A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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UC Berkeley Business Plan Competition決勝戦

4/30(木)に上記ビジネスプランコンペの決勝大会が開催されました。一応準決勝で敗れた身として、雑感を述べてみます。

300名入る会場は超満員。まずは決勝に残った8チームのプレゼンが1つずつ。
(1) Auto TB
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人が結核かどうかを、唾液を入れるだけで自動的に判別する装置を開発。これで、検査の手間を大幅に省き、発展途上国でも容易に使えるようにする。→装置の形まで見せてのプレゼンは、臨場感ありました。

(2) GamesThatGive
(写真はなし)
「社会的に責任を持ったオンラインゲーム」を開発した「らしい」。特筆すべきは、プレゼンの時間にこの企業の紹介を一切せず、この企業に対して寄せられた幾つかの賛辞を紹介しただけで1分でプレゼンが終わってしまったこと。->よほど何か問題があったのか、一般公開ができない理由がビジネスモデルの全てにあったのでしょうか、、、

(3) Logicularity
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大企業の社内情報をビジュアルに"見える化"することで、生産性を向上するための情報管理ツールを開発。→検索技術と情報分類技術を企業向けに作成したところまではプレゼンでわかったが、導入事例が見られなかったのと、工数をかけずに多数の企業に導入可能かどうかがわからなかったのが、やや弱い感じがしました。

(4) Novophage
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抗生物質が効かないバクテリアを、当社が遺伝子工学を用いて開発したあるバクテリオファージ(細菌に感染し菌体内で増殖する細菌ウイルスの一群)を用いて、駆除する商品だそうです。→個人的にザンビアに行くために抗生物質を毎日飲むため、それが元で却って殺菌力が弱まり病気にならないか妻に心配されていたので、この技術は本当ならとても役に立つのではないか、と思いながら聞いていました。

(5) LavaHealth
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EHIS(Eloectronic health Information Systems)と呼ばれる電子カルテシステムは米国の大病院を中心に取り入れられているが、これを元に病院のコスト低減、待ち時間短縮などオペレーションを向上するシステムを開発したベンチャー→今回唯一、クラウドコンピューティングをベースにした技術で、個人的にはすぐにでも実用化されて欲しい面白い技術だと思いました。難点は、もし国や他の企業が同様の競合システムを作った場合、どうベンチャーなりに競合優位を保り、デファクトを取るのか、でしょうか。

(6) Ulteamail
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今回唯一Haas MBAのみで参加したチームで、より企業の生産性をあげるために必要な機能に特化、拡張したe-mailサービスのビジネスです。→emailの改良版、という、一見MicrosoftやGoogleといった巨大企業が常日頃から本業として考えていそうな内容を、スピードとセンスで上回ろうとしているだけあって、プレゼンは秀逸でした。実際のビジネス上で顧客を増やせるかどうかは、最初の数企業にどれだけ継続して使ってもらえるかどうかに、かかっていると思いました。

(7) Siverde
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CO2をBio Fuelに高効率で変換するシステムを開発。→光合成を高速に起こしてCO2を炭素と酸素に分ける技術、そしてその炭素を燃料の形に変換する技術の両者に既存の手法より強みがある、とのことでしたが、どういう強みなのか、何故今までできなかったのか、及び費用対効果や投資回収時期といった投資家向けの定量情報がプレゼンでは明かされなかったので、今一歩の感じです。

(8) Integrated Diagnostics
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既存のHIVテストと同性能の測定器を、手のひらサイズに全て収めて、誰でも使えるようにした。CMOSセンサーを含めた全ての機能を1チップ化しているところに特許を持っており、HIVテスト以外に様々な計測用途に利用できる技術だそうです→UC Berkeleyが持つ特許を元にビジネスを構築する、という意味でも、とても受けの良いプレゼンでした。課題は、数量が出る産業に打って出れない限り黒字化しないところか。


その後は会場の参加者による投票、さらに集計を待つ間に過去のビジネスプラン入賞者がOBとしてきており、現在何をしているかを1人1人プレゼンしていました。実際にこのコンテストを元に企業をして、IPOをしたりExitまで持っていっている人々の話は、大いに盛り上がりました。また、夏にスペインのバルセロナで開かれるビジネスプランコンペの宣伝もしていました。

さて、最終的な1-3位、及び投票による特別賞の結果はここを見ていただければわかると思います。私個人の感想としては、

- 特許・技術・商品を作ってしまっているところが強い: 勝ち抜いた上位3チームは、どこも特許あるいは新技術を基にした商品まで見える形で持ってきていました。残りの5チームも少なくともその片鱗は見せています。この点、私のいたチームが、商品が無い状態のビジネスモデルだけで勝負しようとして、準決勝で敗れたのも納得です

- オープンなコンペティション: 決勝に出たチームは、元MITやコロンビアなど東海岸の大学でPh.Dを取っている人も多く、出身がBerkeleyかどうかにはあまりこだわっていないようでした。また、1つのビジネスプランで全米の同種のコンテストに多数参加しまくり、賞金獲得と宣伝をかねる「コンテスト荒らし」と呼ばれるようなチームもあるようです。参加規程がどうなっているか詳しくは知りませんが、要は技術が世に出て起業が成功すれば良いわけで、ここら辺は懐が広いと感じています。

- 医療技術の優位: 去年の同コンペ、及びIntel+UC Berkeley Technology Entrepreneurship Challengeに引き続き、またもや医療技術が上位を占めていました。一方、ITやWebサービス系のアイデアも今回3つ決勝に残っていました。ただ、これらは上位には残りません。これは、イノベーションが止まった、と見るよりは、大学の独立したコンペに頼らずとも良い技術を自分で発掘してものにしてしまう巨人プレーヤー(Google, Apple, Microsoftなど)が存在し、しかもWeb上で無料で提供してしまうために、ベンチャーの参入及び付加価値・良いビジネスモデルの創出が難しくなっているからのような気がしています。そんなGoogleですら自らベンチャーキャピタルを作るくらいアイデア出しが難しくなっている(と見るかどうかは人それぞれですが)この世の中ですから、大学のコンテストにおける医療優位は当分続くような気がします。

- Green Techの台頭はいつか?: 昨年から話題のGreenTechベンチャーは、今回決勝に1チーム残りました。これらは、一般的には莫大な投資がかかる技術が多いはずですので、既存のシリコンバレーの世界/考え方では投資されにくい技術のような気がします。したがって、それでも無理やりシリコンバレーでこの技術を進めるのであれば、技術の方がシリコンバレー型に併せていく(例:小さい投資から横展開を繰り返して成長できるプラットフォームを作りこむ)のか、シリコンバレーがGreenTech向けに変貌していく(例:国・政府の規制や補助金を活用する)のか、どちらかの歪が起こると思います。これを上手く捕らえたベンチャーが、来年当たりに出てくることを期待したい(あるいは、自分でその中に居たい)と思います。
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by golden_bear | 2009-04-30 23:15 | ビジネスプラン

