群が、世界を相手に成功を収めている姿ばかりが目に付くため、米国は国際協調がとても得意な国のように思えていました。しかし、未だに度量衡の国際基準が通用しないことをはじめ、国際協力プロジェクトでは、恐らく内部に独自の優秀なシステムを持った反対者が大声を上げるために、よく足並みを乱すのではないか、ということを、今回の会議で、肌で感じました。

そして、1日座っていたら、誰か知り合いに会えるかな、と思ったのですが、Haasからは教授やポスドク、Ph.D学生ばかりで、MBAの同期で参加したのは私だけでした。想像するに、仮に私も日本のMBAにいて、「財務報告書に関する年次会議」という名称の会議を所属大学が行い、かつ学割でも5千円(一般は4万円)取られる、だったら、多分行かなかっただろう、と思います。わざわざ海外に来たことによる「おのぼりさん」効果のお陰で、この会議に出れた。さらに、全然知らなかった時事問題を、会場の人々独特の顔つきやしぐさ、しゃべり方を実感しながら学べたと思うと、海外にてMBAを取得する意味の1つを再認識できました。
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by golden_bear | 2009-11-06 22:38 | 学校のイベント

IntuitがMintを買収完了: Haasでの学びから受けた衝撃

本当はここしばらくはインターンの話、それが終わればザンビアの話を集中連載しようとしたのですが、先ほど私にとって衝撃的なニュースがTechcrunchに出てきたので、書き下ろして上げてしまいます。

Mintのファウンダー:IntuitのVPに就任して曰く、6~9ヵ月で「Quicken Onlineは終息させる」


この記事のどこが私にとって衝撃的だったか、というと、次の2点。
(1) 即断即決の買収完了劇とその中身
(2) 双方の会社の幹部が、Haasにて展開していた素晴らしい授業に、私が参加していた

(1)に関しては、まず、高々設立2年足らずのインターネットベンチャー企業であるMintが、約153億円(1$=90円換算)という高値でのEXITを実現した、という、久しぶりに景気の良い話を聴いたことそのものの高揚感があります。そして、被買収側のトップが新しく副社長につき、しかも買収側の主力商品を廃止してしまう。勿論、日本でもニュースなどでよく目にする大企業同士のM&Aでも、社員の士気を保つために社長や経営陣の半分を被買収側から選出して据える、だとか、段階的に強い方の商品を残していく、という話は、普通に行われます。ただし、大企業の場合、様々なしがらみの解決等に時間がかかり、1年半くらいで問題なく完了すれば上出来、と言われているそうです。しかし、シリコンバレーで1年半も待っていたら、その間に他の企業(この場合、Microsoftやgoogle)に食われてしまうし、社員もみんな逃げてしまう。この辺、9月14日に最初のニュースリリースをして、わずか1ヵ月半後の11月2日に結果を示してしまう、シリコンバレーのスピード感に改めて驚いています。

また、このTechcrunchの記事を最後まで読むと、このM&Aはもしかしたら貴重な「イノベーションを加速させるM&A」の事例になりうるのかな、と思っています。貴重な、と書いたのは、Haasで受けたM&Aの授業の中で、教授が常々「M&Aの世界にシナジーという概念はない。あるのは、業績の改善のみだ」と言っていたからです。彼の立場は、予め数字で説明できない統合効果というのは起こりえないし、実際彼の40年の経験上、定性的なシナジーという言葉に頼ったM&Aはことごとく失敗している、という考え方のようです。ましてや、M&Aでイノベーションが発生する、などとでも生徒が話し始めようものなら、即刻退場させるような勢いで、シナジーはない、と強調していました。しかし、私自身はこの教授の考えは腑におちなかった。もちろん、業務上M&Aを扱う時に不確実なものを前提にしてはいけない、というのは当然としても、結果としてイノベーションが急激に加速する例があっても良いではないか、と思っていました。その1つとして(注1)、この本事例が、「強力なリーダーがそれを推進するためのブランド、資金、チーム、サポート等を得る場合」という形で実際に起こると、面白いなと思っています。結果はどうなるかは将来になってみないとわかりませんが、今後もIntuit,Mintの動きには注目したいと思います。

