A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
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"Whose Cloud is it anyway"(クラウドコンピューティング円卓会議)

Bay Areaに来て半年が経ちますが、その後半の直近3ヶ月の間に急速に耳にする機会の増えた単語の1つに、"Cloud Computing(クラウド・コンピューティング)"があります。本日は、このCloud Computingを現在最も推進している企業のトップが一同に介して意見・主張を交わす"Whose Cloud is it anyway"というイベントがあり、満を持して参加してきました。

先にクラウド・コンピューティングとは何か、について私なりの解釈をしてみると、要するに「今パソコンや携帯電話に入っているアプリ(ソフトウェア)のうち、ウェブブラウザ(例:インターネットエクスプローラー)以外は、全部ネットの向こう側(=クラウド)が持って行っちゃうよ」ということだと思います。少々補足すると、例えば今人々がインターネットを使っている際には、ネットの向こう側には基本的にはデータだけ預かってもらい、そのデータ(例えばこのブログ)を読み書きするには、基本的には先にパソコンや携帯に入っているソフトウェア(ワードとか画像取り込みソフトとか)を使って、アップロードしたりダウンロードしたりしています。ところが、クラウドの世界になると、このワードとか画像取り込みソフトにあたるものが、全部インターネットの中で提供されるので、「ブラウザ付きXXX」(XXXには、何を入れてもいいです。テレビ、車、洋服、etc)、があれば、それが今のパソコンや携帯と同じことが出来てしまう、そんな世界になるのかもしれません。

無理やり生活の例に置き換えたのでわかりづらくなりましたが、ブラウザさえあれば、ワードはもちろん、ウィンドウズのようなOSすら要らなくなってしまう、ということは、今のマイクロソフトはIEとゲーム機以外(!?)不要になってしまうのです。

このクラウドの恩恵を今のところ一番受けそうなのが、企業法人になります。何しろ、大企業ともなると、数百社の顧客や業者、数万人の社員、数百万点にも上る部品や製品の在庫・物流を管理するために、日本の例ではIBMやNEC、富士通、日立のようなシステムインテグレーターに、全社費用の数%~数十%にあたるお金を支払い続けて、システムを作ってもらっていました。何でこんなに高いお金を払っているかというと、今の企業のシステムは、その企業がやりたいこと(要件定義)に応じて「ソフトウェア(及びデータを格納するハードウェアとそれを動かすミドルウェア)」を、各個別企業向けに設計・構築するためのシステムエンジニアが膨大に必要で、その人件費が高かったからです。さらに言うと、「そのコストを下げてより良いシステムを作りますよ」という名目で、IBMやアクセンチュアに代表されるシステムコンサルティングという業種、及びSAPやオラクルという汎用パッケージソフトウェアの業種が繁栄していました(これらも本質的には人件費です)。

ところが、クラウドの世界になると、ソフトウェアが無くなってしまうわけですから、ここに挙げたマイクロソフト、IBM、NEC、富士通、日立、アクセンチュア、SAP、オラクル、といった企業のシステム構築の職業は、全部無くなってしまいます。「本当にそんなこと起こるの?」と訝しがる人もいるかもしれませんが、例えば皆様に身近なGoogleもGoogle Enterpriseで、順調に顧客を増やしているようです。そして、この企業向けクラウドで一番成功しているのが、Salesforce.com。9年前に「Amazon.comを見て、これが企業に適用できれば凄い」と考えて企業したマーク・ベニロフ氏は、CRM(顧客管理)のシステムに特化して、上述のIBMやオラクルなどのシステムを次々に自社のクラウド型製品に置き換えて、ついにSalesforceが年間収益$1Bを突破という状態にまでなっています。

実は、私がHaasに入学した半年前には、Salesforce.comは「"SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス:ソフトウェアはサービス(無料)で提供されますよ)"、"PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス:Webの向こうにシステムを作るための場は、サービスで提供されますよ)"の会社です」と言っており、クラウドという言葉は使っていませんでした。一方、その頃様々な企業が各々自社の定義で「クラウド」という言葉を濫用していたのですが、3ヶ月ほど前についに、マーク・ベニロフ自身が「クラウド」という言葉を前面に押し出して世の中に語りかけるようになって以来、急激にクラウドという言葉に売上実績が付いて、重みを増してきた感じを受けています。