Better Placeへの最終プレゼン - 徒労の後にサプライズ

先週の話になりますが、Better Place社に赴き、社員数十名の前でTechnology, innovation, leadershipクラスの最終プレゼンを行ってきました。5チームの学生グループが質疑応答入れて、下記のトピックを順に発表していきました。

(1) Roll-out plan (カリフォルニア州における、電気自動車及びインフラの展開プラン)
(2) Batterly Innovation (電気自動車向けバッテリー技術の現状と今後の展望)
(3) Car Innovation (電気自動車技術の現状と今後の展望)
(4) Energy Distribution (電気自動車用電力の、発電、送電、充電の最適化プラン)
(5) Communication Plan (電気自動車をコミュニケーション媒体と考えた時に、どのような新種サービスが展開可能か)

以前お伝えしたとおり、私はチーム(1)でもう1人のスペイン人MBA生、及び環境/政策工学のPh.D2人と進めていましたが、準備が大変だったことと、当日にサプライズが用意されており、非常に学びと感慨の深い最終プレゼンになりました。

まず、直前に発表前2日ほどほぼ徹夜するはめに。このチーム、将来本気でBetter Placeで働きたいスペイン人のMBA生が、終始リーダー役をやっていました。しかし、今回クライアントも教授もビジネスプランを求める一方で、リーダーは元バリバリのエンジニアであったため技術よりのアウトプットになることが多く、私の役割は黒子兼軌道修正になりました。途中まで上手くいっていたのですが、4月以降全員が忙しくなると、各個人が調べた内容を共有できないまま、突っ走ることに。その結果、

- Ph.Dの1人(Aさん)が、非常にこの技術に強く、ほとんどの仮説や分析を支えていた。が、一番大事な時期に、1週間ヨーロッパで学会で居なくなることが、突然判明。その週は、何も進めず。
- もう1人のPh.D(Bさん)は、政治に強く興味があることから、政策立案のパートを自発的に進めていたのですが、彼女が"これ以上調べられない"ところで止まってしまうと、誰も彼女を助けることができず。
- リーダーは、一番重要そうなシナリオ作成を徹底的に深くやる。Aさんを捕まえて2人でトコトン精緻なシナリオを書き始めると、私とBさんは中に入れず。
- 私は、担当した市場調査が比較的早く終わったため、全体のフォーマット調整や、教授・クライアントとのコミュニケーションを担当。しかし別件で会議に1-2回出れないと、個別のポイントとなる部分をフォローできず、存在価値が希薄に。

 こんな感じで、やばいことはわかっていても手がつかない状態で望んだ、2週前の教授とのミーティングでは、「個別の内容はよさそうだけど、構成が全くなっていない」と、本当に自分が元コンサルタントだったのが悲しくなるようなフィードバックを受けてしまうことに。一方、この教授のお叱りのおかげで、チームが僕の考えに従って全体の構成を作り直すことに同意してくれて、何とか形になってきました。

 もうこれで大丈夫だろう、と思って、提出3日前の晩に皆が作ったものを見ると、甘かった。欠けている部分がまだまだ一杯。特に、リーダーのパートだと思っていたシナリオの比較検討の部分を、「時間ありそうだから、やって」と突然丸投げされるはめに。「いや、それは今リーダーがやってるシナリオ作成をそこで止めて、現時点のもので作れば丁度完成じゃないか」と思ったものの、リーダーの信念は曲げられず、結局私が勝手な数字を置いて、無理やり定量的な分析をする羽目に。1日徹夜。その勝手に置いた数字と、リーダーのシナリオとがずれまくっていて、もう1日徹夜。とりあえず出た生データを貼り付けて、何とかプレゼンにこぎつけた、という感じになってしまいました。

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(プレゼンの風景)

 久しぶりにこんな悲惨な資料作りでしたが、我々のチームのプレゼン自体は、予想に反してとても受けたようです。特に、市場調査の結果、いくつかの面白い事実を発見し、時間がなくてそのまま箇条書きで並べておいたところ、これを元に一気に建設的な議論に発展し、非常に明るい議論になりました。出す前は「こんな箇条書きが受けるのか?しかも、既に数百の企業に直接会っている向こうは当然知っている話ではないのか?」と思っていたのですが、我々のチームの目の付け所、質問の仕方で、彼らが漏らしていた視点が結構入っていたようで、大変感謝されました。

また、最後に徹夜して作った定量分析結果からは、この電気自動車ビジネスに関する色々面白い意味合い(要は、全てやり切れれば如何に美味しいビジネスか、ということ。この辺、Amazon.comが10年前からずっと赤字でも強気に投資をやめなかった姿と被ります)が出てきました。当日の発表時には、そのうちの1つしか入れ込めず、8割程度の人にはちんぷんかんぷんなメッセージになってしまいましたが、残り2割の人の心に深く響いたようで、まあ良しとします。

一方で、とてもよく調べてあった(2)、(3)のチームは、クライアントから散々なフィードバックを受けるはめに。「その前提で考えられると、我々の企業には全く意味ないから以後のページの分析は無駄だ」、とか、「何か新しい情報はないのか」、とか、容赦ない厳しい意見が飛んでいました。こういうのを見ると、よくMBAやコンサルティングファームで習う「伝える技術」、「ロジカルシンキング」、とか云々言う前に、とにかく伝えるべき面白い情報があるかどうかが重要なんだなあ、と改めて実感しました。

そして、本日一番のサプライズは、(5)番目のプレゼン。途中から、「このXX(コミュニケーションシステム)は、世界をBetter Placeにするための、ムーブメントを生み出すためのもの、そういう議論をしに来たのではないのか!車や運転のコミュニケションいう概念は、その一部でしかないぞ!
という意見が私の直ぐ後ろから出てきて、皆静粛に静まり返ってしまいました。振り返って見て、若手技術者にしてはやけにセンスのあるカジュアルシャツにジーンズだなあ、と思って、もう一度よく見ると、なんとCEOのShai Agassiさん本人ではないですか。

その後は彼からの怒涛のような質問の応酬。これに対して、プレゼンターである私の友人N氏が、過去3ヶ月の調査の苦労を水の泡にするものか、といわんばかりの意気込みで、一問一問必死に答えを編み出します。が、CEOは「そんなのはもうとっくに考えられている」とでも言うかのように、よりハイレベルな頭の体操のような質問を浴びせかけます。そして、N氏がそろそろ反撃できなくなると、これを守るために、次々に周りの学生が議論に割って入る。まさに1対30の大きなブレインストーミングの世界がそこに誕生し、Better Place、及びその目指している所に対する、深い再認識を会場の皆が得ることになりました。