(2)ですが、まずはIntuit。日本ではあまり馴染みがない企業かもしれません(注2)が、アメリカ人なら誰でも知っている(注3)、TurboTaxという確定申告用のソフト、およびそこから派生した様々な個人用・企業向けの会計・税務系のソフトを作っている会社です。昨年、Haasの"Digital Media Product Development Speakers Series"の講師として、商品開発部長の方が講義をしていました。講義の中身は、商品設計開発のプロセスを5段階に分けて、マーケティングとエンジニアがどう協力して進めているか、というものでした。1つ、未だにパソコン用のソフトウェアをパッケージで売る、という、フリーソフトやSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)全盛のこの時代によほど強くないと生き残れない商売のやり方をしているにもかかわらず、Microsoft Moneyはじめ競合のソフトに打ち勝って成長し続けている理由について、印象的な話をしていました。

商品開発のために、よく「顧客の要望を聞け」とは言われますが、この会社はその徹底さが違います。50人くらいの「エンジニア」(「マーケティング担当者」じゃないこともポイント)が、様々なユーザーの家を了承を取って3人組で訪問し、1軒につき丸2日間、ユーザーがどのような「生活」をしているか、ビデオを取って徹底的に検証するそうです。その中で、Intuitの商品がどのような場面で、どのような体勢で使われているのか、使っている最中に何が起こるのか、などなどを徹底的に分析しつくして、商品に反映しているのです。もちろん、家庭の会計系ソフトウェアが人の「生活」全体に占める割合は、ほんのコンマ数パーセントですが、それでもこの活動を始めてから、顧客満足度が大幅に上がったとのこと。「イノベーションは人の行動原理を変えること。常にこの基本に忠実に行動し、巨大な競合企業に打ち勝ってきた」と、繰り返し強調していました。

この話を聞いたときに、最近流行のプロダクト・デザイン・コンサルティング会社(IDEOなど)が今やっているようなことを、ずっと昔から自社でやっていたのか、と素直に感激していたことを覚えています。しかし、このIntuitが満を持して登場させたベストセラー家計簿ソフト、Quickenのインターネット版を、あっさり撤退させてそのパッケージ版も含むトップまで変えてしまったインターネット家計簿ソフトこそが、Mintになります。

Mintと私との出会いは、このブログでも何度か紹介している、今学期の"Case studies for Entrepreneurship"の授業です。1人の生徒のインターン先がまさにMintで、彼女の上司にあたる商品開発部長と2人で、彼女のインターン経験について2時間の授業をしていました。商品開発部にいた、ということで、彼女の仕事=ケースの課題は当然、どのようにIntuitを倒してシェアを拡げるか、が大きなテーマになります。NDAにより、普段目にしない内部情報などもケースを通して見ることができて、とても臨場感がある。私自身この戦略を考えるだけでも、とても楽しいケースでした。

加えて、ここからはNDAのため具体的な詳細を書けないのが残念ですが、立ち上がって2年弱、という急成長の組織の中で、彼女の活動は組織の狭間に落ち込み、身動きが取れなくなってしまいます。日々様々な組織の対立に巻き込まれ、本当に涙を流すほどつらい日々だったことは、ケースの文章からもひしひしと伝わってきました。授業の途中では、自分の元上司を目の前にして、息が詰まるほどの感情の吐露、緊迫の数分間が発生。そして、最終的に彼女のとった行動の1つが正に花開いた直後、劇的な形でこのIntuitによる買収劇が発生してしまった、というのが、9月の最終週にあったこの授業ケースの結末になりました。

シリコンバレーのインサイダーにアクセスできることのありがたみ、そして1つの買収劇にここまで感銘を受ける新たな自分を実感し、Haasに来て良かったなと改めて思っています。