非常に前振りが長くなりましたが、本日参加した会議の何が凄かったか、というと、マーク・ベニロフ氏御本人はじめ、今このクラウドの世界を推進するトップ10社のクラウド関係の最高責任者が、勢ぞろいしたからです。その方々は、下記になります。

・ Marc Benioff, CEO, Salesforce.com
・ Vic Gundotra, VP Engineering, Google
・ Amitabh Srivastava, Corporate VP, Windows Azure (注:マイクロソフトもクラウドには当然参入していて、Azureはそのブランドです)
・ Lew Tucker, CTO, Cloud Computing, Sun Microsystems (注:"Cloud Computing"にCTO(最高技術責任者)が付いた、初めての方)
・ Scott Dietzen, SVP Communications Products, Yahoo
・ Paul Buchheit, Co-founder, FriendFeed; creator of Gmail (注:Gmailは、世界初めてのクラウド製品、と呼ばれている)
・ Werner Vogels, CTO Amazon (注:アマゾンはSalesforce.comが手本にした会社であることからも当然技術力が高く、"Amazon Web Services"というブランドでクラウド製品を外販している)
・ Mike Schroepfer, VP of Engineering, Facebook (注:今や世界最大のSNSサイト。MySpace(日本のMixiに相当)がいるにも関わらず、追いつけ追い越せで上回ったのは、このクラウドの技術に長けていたこと(でユーザーの利便性と利用可能性を拡げた)も大きな要因と言われている)
・ Gina Bianchini, CEO, Ning (注:上記FacebookやMySpace、MixiのようなSNSサイトを、自分で無料で作れるサイト)
・ John Engates, CTO, Rackspace (注:ウェブホスティング(顧客のWebサイトを管理・運営する)企業。2008年にAmazon Web Servicesの競合クラウドサービスに参入)

内容自体は、今後色々なところで挙がって来ると思うので書きませんが、何しろベンチャー成功者達が織り成すの雰囲気に圧倒されました。
・ 10人全員が先見者であるため、一つ一つの発言に、自分がクラウドに何をどれだけ賭けているのか、という想いが乗っかり、その発想の凄さと重みを再確認した(発言内容自体は、ホームページの"社長挨拶"や"会社理念"みたいなものに沿っている)
・ 従って、10人全員の考え方一つ一つに納得感があるが、そのどれもが多少違う視点から語られているため、あまり討論にならず、言いっぱなしで終わる事が多い
・ 限られた時間で伝えたい情報があまりにも多いので、全員超早口。だが、とてもわかり安い(気持ちがこもってアクセントが良く付いているからか、元から興味があって多少調べたりしていたためか、、、)

また、実はこの10名の討論の前座で、クラウドコンピューティングの世界だからこそ生まれてきた、ベンチャー企業5社が、大企業の重役やベンチャーキャピタルに対してビジネスモデルを語るイベントがありました。「クラウドは第2のドットコム・バブルで、今後ベンチャーが多数出てくることを期待している」、と言う趣旨で始まったこのセッションでしたが、
・ データセンターを常にオンラインにすると電力を食いすぎるので、使わないときには極力Offにする事で電気代を1/30にする技術
・ クラウドの中にブラウザまで移して、ブラウザとサーバー両方を軽くする技術
など、確かに今後クラウドの世界で需要が高まる技術を持ったベンチャーが既に生まれているようで、活気を感じました。

こうして、前座と本番が終わった後は、立食パーティーがありました。残念ながら上記の特別ゲスト達はパーティーに来なかったので、10名ほど参加していたHaasの同級生と早速意見交換。「結局クラウドで勝つのはどの企業?」といった話を議論し、これに白熱していたら、あっという間に時間切れになりました。議論の中で面白かったのは、上記10社が激しく戦えば戦うほど、その裏で大きく伸びそうな企業が、浮かび上がってきたこと(どこかは秘密にしておきます)。こういう議論ができると、同じ興味を持った友人が集まるビジネススクールのの良い点を実感できます。