守秘義務がありここに内容を書けないのがなんとも残念ですが、さすがにTime誌のThe 2009 TIME 100に選ばれているだけあり、どんな夢物語であっても彼がしゃべると実現するような気になってきてしまう。しかも、オバマ大統領が解くべき困難な課題の話とは違い、それなりに技術的な裏づけのある話をしている。ビジョナリーと呼ばれる人がどういう人で、どういう考え方をしているのか、それがいかに凡人とかけ離れているかを、身震いしながら堪能した30分間でした。
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by golden_bear | 2009-04-29 21:01 | 学業

Challenge for Charity(C4C) - 非営利活動への不純な動機

さて、チャリティーをやるもう1つの不純な方の動機は、単純に「バレーボールをやりたかった」ことです。4月17日(金)-18日(土)、Challange for Chality(通称C4C)と呼ばれるイベントがスタンフォード大学で開催されました。この日、本当はゴルフの日韓戦があったのですが、年に1度の大イベント(&この年でバレーボールをやる機会は滅多にない)なので、こちらを優先させて参加してきました。

このC4C、母体がどこでどういう組織なのかはわかりませんが、西海岸の8つの大学(Stanford, UC Berkeley(Cal), UCLA, USF, USC, UC Davis, UC Irvine, Washington Univ)のMBA生が集まって、2日間に渡り大学対抗で様々なスポーツを行います。その種目数は28にも上り、1人が行えるスポーツ数には限界があるため、大学として最低数十名を集める必要が出てきます。一方で、これらのスポーツに対する出場資格は、「事前に5時間以上C4Cが認めたボランティア活動を行うこと」。すなわち、「愛校心」や「スポーツをやる意欲」のある多くの学生に、強制的にボランティアを体験させることができるわけです。そして、このイベントのスポンサーは、Gで始まる投資銀行と、Kで始まるプライベート・エクイティ。いかにも不純な動機で一杯な気がします。

私が参加したスポーツは、下記になります。
4月17日(金)
- 卓球: 写真は男子シングルス決勝。
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- ボーリング: ディスコ・ボーリングと言われているらしく、ネオンと音響の中で皆飲んで騒ぎながら投げます。マーカーが見えなくて、2回ほどこける。それでも130を出せたので、一応平均は超えた模様。
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4月18日(土)
- バレーボール: 午前中に混合、午後に男女別で実施。私は6試合に出て1勝5敗(涙)
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- チアリーディング(応援):写真は3位になったCal
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そして1位になった、UCLA
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- バスケ(応援): 準決勝は、Stanford対Cal,UCLA対USCという、因縁対決。とりあえずCalはStanfordの反則なまでの高さに、ボロ負け。
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写真からわかるとおり、各大学ごとに自分のチームのTシャツを購入し、分かれてゲームをしたり応援したりします。その姿は、8チームあることからも、10年ほど前に某ス○愛という大学サークルで毎年合宿にいって草なぎ氏の様に記憶を無くして狂って楽しんでいた事を、デジャブーのように思い出しました、、、


これらの2日間を終えて、一番感じたのは、"UCLA"と"UC Berkeley"の違い。2年前にMBA受験校を検討するにあたり、あるUCLAの卒業生に「UCLAとUCBの違いは何ですか」、と聞いてみたところ、「直接比較はできないけど、何となくバークレーは個人の能力に任せている部分が多く、UCLAは全てにおいて集団のチーム力を発揮する、ような気がする」との返答。一方で、来てみてからは、バークレーも授業などほぼ全てチームで行っており、あまり個人任せという意識はなかったのですが、C4Cに来てその差を実感することになりました。

- 参加者数: バークレーは合計で80名程度、一方で、UCLAは200名を超える
- 競技の準備: バレーボールでは、UCLAではチームは2ヶ月前から毎週練習。各ローテーションごとのコンビネーションバレーがしっかり実現されていた。一方、バークレーは元々20人ほど参加者が登録されていたにもかかわらず、実際に来たのは5名と、人数不足。当日来たメンバーでその場で役割を決め、4名で参加。キャプテンは「4名の方が経験者にボールが多く回って強いから、よかった」
- 競技中の運営: ボーリングでは、バークレーはとりあえず事前登録はなくてもその場でやりたい人がガンガン投げる。一方、UCLAは、全員のスコアをメモして、一番良いスコアを出した上位から2回目以降参加が可能。結果、バークレーは酔っ払って100も出ないような人が何回も投げる一方、UCLAは5人全員が180越え、というレーンが出来上がる。
- 得意競技: バークレーは、ゴルフや陸上といった個人種目にスペシャリストを抱える。また何故か卓球も、男子シングルスと女子ダブルスで優勝し、総合優勝。バレーボールもキャプテンは全参加選手中一番上手く、チアリーディングでもバク転バク宙といった個人の派手な動きでは、他を寄せ付けない。一方で、UCLAは卓球など個人競技になるほど全く目立たない一方、「盛り上がった大学が有利」とわかっているチアリーディングには多数が参加・応援(パット見100名以上)し、某社会主義国のマスゲームかと思うくらい一糸乱れぬ統率した動きで、他大学を圧倒していました。

他の感想
・ スタンフォードの施設は凄い: ス○愛でも合宿を行う場所探しには毎年苦労していましたが、数百人を集めて30種近くのスポーツを1つのエリアで行える場所って、世界中見渡してもそんなに多くないのではないか、と思います。しかも、そのどれもが最新設備、最新器具で揃っており、ブルジョア大学の強さを実感しました。
・ 西海岸の日差しは危険: まさかバレーボールを外でやるとは思ってなかったので、サングラスを持っていかなかったのですが、これが大失敗。日焼け止めをしても真っ黒になるような燦燦と輝く太陽の下、目が完全にやられてしまい、以後2日ほど充血がとまらず大変危険でした。
・ 審判は英語の交渉の練習になる: プレーから経験者ということがばれたので、2回ほど審判をやらされました。ところが何でもありの屋外の草バレーなので、基本的に反則しまくりで、御互い反則を追及しまくる大変な展開に。最終的には「インターナショナルルールでは、このルールだ。審判のジャッジは絶対だ」といって収めるのですが、その間かなり緊迫したネゴシエーションの実地演習になりました。
・ 参加者のほとんどは米国人: 我がBerkeleyを見ても、他校を見ても、基本的にこのイベントに参加しているのは9割以上が米国人、という感じでした。運営の仕方(アメリカ人じゃないとわからないトリビアクイズなどが多い)、飛び交う言葉(スラング)を聴いても、あたかも留学生は居ないかのような扱いで、留学生として飛び込むには面白い経験でした。是非、西海岸のMBAに来られる方は、参加することをお勧めします。
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by golden_bear | 2009-04-26 08:16 | 学校のイベント

非営利団体のイノベーション - 非営利活動に関わりはじめた真っ当な理由

さて、前回のエントリーではNon-profit, Charityなどの活動を4月-5月に精力的にやっている「真っ当な動機」として、「あえて今まで嫌いで寄りつかなかったものに、無理やり羽を広げてみて、新たな自分へと脱皮しようとする」と定義しました。今回はこれにもう少し説明を加えながら、具体例として1つの授業の学びを記します。