(注1) 他の例としては、創業から20年強で既に130回以上M&Aを繰り返しているCisco。HaasでCiscoの上級副社長の方が授業をした際には、技術的に強い商品を持つ競合企業を買って、自社製品の方をうまく競合しないように改良・余分な機能を削ぎ落とし、両方の製品でラインアップを形成。一気にシェア拡大し、デファクト・スタンダードを形成した事例を紹介していました。「M&Aはイノベーションを起こすための、社内における標準プロセスの一部となっている」のだそうです。

(注2) 日本市場からは2003年に撤退

(注3) 授業の最初にクラス10人にアンケートを取ったところ、Mintは5人、Quickenは4人が使っていて、両方とも使っていないのは私だけでした。
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by golden_bear | 2009-11-03 20:12 | 社会・風土

2009インターン状況レポート(1) Haas視点での他校比較

(注)本記事は、2009年10月31日時点の情報を元に書かれており、今後新たな情報が入り次第変更する可能性があります。

元の企業に戻る方以外のMBA生にとって、一番憂鬱で最も大事なイベント、就職活動が、11月に入り佳境を迎えています。2年生は例年12月末までに多くのフルタイムの内定先が決まる(注1)ので、毎日毎日誰かがスーツを着て面接を受けているのが、この時期の光景です。一方、1年生も、来年夏のインターンシップに向けて、金融業界はそろそろ面接のピーク、コンサルティングは12月以降、他の業界も年明け以降の面接ラッシュに向けて、準備を始めているようです。

そこで、今後いくつかの記事で、私自身の今までの経験を踏まえて、主に「在米日本人MBAが米国でインターンを獲得するため」に役立ちそうな情報を書いてみます。ちなみに、「日本人MBAが米国で職を探すのが大変である」、というテーマでは、既に渡辺千賀さんのブログ記事及びその中にあるリンク先で相当述べられていますので、興味ある方はそちらも参照下さい。ここでは、それらの中でまだあまり述べられていない話や、私個人の経験に基づく話を中心に、書きたいと思います。

本日は、大学別・地域別によるインターン傾向分析結果の紹介です。こんな分析をしてみようと思ったきっかけは、次の考えになります。
○ 私自身の話を書く前に、まずはマクロのトレンド(時系列比較と他校比較)を見ておきたかった。少なくとも、MBAスクール別の就職状況について分析した例がすぐみつからなさそうなので、自分でやってみようか、と思った
○ 数週間前に、"コロンビアMBA留学記"のnoritayaさんによる、CBSの2009年インターンの就職状況という記事を読んで、私のいるHaasとのあまりの違いに、笑うしかなく、とても驚いた。実は、HaasとColunbiaは2年生の秋学期にお互い数名ずつ学生を交換留学させていることもあり、このギャップはきちんと定量的に調べたら面白いかも、と思った
○ Haas見学者の方に何度か、"Haasって、ビジネススクールの中でもエンジニア出身だらけで、文系の人は行きにくいんじゃないですか?"、という質問を受けていた。実際には合格者の半数以上は文系出身なのですが、在学中に得られるインターンの経験の傾向を、他校と数値で比較するのもひとつの学校選択の基準になるのでは、と思った

このような就職情報データは、各校の就職課が統計情報としてWeb上で公表しています。そこで、地域別の傾向を見るために、様々なランキングでよくTop10と呼ばれるMBAスクールの常連校から、西海岸2校、中西部2校、東海岸4校の8校、過去3-4年の"業界別インターン先割合"データを取って、平均をまとめてみました(注2)。業界のカテゴリーは各大学様々ですが、私がいるHaasの視点で、Haasで使われている一番単純(おおざっぱ)なものでまとめてみました。下記の表が結果になります。(クリックで拡大します)
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結果からわかった意味合いです。(Haas視点の切り口で見ていることに留意願います)

○ 全般: どこの大学も全ての業界を網羅しているとはいえ、場所の学校別の特色や、違いによる、インターン先の傾向の違いはとても大きい。従って、
 - MBA受験生の方々へ: MBA在学中に、米国/グローバルでインターンをしたいのなら、大学及び場所選びは重要なポイント。この点、受験時には、よく日本で言われている以上に、出願エッセイにて強調しても良いかもしれない
 - MBA1年生で今後インターンを探す方々へ: 入学後にもし、自分の大学が、自分がインターンしたい業界に米国で「一番強いわけではない」とわかったら、同地域他大学の友人は勿論、他地域まで含めてネットワーキングをした方が、より良い就職先が見つかる可能性が高くなると思われる