Mountain ViewにあるMicrosoftの会議室で行われたこの会議から、帰り際に外に出ると、目の前に「Computer History Museum」の建物がありました。
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この会議の前にここに立ち寄った友人によると、マッキントッシュ1号機の試作機や、グーグルの初代サーバーなど、まさにコンピューターの博物館に相応しい骨董品の数々が展示されており、感激したそうです。また、直ぐ近くにGoogleの本社もあり、観光コースとしても面白いところだと思いました。

というわけで、世の中何処もかしこも世界的な大不況なのですが、だからこそ、その次の世界で生きてくる可能性のある最先端の概念・技術の世界は、大変に盛り上がっておりました。クラウドがもし本当に「破壊的なイノベーション」で、いろんなもの・概念を破壊するのであれば、私も卒業後には破壊して再構築する立場の仕事につきたいな、と心から思えた、良いイベントでした。

[参考記事]
“クラウドは第2のドットコムだ” (TCクラウドコンピューティング会議のビデオ・ハイライト)
ライブ配信:TechCrunch主催クラウドコンピューティングに関する座談会
クラウドコンピューティング円卓会議–満席だけど実況中継ストリーミングあり
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by golden_bear | 2009-02-28 16:44 | 学校以外のイベント

いつの間にか巻き込まれたプロジェクト/イベントの棚卸し

今まで最低週1ペースで更新してきたこのブログですが、ここ3週間ほど全く更新できない忙しい状況に陥ってしまいました。というのは、前回紹介した週6コマの履修、しかも得意科目を切って苦手かつ大変な科目を敢えて選んだこと、がかなり無謀だったことが判明したのに加え、いつの間にか巻き込まれたプロジェクト/イベントにも忙殺されていたからです。というわけで、イベント紹介を兼ねて、記載してみます。

(1)Berkeley Energy Symposium
2月23日(月)に開催される、今年で3回目となるシンポジウムです。技術・ビジネス・行政・司法・金融システム・国際関係など、多領域にまたがる第一人者達が一同に介すという、世界的にも環境への取り組みが進んでいる地域である(注1)カリフォルニア州の州立総合大学だからこそ実現できる大イベントだと思います。これに関しては、私自身が主催者やボランティアをやるわけではないですが、現在取っている授業の関係で幾つかの講演とパネルディスカッションを聞くことになっています。


(2) Berkeley MBA Asian Business Conference
俗にABCと呼ばれるアジアビジネス会議で、2月28日(土)に行われます。これは日本人同期が1人主催者をやっていたので、自分は関与していなかったのですが、ある日「日本人のパネリストを探してくれ」と頼まれることに。前職時代のネットワークを通じて探し当てた方に連絡を取り、その方と主催者の間で板ばさみになりながら調整をしているうちに、いつの間にか会議自体の一部手伝いをすることになってしまいました。まあ、アジアビジネス自体は私が今後30年考えて行かざるを得ないテーマですし、このパネル自体も面白いので、楽しんで準備を進めたいと思っています。

(3) UC Berkeley Business Plan Competition
これは今やUC Berkeleyを代表する看板イベントで、起業アイデアをベンチャーキャピタルやエンジェルら投資家に発表し、1等$25,000、2等$10,000、3等$5,000などの起業資金を得るコンテストです。参加資格はBerkeleyの学生でなくても良く、地域の起業家も資金獲得の為に多数参戦しております。このコンテストから、1999-2006の7年間に計20もの企業がベンチャーキャピタルから追加投資を受けており、その総額は$166M(約154億円)にのぼるようです。

MBA生がこれに関わるには、大まかに下記3通りがあります。
1. 自分で起業アイデアを出して、コンペに参加する
2. 主催者として運営に関わりながら、起業家や投資家とのネットワークを深める
3. 主催者が毎週毎週何か開いているイベント(例:過去の勝者達のパネルディスカッション、ビジネスプラン作成講習会、チームメンバー探しのための飲み会、など)を聴講する