実は、元々20歳になるまでは、ボランティアは活動はむしろ好きで、親の影響を受けながら率先して行ってきました。ところが、その後下記の理由でボランティアから離れることになりました。
- 優先順位の低下: 大学3年生以降、前人未到・世界初かつ競争の激しいプロジェクトに関わる機会が増えて、他の人でもできるボランティア活動より、今の自分にしかできないことに人生の120%をささげて来た
- 表と裏: 年を取るほどボランティア団体・組織の運営に深く関わるようになり、ボランティア行為そのものは常に素晴らしいことである一方で、組織・運営上に様々な問題があることが見えてきました。上記忙しさも踏まえて、この問題に関わるよりは、一旦離れた方が良いと感じたため。

そして、米国に来てからボランティア活動の「打算的」な面を沢山見て、益々避けるようになりました。下記は私の主観的な経験で、客観性に欠けるのですが、
- ボランティア活動を「XX時間以上」していないと、合格できない大学や企業、もらえない奨学金がある。だから、多くの米国人に経験があるようなのだが、それらの皆に「ボランティアスピリット」のようなものが本当にあるのか疑問
- CSRを議論する際にも、結局目に見えるPRや価格上昇&販路拡大の手段、すなわち短期的な売上上昇の手段として意味ある/ないを議論するケースが多いように見えた
- Non-Profitを志望している人は、元々裕福(投資銀行出身、途上国の大富豪の出など)のケースが多く、今の自分の立場とはかけ離れている印象
- ボランティアを行うにもお金がかかることが多く、そこにお金を使う意義が見出せない

というわけで、やはりビジネススクールに留学しに来た以上、本業のビジネスで成功する素養を身につけるのが先で、ボランティアはできる立場の人に任せよう、ということで優先順位を下げてきました。

ところが、1-3月で忙しい授業を取ったり就職活動をしたりしているうちに、この「本業のビジネスで成功する素養」に、もしかしてNon-Profitが関係するのではないか、と考えが変わって来ました
- 毎日長いTo-doリストを更新するなど、効率を追及して動く機会が増え、MBAの目的の1番目「思ったとおりに羽を伸ばす」に偏りすぎたため、全体のバランスを取る必要を感じた
- 効率を追求した結果、英語力向上など役立った部分があるが、必ずしも全て思ったとおり満足いった結果が出ているわけではない。視点を変える必要性を感じた。特に、米国に来たからには、米国人のやり方に浸かるべき、と感じた。
- 1年間の締めくくりの時期として、まだこの地で試していないことが減る中、バークレーに強みがある分野(例:CSR研究は全米ランク2位)に触れないのはもったいない
- 1-3月に受けた授業や経験の中で、Non-ProfitやCSRの考え方を踏まえると、違う見え方をするものが出て来た

そして、ここでは「Non-profitやCSRによって見え方が変わった」経験を1つ述べてみます。1月から取っている授業の1つに、「Intro to MOT」という授業があります。企業がどのようにイノベーションを起こしたか、毎回1つケースを読んで議論する、というオーソドックスな授業なのですが、「Intro」、外部講師、半分は工学部の学生、ということで、議論自体は浅く広くなりがちで、正直あまり感銘を受けない授業でした。しかし、「Innovation in Non-profit」というテーマで扱った、NetHopeのケースには、鳥肌が立ちました。

NetHopeは、2001年に設立された、IT技術を通じて全世界150カ国で人道的な開発支援、災害救助の支援を行うための非営利団体です。立ち上げや資金援助を行っている企業群として、Microsoft, Cisco, Accenture, Salesforce.comといった、ITのソフト・ハード・インフラの中核を担う企業が並んでおり、災害時に衛星通信を確実に行える非常用通信ボックスのような機器を、世界中の企業と開発・提供したり、地震や津波の際に真っ先に通信網を整備するあらゆる役割を担います。

授業を通して、下記4つの質問に対する解を導き出す議論を行いました。
(1) 非営利団体を評価・監視する機関が、どのようにNetHopeに事業機会を与えることになったのか
(2) NetHopeは、その参加団体から現地生活者までに至る「サプライチェーン」を、どのように構築しているか
(3) NetHopeという場の需要側のメンバー(参加団体)、供給側のメンバー(資金・技術援助側)それぞれの便益は何か
(4) もし貴方がNetHopeの会長であれば、今後の方向性として4つ(利益・効果最大の案件に特化、常に最速の対応を実現するスペシャリスト、常にコスト最適を目指す、時間はかかっても最低コストを全員に与える)のうちどの姿を目指すか

この中でまず、(2)の回答が、いわゆる非営利団体のビジネス・モデルで、”Donation to Delivery:寄付から(もの・サービスを)届けるまで"にどのように付加価値を与えているのか、概念と具体例を解きほぐします。普段の授業であれば、このような形で基礎的な考え方の枠組みを習えばそれでお終いなのですが、今回はその他3題から目から鱗の学びがあり。

(1) 回答: 非営利団体を評価・監視する機関は、予算(=寄付金)の使用状況を、毎期ごと(毎年)の3つの費用: 「プログラム実行費用」、「管理費用」、「資金調達費用」で評価し、資産として有効活用しているかどうかは問われない。従って非営利団体が監査団体を気にする立場では、「ITインフラという資産を入れて業務の効率化を図り、結果として将来の費用を削減する」、という発想にはなかなか至らず、効率的なIT投資に至らない。従って、NetHopeは、途上国の資金援助を受けている機関に対して、ITという資産に投資して「管理費用」を削減するための手助けを行うことで、ITインフラ投資を促進し生産性を上げている。

もし実際に生産性が上がっているなら、途上国のみならず、日本の役所とか研究所とかにも、応用してみたい考え方に見えます、、、

(3) 回答:需要側は、安価に高い技術や知識を得てかつ雇用も増やせること。供給側は、より大きなインパクトを与えながらリスクの低減や人的ネットワークの構築、社員の教育に繋げられること。

しかし、ここでの学びは、私の回答に対する教授の議論とまとめにあります。私の供給側の回答に、「販路の拡大と、価格の安定。途上国に製品を売る際に、NetHopeを通せば、グローバルな価格ダンピングを気にすることなく、隠れ蓑の形で顧客を増やし、長期的な投資を行い易い」、といった意見を出していたところ、教授が「価格ダンピング、とか、NetHopeを隠れ蓑にするとか、ケースのどこに書いてあったのか!!」と激昂。その後他の学生が様々な意見を出して行ったのですが、教授の最後の締めに、「私はXX(NetHope参加企業)で経営者をやってきたが、このような非営利団体の活動に、何か見返りを求めたり、うちの会社名ではできないことを代わりにやらせる、税効果を求める、といった”利用する"という考え方を持った事は一度もない。そういう不純な動機の経営者も社員はうちでは見たこともない。こういう活動は、コミュニティーを守り、顧客とのよい関係を築き、ひいては利益になる、という発想で、当たり前に行っている」、「同様に、CSRという言葉はうちの企業では使っていない。CSRという言葉にすると、それを利用するニュアンスが出てくるが、本来は当たり前のように自然にできているべきこと」という感じで締めくくりました。