○ 大学別の傾向: 
 - Harvardが全ての業界においてほぼ中央値に位置しているのは、さすがMBAの代名詞
 - この切り方をすると、東にいながらテクノロジーに強いMITは、満遍なく強い大学、となる
 - Stanford、Whartonは場所柄それぞれテクノロジーと金融に強みを持つが、それ以外はバランスが取れている
 - KelloggとChicagoは、同じ地域の全く対照的な大学
 - HaasとColumbiaは、両者ともさほどコンサルティングに強くないことを除けば、西と東で良い補完関係にあり、インターン直後に行われる交換留学プログラムにはとても意味がある

○ 業界別のコメント及び補足:
 - 金融: 一般的に金融に強いといわれる、Wharton, Chicago, Columbiaの3校は、やはりインターン先も金融に半数以上行く(というか、それでも半数は別の業界を選ぶ)。一方で、金融にさほど強くない、といわれる、Kellogg, MIT, Haasでも、20-30%の就職先があり、少ないとはいえない
 - コンサルティング: MBA就職先の花形かと思いきや、各校12-25%程度。西海岸がやや少ないが大差ないようだ。(ちなみに、業界ではなく職種別で見ると、コンサルティングの数字はこれらより10%程度ずつ高くなるので、米国では社内コンサルティング部門みたいなところでのインターンも盛んと思われます)
 - テクノロジー: 予想通り、というか、Haas,Stanford,MITの3校が圧倒的に高い。
 - バイオ: Haasが圧倒的に高いのは、MBA/MPHプログラム(Master of Public Health)の存在が大きいかもしれない。スタンフォードが低めなのはとても意外(私のカテゴリー判断ミスかも)
 - その他業界: ここが高いところは、より多様な業界に行ける可能性が多いのでしょう。HarvardとStanfordが多様なのは、納得です。また、Kelloggは製造業や消費財などの割合がとても高く、シカゴの土地柄をよく表しています。


最後に、各校別の生データのソース所在と、分析で私が利用した数字(注3)を下記に掲載します。ここで、2009の情報を公開している大学を見るだけでも、下記のように2009年の就職活動が如何に例年に比べて悲惨だったかが、数値に表れているようです。
- 各大学金融へのインターン割合が、10%近く下がっている(例:Harvard 40->31%, Stanford 34->27%, Wharton 53->44%, Columbia 57->49%, Chikago 54->48%)
- NonProfitやOthersなど、例年あまり見ないインターン先が激増(例:Harvardのnon profit 5->11%、ChicagoのOthers分類 3->13%、Stanfordのnon profit 5->9%、およびTechのうち6%分は新カテゴリーのClean Tech)
ただし、各校の強みがある分野は、あまり落ち込んでいないかもしれないです。例えば、他校のReal Estateが軒並み消滅している中、Whartonは、4%を保っています。このような視点で、受験生や在校生の方々は、各MBA校を見直すと、面白いかもしれません。
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(注1) 今年は、フルタイムの採用活動を来年1-3月頃にずらす、と表明している企業も少なくないようです。

(注2) 2009年10月31日時点で、Haas、MIT、Kelloggの3校が2009年分を公表していない。また、Columbiaは2008-9の2年分のありかがわからなかったので、"コロンビアMBA留学記"の数値を参考にした。もちろん、2009年の数値は他の年に比べて金融危機のインパクトが大きいが、各校とも金融が減った分その他が増えている、という傾向は共通し、全体の分析の意味合いを大きく変えるわけではないので、そのまま残した。

(注3) 一部、各大学内の情報を時系列でそろえるために、私が独断で変更したカテゴリー名及びそのカテゴリーに丸めた数字を含みます。
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by golden_bear | 2009-11-01 21:50 | 就職活動


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