私は、今までもっぱら3番目で面白そうなイベントを聞きかじりながら、人工衛星を使ったアイデアを工学部のPh.Dの方と詰めたりしていたのですが、途中でアイデアの実現性があまりに遠いことに気付き挫折し、以後は外から眺めていました。しかし、この時期になると、セミ・ファイナリストから追加メンバー募集の連絡が流れ始めます。

最初に、ある知り合いの方から追加募集の連絡を受けて、その発明品(!)に非常に興味があったので、「何か必要であれば手伝います」と連絡したところ、「できれば英語ネイティブの方が欲しいので待ってください」との返事でした。これを待っていた所、また別の友人から誘いあり。内容は守秘義務もあり明かせませんが、どうもコンテストを勝ちきる/ビジネスとして成功させるにはインパクトが弱いかな、と思っています。しかし、「どうしてもお前の専門知識がこのプロジェクトに必要なんだ」と説得攻勢に会い、確かに自分の知識があればこのビジネス自体の方向性を良い方向に変えられる可能性が大きいな、と考えて、結局引き受けることになりました。3月10日のアイデア締め切り、17日のプレゼンまで、眠れない日々が続きそうです。

(4)Haas Japan Trek 2009
3月21日-28日まで、日本に興味のあるMBA生に対して、日本のビジネス、歴史、文化慣習をより判ってもらうために、引率することになっています。このイベントは、現在の1年生全員が幹事になって、計画から訪問先・スポンサーへの交渉、参加者オプションのカスタマイズ、旅程手配に引率まで、全て手作りで進めています。

私自身は、赤字を出すと自分の家計に跳ね返ってくることから、何とか採算を取るべく、当初はコスト低減とスポンサー獲得(及びウェブ更新)の担当でした。また、私費学生で就職活動もあることから、他の日本人に比べて負荷もそれほど多いわけではありませんでした。そして、12月頭時点で呼びかけをしたところ、約50名の学生参加、及び、金融・コンサル関係が全社撤退する中でも、何とか数社のスポンサーを確保することができて、やれる感触を得ていました。

ところが、12月後半から年明けにかけて、金融危機が実体経済を襲い、また円高圧力が加わると、状況が一変してきます。就職活動あるいは資金流動性に問題を抱えキャンセルする学生が続出し、現時点で3割もの学生がキャンセルしています。日本のGDPが12%下がったのも問題ですが、我々の参加者も3割減少では相当痛手です。他のMBAスクールで、単位が出たり、必修にしていたりする所はここまで酷くないと思いますが、Haasでは参加者は単位関係なし自腹で自由参加、という形になっているため、歯止めをかける手立ては限られています。そこで、以後「これ以上の参加者減少を抑えるための、旅の満足度向上」、「より一層のスポンサー獲得」の為に奔走することになりました。

前者の満足度向上に関しては、相撲観戦などの楽しみのオプションを増やす他、企業訪問希望のアンケートを取り、その結果を元に、数々の企業の訪問可能性を当たっています。しかし、例年に無く各社人員整理が続くような昨今、MBA生に対応するリソースを割いてくれる日本企業は思いのほか少なく、必死の調整が続いています。また、後者に関しても、スポンサーのベネフィットを増やす画策を様々練っているうちに、この不況下では考えられない高額スポンサーを獲得できたのですが、今度はスポンサーの要求を満たすために奔走せざるを得ない状況になっています。この両者において、前職でコンサルティングをしていて、元同僚や上司が様々な業界にいる私は、どうしても色々動けてしまうため、就職活動云々関係なく声をかけまくってしまう状態に陥ってしまいます。まあ、私にとっても知らない方にコンタクトを取るいい機会なので、前向きに楽しんでやっていますが。

というわけで、まだまだどのような形に落ち着くか判らないJapan Trekですが、この大不況の中、身銭を切って日本に来てくれる学生のためには、何とか日本をより広く深く味あわせてあげたい、と、心から思う次第です。