(4) 回答: これは答えのない問題なのですが、クラスメートの1人に、実際スマトラ沖地震の際に海軍として緊急援助を行った人がいて、彼がそのときの様子を生生しく延々と20分くらい語りはじめました。それで完全に授業が止まってしまったのですが、その彼の話を聞く限り、常に最低コストで、常に僻地にまで全員にいきわたるセーフティーネットを張る事を目指す"長期視点の開発者"にならざるを得ないようです。これは、やる側としては一番大変なオプションであり、短期視点の株主・経営者や風土ではなかなか実現しないように思えます。


ビジネススクールに来る前は、米国企業の経営の強さは、四半期という短期間のサイクルで、株主に対する説明責任とその遂行を管理する仕組み・能力・システムの素晴らしさにある、と思っていました。しかし、教授の発言やこの授業の意味合いを見るに着け、考えが大きく変わりました。実際に米国で最も儲かっている=株主に貢献している部類の企業は、株主を向いて仕事をすることなど全く考えず、一見株主利益と最も遠いところにありそうな「長期的な公益」を達成することに全力をささげているようです。その結果として、短期にも株主に貢献しているのです。

そして、これはもしかしたら、高度経済成長を支えてきた日本企業郡が当たり前のようにやっていたにも関わらず、今の日本企業(特にコンサルタントを雇って米国型の「優れた」経営手法を取り入れ、そこで満足している企業)、あるいは日本国全体、が、アメリカの手法を追いかけているうちに、できなくなってしまったもの、のように感じられます。私自身も、次に働く時には、何をするにせよ肝に銘じておきたいと思います。
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by golden_bear | 2009-04-25 17:57 | 学業

Fall A 振り返り(3/3) 私のMBA通信簿 - 今更ながら定義してみた

前回予告の通り、なぜこの1-2ヶ月はNon-Profitやチャリティーに力を入れているのかの話です。これには、真っ当な動機と不純な動機の2つがあり、先に真っ当な動機について述べたいと思います。その前に、何を持って「真っ当」か、を明らかにするため、昨年10月以来半年も放置されていた「私のMBA通信簿」について、先に書くことにしました。

この「通信簿」、裏を返すと「MBAの目的:何のためにMBAに来たのか」。実は今までにも何度となく、様々な趣向を凝らして、自分の成長を確かめるための軸や評価項目を考えていました。しかし、毎日様々な経験をする度に、自分にとって何が大切か、という考え方もころころ変わり、なかなかシンプルな決定版が出てきませんでした。そこをあえて、本日現在で言うなら、一言、「羽を伸ばすこと」に尽きます。

思い返せば留学前までの5年間、毎日目一杯頭と体を酷使しながら、養鶏場の卵のように次々にアウトプットを求められる、まさに檻に嵌められた状態で、自分の考え方も凝り固まっていたように思います。そこで、その檻から解放された状態で、自分がどこに飛んでいってしまうのか、思う存分それを見極めて、また新たな巣に戻る。そんな2年間なのだろう、と現時点では思っています。

ここで、羽を伸ばす方向にも何種類かあります。
(1) こうだろう、と思ったとおりに伸ばしてみて、実際に狙った獲物をつかめるようになるまで頑張る: 入試のエッセイに書いた通りに実際に行動してみたり、「ゴルフでスコアXX」、「家族との時間を大切にする」、「毎授業発言する」、「週に1回ブログを書く」というように、先に目標を立てて達成を目指す類のもの
(2) こうだろう、と思っていたが、全然違ったため、新たな発見となる: Ethicsの授業が予想以上に面白い、元々自分の得意分野の授業は受けてもつまらないことが多い、など
(3) こうだろう、と思っていたが、全然違ったため、その分野に諦めをつける: 興味のあった業界のイメージと現実とがかけ離れており興味をなくす、やろうと思っていた趣味に関してやる時間と楽しさが思ったより少なくて諦める、など
(4)思っても見なかったが、羽を伸ばしてみて新たな発見をする: 全く知らなかった会社や人と出会ったり調べたりする、いつの間にかザンビアに行くことになる、など
(5) 何も考えないで、とにかくのんびり楽しむ: カリフォルニアの雄大な自然の中で有機食品とワインをたらふく楽しむ、ゆっくり本を読む、など
(6) 無益に伸ばす: 意味もなく昔仕事でやった同内容のことを繰り返す、意味もなくトラブル発生と対処に追われる、など

今まで数ヶ月過ごしてきて、わざわざ2年間かけてMBAに来たからには、この(1)-(5)のバランスをとって、人よりも雄大でかつ他にはない羽を伸ばすことが大事だと、考えるに至っています。実際、今振り返ると、仕事に打ち込んでいた時には、入社直後の新入社員の時にはほとんど(4)だったのに、退職直前には、6-7割が(1)、1-2割が(2)、残りは(6)、という感じで、マンネリになっていた気がします。そして、とてもリベラルなバークレーという場は、他のMBAと比較しても、自由奔放に思う存分羽を伸ばせる。だからこそ、5年働いた後の自分が、無意識に選び取った大学のような気もしております。


ここまで書いて、Non-profitやチャリティーにはまっている理由に戻りますが、実は7番目の羽の伸ばし方を発見したことに他なりません。これは、(2)と(4)を発展させた形で
(7) あえて今まで嫌いで寄りつかなかったものに、無理やり羽を広げてみて、新たな自分へと脱皮しようとする
よく考えればただマゾなだけですが、、、

具体的にノンプロフィットとどう関係しているかは、次のエントリーで述べたいと思います。
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by golden_bear | 2009-04-22 13:45 | 全般

Spring B 必修授業紹介(3) Ethics

最後にEthics(倫理)の紹介。必修科目で唯一、チームのない個人作業のみの珍しい授業です。というよりはむしろ、この課目だけは基本的に他のクラスメートと相談することを一切禁じており、全ての課題を己の全英知のみを結集させて、独力で解かなければなりません。

裏を返せば自分のペースでできる、というわけで最初は気楽に考えていたのですが、受けてみてびっくり。私にとっては恐ろしくためになる授業で、文句なく今まで受けた授業の中でNo.1です。

この授業の何が良いのか、下記に並べてみました。

- 授業の進行: 上記で書いたようなチームプレーがない授業なのですが、一方で毎回の授業で必ずノートPCを持ち込み、教授の質問数問に対してアンケートを実施します。その結果がリアルタイムで表示されると、同じ質問に対してここまで他人が別のことを考えるのか、ということに驚くと共に、1クラス60人の人間がそう思う場で多数決を取ったり、一人の意見が採用されたりすると、確かに倫理的に問題のある事件が起こってしまう、ということが明確になるので、皆驚いて神妙になってしまいます。