(5)Japan Graduates & Researchers Society at Berkeley
最後に、このプロジェクトだけは、巻き込まれた、というよりは、自分から立ち上げている活動となります。もともとBerkeleyに来る際には、アジアやシリコンバレーのコミュニティーにどっぷり浸かろう、と思っていたのですが、来てみて判ったのは、アジアやシリコンバレー云々言う前に、足元の日本人コミュニティーがあまりにも御粗末だ、ということでした。特に、他の有名大学では普通に存在している「日本人会」や「日本人研究者会」が、UC Berkeleyには学部生向けのもの(Cal Japan Club)しかなく、せっかく全36学部中35学部が全米Top10に入るUC Berkeleyに、計数十~百人存在するはずの日本人研究者に知り合う機会があまりにも無く、非常にもったいない、と感じていました。このような疑問を持った大学院生は、工学部や理学部などにも存在し、今まで彼らと草の根で日本人を探し当てて、隔月程度に飲み会を開催したりした結果、毎回毎回これでもか、というくらい面白い方々が発掘できて、しかも「今まで日本人に会えず寂しい思いをしていた」と感謝されました。そこで、もっと発掘するために、組織化してしまおうということで、年明けから有志4名で立ち上げる準備を進めています。

大学に団体を登録するには、設立定義書(Constitution)を作成したり、幹事候補全員が20問程度の選択式のテストを受けなければならず、昨日ようやく全員パスしました。これにてめでたく、Webスペースが貰えるなどの特典を受けながら、4月中旬の立ち上げに向けて準備を進めていきます。


このように、上記(1)を除く4つのイベントに加えて、前述の通りの授業内の4プロジェクト(IBD、MOT、Technology/Innovation/Leadership、M&A)、さらに「御手伝い」と「就職活動」の計10プロジェクトも同時に抱えていることになります。「人が抱えるプロジェクト数は2つが理想で、3つ以上抱えると個々の生産性が落ちる」とかいうIBMの有名な分析とか、前職のコンサルティングで「複数のプロジェクトと営業を抱える、パートナー見習いが一番つらい」とかの意味を、痛いほど実感する毎日です。ただし、この10個中、就職活動以外の9個に関しては、自分でやりたいから選び取ってやっており(注2)、その意味ではプレッシャーも程よくモチベーションも非常に高い、最高に贅沢な環境だと思っています。

一方、こういう状況になるとどうしても自分個人の時間を削るのが一番簡単なので、ブログの更新がとまるのはもちろん、個人課目のマクロ経済とファイナンシャルモデリングに関しては常に後回しになり、共に中間試験でありえない悲惨な点数を見る憂き目に会っています。そして、こんな状態ではさらにその犠牲になるのが家族なのですが、たまたまこの期間日本に帰っていた妻の帰国&誕生日に併せて、カリフォルニア料理発祥地のChez Panizzeに連れて行った事で、何とか許してもらえないか、と考える今日この頃です。

いずれにしても、昨年秋学期の「何でも目から耳から吸収して知識を蓄えるお勉強」モードから、今学期は「自分から動いてアウトプットを出すことで経験を得る」モードに変質しており、自分に取ってはより充実した楽しい日々になっています。

(注1) 行政及び企業の取り組みの意味。もちろん車の使いすぎ、物の消費し過ぎに代表されるアメリカ人生活は、カリフォルニアでも健在。
(注2) 私の場合は、秋学期は必修=基礎&やらされ感ということで、ほどほどにやっていたが、春学期は楽な教科を捨てて自分に必要な教科を自分で選んだ分、逃げ場が無く数倍忙しく感じている。一方、一般的なMBA生は、入学直後の1年生の秋学期が一番大変で、年明けの春学期は就活も踏まえて自由時間を多く取れるように楽になることが普通
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by golden_bear | 2009-02-22 18:49 | 学校のイベント

春学期前半(Spring A) 履修課目決定

先週月曜日はザンビア行きの決定に驚きましたが、今週月曜にも幸運な決定がありました。絶対取れないだろう、と思っていた少人数の選択科目に、履修決定締切日に上手く潜り込む事ができたのです。以下、その話も含めて、今学期の履修課目を紹介します。