- 教わる内容: ビジネススクールで教える倫理の授業ということで、もちろん上記のようなデータも用いながらエンロンなどの有名な不正事例を掘り下げる所から入るのですが、この授業の凄いところは掘り下げ方が半端でないこと。経営課題にも関わらず、大学の哲学や宗教学の授業で扱われるような古典的な考え方に立ち戻って問題の所在をあぶり出します。ではどうすれば良かったのか、という解法についても、哲学・経済学・経営学のアルゴリズムで、解けるところまでは解ききり、それでもどうしても解けない部分をどう扱うか、という中身が2時間という短時間の授業内で議論されます。

- 課題: 当然、ここまでの内容は授業の2時間だけでは解けないので、毎週1回の授業の2日前に宿題が出ます。これはあるときは論述、また別の時には論理学の試験のような選択式の課題だったりするのですが、どちらも一筋縄ではいきません。単純に答えを書くだけなら、一般常識+授業をなんとなく聴くだけで書けるのですが、もし完璧に納得したいのであれば、今回大量に与えられているオプションの新聞記事や文献の切抜きを読みきったところで、きちんと理解できるようになっています。この1つ1つが面白いので、ついついはまって読んでしまいます。

- 教授との相性: 上記の内容は一緒でも、教授3人で4クラスを見ているので、教授の質により大分印象が変わると思うのですが、私が受けている教授は大当たりです。一見、胡散臭いギャンブラーに見えるイタリア人が、冗談なのか嘘なのかわからないような問答を繰り返し、皆の笑いを誘っていると、いつの間にか笑っていた状況に自分が陥っている。そんな皮肉たっぷりの授業に毎回驚かされます。


というわけで、副読本まで読む気にさせる必修授業は後にも先にもこれしかなく、かなりはまっています。そして、この授業から受けた明確な影響・成果として、「4月5月はNon-profitやCharityの活動を増やそう」と決心し、すでに実行しております。例えば、今週だけでも、下記のようなイベントに参加してみました。

4/14(火) VC Roundtable (ベンチャーキャピタルラウンドテーブル)というイベントで、様々なVC,
起業家、学生、アルムナイと会う中で、Social Venture系の起業家と深く話し合う
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4/15(水) チャリティーで、地域の身体障害者にボーリングを教える
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4/15(水) Public Leadership Dinnerというイベントに参加
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何故こうなったか、は、次回のエントリーにて詳述します。
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by golden_bear | 2009-04-19 11:51 | 学業

Spring B 必修授業紹介- 人は人、わたしはわたし(2) Leadership

次にリーダーシップ。前述の通り、昨年余りにも評判が悪く、今回1年生の最終学期に移動して新装開店のこの授業。週1回2時間*全7回の通常講義と、2回の特別授業があり、中間に個人レポート、期末にチームレポートが課せられます。この授業、全然期待してなかったのですが、今の私には結構意義の高い授業です。

まず、受けてみるまでわからなかったけど、この分野で自分が語れることは相当多く、結構クラス内で議論や発言をリードできる、というのが1つ目。実は、前職時代、オペレーション改善のプロジェクトを多くやったのですが、これらは行き着くところは人の改善、つまり、最終的に人や組織にどのようにリーダーシップを身につけさせていくか、という課題に全て帰着していました。その時に失敗を繰り返して身につけたものって、実は貴重なスキルなんじゃないか、と気付きました。

次に、とはいえ授業で習うフレームワークは、仕事で学んだものと全然違う。これは、単純に新しいフレームワークで今までの復習をするだけでも、対応がどうなっているか考えながら聞くことで、大きな勉強になる。さらに、実際に新しいフレームワークで再度自分を評価する、セルフアセスメントを課題として行ったのですが、1年前に自分自身で同様の調査をやったときに比べて、本質的な自分があまり変わっていない、ことに気付きました。これは、「これだけHaasで思う存分解き放たれて、好き勝手やっていろんな壁にぶつかったりしながら、実は自分は遊んでるだけで全然成長してないんじゃないか」、という現実を突きつけられた気分で、結構焦ります。

また、中間レポートの課題が、これらセルフアセスメントの結果も生かしながら、「将来の就職先における自分を想像し、今まで自分が積み上げてきたものを分析して、何が足りているか/いないかを考える」。これは、自分の足りないスキルを知る目的以上に、まだ将来何をやるかが明確になっていない私の場合、そもそもこの時代に私は今後どういう職業を選ぶべきか、大きく進路選択の指針になります。

最後に、チームワーク。今回最終レポートを書く私のチームは、私以外に
・ エルサルバドル出身、Non-profit系ベンチャー支援
・ スペイン出身、自動車エンジニア
・ イタリア出身、技術系コンサルタント
・ イタリア出身、コンピューター技術者
という、完全にラテン系。ただし、スペイン語の2人と、イタリア語の2人でそれぞれ固まって母国語をしゃべっていて、実はそんなに仲良くないんじゃない、と思われる中で、日本人の私は陽気な彼らに隠れて、黒子の仲裁役をやってるような状況です。

で、ある1回の授業で、チーム対抗でリーダーシップビルディング、というゲームを1時間半ほどやりました。
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写真だけ貼って、どんなゲームかは書きませんが、実は普段は授業が無いはずの金曜日に強制で呼び出されたこともあり、皆のゲーム自体に対する評価は悪く、非難ごうごうでした。しかし、私にとっては、下記のようなとても面白い現象を発見でき、大満足です。

「リーダーにより設定された目標が低すぎる場合」
・ 日本人(私)は、リーダーと合意した要件を満たす範囲内で、自主的に5%でも10%でも時間枠一杯まで改善し続ける。結果、120%の成果を出す。
・ イタリア系の人たちは、早くに目的を達成すると、目的に関係ないところで勝手に芸術性を追求し始め、それが失敗し本来の目的を達成できない。50%の成果。
・ スペイン・南米系の人たちは、リーダーとの事前の合意事項に関わらず、もっとより良い方法があれば勝手にどんどん追求し、300%の成果を出す。

「リーダーとのコミュニケーションがうまく行かない場合」
・ 日本人(私)は、黙ってなにも言わないで耐えるため、そもそもコミュニケーションを取る順番が一番最後になる。一旦話しだすと、何故うまく行かないか、感情を交えず細かく冷静に1プロセスずつ確認。
・ イタリア系の人たちは、皮肉を言ったり茶化したりして、注意を自分たちに向ける。リーダーを感情的にさせて、ユーモアの中でコミュニケーションを取る
・ スペイン・南米系の人たちは、真っ先に大声でリーダーを呼びつけ、単刀直入に自分が困る部分を確認。後は自分のやり方で没頭し、コミュニケーションをとらない

今回のリーダーは飛び入りで入ったアメリカ人女性でしたが、イタリア人が女性にもてる理由を見せ付けられました。


結局、私もこの授業の構成自体は、万人に受けるものではないと思います。ただ、たまたま奇特なチームと、自分のバックグラウンドと現状が、ぴったりマッチしたため、今の自分に最も実践的に役立つ授業となっています。
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by golden_bear | 2009-04-15 00:51 | 学業

Spring B 必修授業紹介- 人は人、わたしはわたし(1) Strategy

某先輩のブログタイトルをそのまま使ってしまいましたが、今学期の必修授業は本当に、私の中での評価と他人の評価が違うな、と思いましたので、それを含めて簡単に紹介します。
(1) Strategy (経営戦略)
(2) Leadership (リーダーシップ)
(3) Ethics (倫理)
のうち、本日はまず(1)を説明します。

(1) Strategy (経営戦略)
この授業は、やることが多い結構大変な授業です。毎回の授業自体は、主に最近の企業間の競争を取り扱ったケースを、某経営コンサルティングファーム出身の南米人系の教授が、軽快な早口の語り口でバッサバッサと解きほぐしながら、いつ、何を元に、どういう判断をして、成功/失敗したのかをあぶりだします。この授業の準備に結構時間がかかるのに加え、チーム課題として
・ 毎週1つのケース分析を数ページのレポートにして提出
・ Strategy Gameへのインプットを週2-3回実施(後述)
・ 中間、期末レポートの作成
があるので、たかだか1教科ではありますが、毎日チームで議論のメールが頻繁に飛び交います。

チームメンバーは、私の他に下記3人
・ Wall Street大手投資銀行出身の、インド系アメリカ人女性
・ テキサスの弁護士
・ 地元会計系コンサルファーム出身、学部もUCバークレーという根っからのカリフォルニアン
東、南、西、日本、というアメリカっぽいチームです。

周りを見渡すと、皆授業を褒めて、授業以外の課題に辟易している感じなのですが、私は全く逆。授業自体にはあまり感銘を受けず、むしろチーム課題にはまって精力的に取り組んでいます。

授業は、確かに経営戦略の基礎を学ぶ、という面では目から鱗の学びが詰まっていると思います。教授はまるでコンサルタントがミーティングをするように、軽快に黒板にフレームワークを使い、皆の意見をあぶりだしながら軸に沿って課題を抽出していきます。また、徹底的に数字、ファクトにこだわったり、最後に意味合い出しを抽出する過程なども、ああ、この人コンサルタントなんだな、ということがよくわかります。

しかし、私にとっては、5年以上仕事でやってきたこともあり、モチベーションがあまりあがらないです。1つには、現場の緊張感がない教室という場で、過去の事例という、答えが出たものに対して行われること。もう1つには、扱っているケースがわかりやすさ・面白さを重視しているためか、大成功/大失敗という極端な話だったり、偏りがあること。「紹介したいフレームワークに当てはめたいから、事例を後付で持ってきたんじゃないか」という視点で授業を聞くことになり、あまり実践で使える気がしないのです。実際、これらのフレームワークに基づく戦略立案は、過去多くのクライアント企業と接してきて、既に多くの企業が意図的に、あるいは、無意識に実践しているにも関わらず、成功する企業はごく一握りしかない。従って、この授業で学んでいること=基礎は、その通りやっただけじゃ多くの場合うまく行きませんよという内容を懇切丁寧に教えているような気がします。

一方で、チーム活動のStrategy Gameは、とても面白いです。これは、8チームが毎週2-3回、4つの異なる性質を持つ市場に対して、「参入するかどうか」、「生産キャパシティを変化するか」、「価格を幾らに設定するか」、「他チームに対してどういうパブリックコメントを出すか」、の情報を入力するだけ、という単純なゲームです。全チームが入力し終わると、各市場でどのチームの商品がどれだけ生産され、幾らで売られていたか、及びパブリックコメントを見ることができます。

このゲームを面白いと感じる点は、下記にあります。
・ 今までの勉強を総復習できる: 
そもそもミクロ経済学の需要・供給曲線、ゲーム理論、寡占理論がベースになったゲーム。しかし、これにとどまらず、需要曲線を洗い出すために統計学でやった多変量解析、マーケティングで扱った損益分岐点分析、ファイナンスで習ったローンの理論など、秋学期に習った課目を一通り繋げて戦略を立てることが可能です。

・ 「戦略は基本通りやるだけでは、うまく行かない」、をそのまま実証している: 
実は、我々のチームはたまたま理詰めで好戦的な人々が揃ったのか、最初にチームが置かれた状況を見て、「これは場そのものをかき回さない限り、うちのチームの勝ち目はない」と全員で共通認識を持ちました。そこで、1発目にわざと、通常ありえない極端な数字を出しました。最初のターン終了後に、教授から各チームの戦略に対して、「この会社の株を買うかどうか」、という一言アナリストレポートが出てくるのですが、我々1チームだけ、「激しく売り」という最悪の評価。同じ市場に張っていたチームから「あのチーム正気じゃない、頼むから消えてくれ」と叫ばせたりしています。

・ チームメンバーと濃い議論が出来る:
実際に上記のような悲惨な評価を受けたりすると、チーム内でも「この戦略は諦めた方がいいんじゃないか」、とか、「一度損を出しても価格を吊り上げるべきか、逆に大きく価格を下げるべきか」、といった議論で、結構意見が分かれます。そこで、2発目、3発目の数字を出すために、深夜に渡り練りに練った議論をすることになりました。その結果、今のところ、かなり思い描いたとおりの結果(必ずしもベストの結果ではないが)が発表され、チームはものすごく盛り上がっています。一方、他のチームを見渡すと、このゲームのインプットをどうするかについては、少なくとも我々と直接競合しない限りは、オーソドックスにやっていれば、そこまで真剣に悩む必要が無いと思われます


というわけで、恐らく普通とは多少違う視点で、戦略の授業を楽しんでいます。次回、他2つの必修授業についても簡単に説明します。
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by golden_bear | 2009-04-13 09:08 | 学業

春学期後半(Spring B) 授業の全体像 - 1年目終了まであと1ヶ月

長らくブログをお休みしていました。3月末には1週間Japan Trekで毎日睡眠を削り、帰国後4月頭に急激に怒涛の課題&作業ラッシュに突入し徹夜続き。なのに先週末にワイナリー10箇所を訪問して飲みまくって泥酔。眠れずにYahooで広島-巨人開幕3連戦の実況を見てますます眠れない(私は広島ファン)。脳内時間と身体時間と太平洋標準時が完全に狂った生活をしておりました。これではあかん、ということで、気を取り直して、ちょっとやり方も変えながら、ブログも復活させたいと思います。

気がつけば、もう春学期後半(Spring B)も半分が過ぎようとしており、もう中間試験の時期です。実は入学時に、今の2年生から、「1年生の秋学期はめちゃめちゃ忙しいけど、春学期、特にSpring Bはとても暇だよ」、と聞かされていたのですが、私にとっては、全く逆。昨年秋に比べると、今学期は2倍くらい忙しい印象です。また、そのせいもあってか、得るものもとても多い学期です。

それでは、何故忙しいのか。理由を3つ、並べてみます。

(1) 昨年と授業内容に変化あり
今学期は、下記7つの課目を取ってます。
- Strategy - 2単位
- Ethics - 1単位
- Leadership - 1単位
- Intro to MOT - 3単位: Spring Aからの継続
- Technology, Innovation & Leadership - 2単位: Spring Aからの継続
- International Business Development - 2単位: Spring Aからの継続
- Merger and Acquisition Practical Primer - 2単位: Spring Aからの継続、4月9日を持って無事終了!

上記のうち、Leadershipは、今の2年生は秋学期後半(Fall B)に組まれていました。ところが、この授業の評判があまりにも悪かったためか、はたまたプログラムオフィスが「秋が忙しく、春が楽」というフィードバックを聞いて改善したためか、今年は先生もカリキュラムも完全に一新して、Spring Bに移ってきました。こうして物理的に秋が楽になり、春が忙しくなりました。さらに、春学期の先生は比較的、授業時間枠一杯に詰め込んで、早口でしゃべる人が多い。実際に「こんなの多すぎて教えきれない」、と口にしてる先生もいるくらいです。こういう事情も知らず、よく中身を見ずに、「春学期は暇だよ」という情報を鵜呑みにして、選択科目を取りすぎてしまったことが、忙しさを助長しています。

一方、このおかげで、この成長途上のHaasが毎年進化しているさまを、肌身を持って実感できていると思います。入学前いろんな卒業生の方に、「Haasは学生のやりたいようにやらせてもらえるし、例えば要望すれば自分で新しい授業とかどんどん立ち上げられる」と聞いていたのですが、まさにそんな感じで、来年以降もっと変わってくる、また、我々自身が改善していくのだと思います。

(2) とにかく読む量が多い
この7科目のうち、事前に予習でケースを丹念に読まなければならない課目が、5個もあります。これは、私の場合Fall A, Fall B, Spring Aではそれぞれ2個、1個、2個だったことを考えると、圧倒的な苦痛です。工学部出身+純日本人+コンサルティングという経歴の私にとって、ケースを読まないですむ課目は、数学で勝負できる分、比較的サボったり手を抜いたりしても後で挽回可能でした。一方で、英文を読む時間は未だに周りの学生の1.5~2倍(入学時に3倍だったのに比べれば進歩したが)。したがって、ケースが多いと読む時間が増えるわ、融通が利かないわ、で、自由時間が格段に減ってしまいます。

(3) マネージしなければならないチームの数が多い
この7科目のうち、Ethics以外の6科目全てにチームワークが課されています。しかも、全部ばらばらのメンバー。これは、秋学期は全ての授業をずっと同じ5人のスタディグループでやり続けたのと、大きな違いがあります。

今振り返ると、秋学期のメンバー5人は、役者が揃った素晴らしいメンバーに恵まれた上に、、阿吽の呼吸が取れていたと思います。このメンバー達のおかげで、英語が極端にできない日本人の私にも、活躍の場がありました。例えば、最初は、主に定量分析で完璧にミスのない答えを毎回チームに提供することだったり、議事録作成や全員の作業分担と時間管理だったり、と、アナリスト兼秘書的な役割で貢献。これを繰り返すうちに、徐々に、お互いに苦手分野を引き取り、得意な人がコーチするようになって行きました。

このように、1つのチームで役割分担をしながら互いに高めあう、というスタイルは、いわば「専任プロジェクトベースの働き方」
・ 前職のコンサルティング業界での働き方と同じ
・ いざ自分が忙しくなったときに、お互い他のチームメンバーにヘルプが頼み易い
という、私にとっては前職の働き方をそのまま英語に置き換える訓練になる、居心地が良い環境でした。

しかし、今は6つバラバラのプロジェクトを抱えており、さらにそれはどのチームメンバーも同じ状況です。これは、いわば「事業会社が多数のプロジェクトを走らせている」働き方と思います。特に優秀な方ほど兼任の仕事を沢山抱えてしまい、かえってボトルネックになってしまうような現象を、前職の顧客企業の中で幾度となく見ていましたが、今度は自分でその立場に立っている気分です。

・ チームに、その課題に対してベストなメンバーが揃っている、とは限らない
→ そこはチームワークで補うべきだが、チームが組まれた時点で、知らない人だらけなのに、あまりお互いについて深く知る機会がなく、チームワークも何もない。
→ とりあえず最低限、1週間の予定だけは予め最初に決めておかないと、緊急に何か入っても対処できないことが多い
→ なのに、突発的に色々なことが起こるので、どうしてもメールベースでその場で議論せざるを得ない
→ メールの数が死ぬほど増えて、メールボックスがパンク。さらに、全てのメールを読めないと、自分のミスも増え、諦め気味になる
→ 本来自分でやってしまえば直ぐ終わる仕事でも、頼んだ相手がパンクしてるのかサボってるのか、仕事を上げてこないので、全体が遅れる。
→ 最後は締切直前に全員で1つの仕事に同時に取り掛かり、非効率な待ちや手戻りが何度も発生。仕方なく、締切ギリギリにやっつけで無理終わらせるが、アウトプットの質がとても低い。
→ 従って、自分自身は常にものすごく忙しい作業に追われ続けているにもかかわらず、チーム全体の仕事の進み具合が、自分のイメージに比べてあまりにも遅く、悲しくなる

このように、コンサルタントをしていただけではわからない、多数の発見があります。その際たるものは、役割も権限もインセンティブも責任もないのに、自然とリーダーシップを取らざるを得ないこと。これは、「自分で納得いかない」ものが沢山増えて、「腹が立つ」ので、「自分で納得いくように、他のチームメンバーを無理やり動かそうとする」ためです。しかも、Skillも、Willもあるのかないのかわからない相手に対してです。これは、課題の内容、相手の性格や文化、自分の置かれた状況などなどによって、個別にリーダーシップの使い方を変えなければならない分、恐ろしく勉強になります。


というわけで、単に過ごしているだけでも勉強になるSpring Bですが、実際の勉強内容も、私にとってはとてもためになっています。その内容詳細は、明日以降、毎日、ないしは、2日に1回くらいのペースで、小出しに上げるようにしてみたいと思います。今までは、週に1回程度、まとめて投稿するスタイルでやってきたのですが、特に今学期は日々面白い発見があり、少しずつ書き溜めているのになかなかあげられない。どんどんたまるうちにまた新しい発見が増える、という悪循環に陥っていたため、打破したいと思っています。「20日近くサボっていたのにできるのか」、という不安もあり、果たしてこの方針転換がうまく行くかわかりませんが、あと1ヶ月しかない1年目の学生生活、頑張ってみようと思います。
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by golden_bear | 2009-04-10 21:57 | 学業


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