今学期(Spring A:~3月13日)は、下記6(+1)コマの授業に出ています。

(0) Washington Campus (1単位:1/26のチームレポート提出で修了済)
(1) Macroeconomics (必修2単位: Spring Aで終了)
(2) International Business Deveropment (3単位: 9月末まで)
(3) Financial Statement Modeling for Finance Careers (1単位:Spring Aで終了)
(4) Merger and Acquisition Practical Primer (2単位:4月上旬で終了)
(5) Intro to MOT (3単位:Spring A&B通し)
(6) Technology, Innovation and Leadership (2単位:Spring A&B通し)

結果的に、(0)~(2)はアメリカ及びグローバルの社会経済システム、(3)~(4)はファイナンス、(5)~(6)は技術経営(MOT: Management of Technology)という、私が元からMBAで重点的に学びたかった内容3つを、バランスよく取ったことになります。

次に個別の授業に関する、今までの印象です。((0)は1月上旬に連載で、(2)は前回のエントリーに書いているので、割愛します。)


(1) Macroeconomics (必修2単位: Spring Aで終了)

そのものズバリ、マクロ経済学です。前職でグローバルの仕事が増えるたびに、また、金融危機系の講演を聴くたびに、マクロ経済学の観点は是非身につけたい、と思っていました。また、最初に受けたミクロ経済学が、ビジネスパーソンにとってまさに必要な内容に絞って上手くまとまっていたことから、このマクロ経済学に対する期待は高く、3ヶ月も前にタイから教科書を取り寄せるほどでした(注1)。

ふたを開けてみると、今のところはやたら気合の入ったおじいちゃんが、講義形式で懇切丁寧にマクロ経済学を教えている、あまりビジネススクールっぽくないです。また、この時期インターンシップのインタビューが多いことも考慮してか、出席も取らずに授業の出入りも自由、という形であることも、旧来の大学の授業に近い形です。(実際に、毎日スーツを着た数人が、授業中に出入りしています)

私にとっては、教科書で復習できるのは初学者としては嬉しい限りですが、判りにくい&物足りない、という感想です(こういう感想になる、ということは、つまり、まだよくわかってない状態)。今は辛抱して式に慣れて、後半にどういう議論に展開されていくのかを、期待しています。


(3) Financial Statement Modeling for Finance Careers (1単位:Spring Aで終了)

財務諸表からどのようにエクセルのモデルを作っていくかの授業。「こんなの自分でやるか、仕事で自然に覚えるだろうに」と思って取ってみると、人気がある理由が分かりました。

単にモデルを作れば良いのではなく、財務諸表の各項目の作られ方やその成り立ちと理由、怪しいと思われるデータの見抜き方など、痒い所の質問を、超早口で矢継ぎ早に生徒に質問しまくります。もしこれに完璧に答えようと思うと、財務諸表各項目の細かい関連性や、何故そうなっているのかのビジネス上の理由などを、恐らく「投資銀行又は会計ファームで実務に耐える程度のレベル」で身につけていることが必要で、私にとっては半分以上即答できないものばかり。

1時間半ほどその質疑応答の後、30分でエクセルのモデルを2人1組で作り上げ、さらに毎週1個宿題。緊張感のある質疑応答に晒されながら、適度な課題量で実践的な技術を身につける良い授業と思います。


(4) Merger and Acquisition Practical Primer (2単位:4月上旬で終了)
Peter D. Goodsonという、プライベート・エクイティ界の凄腕投資家が教授で、彼の豊富な実績と経験を元にM&Aダイナミクスの本質を議論する、これまた人気授業です。

まず、外部の大物実業家に対して失礼がないようにするためなのか、毎回事前に凄い量の準備を課せられます。何しろ、冬休み中から40ページ近くあるシラバス(注2)と1月末までの膨大な課題が送られてきて、この授業のある木曜朝8時に向けて、毎週水曜夜から猛勉強したうえで、週末が課題に潰れる感じです。

次に、そこまで準備してるにも関わらず、授業中に話されている内容が示唆に富みすぎていて、私にはついていくのが大変です。基本的な内容は、質問したらバッサリ一言で即答されて次に進んでしまいます。また、半分くらいの生徒にファイナンスのバックグラウンドがありそうで、彼らがどんな議論をしているのか勉強しながら、自分がどうやって議論に入れるのか、毎回頭を悩ませます。さらに、Practical Primerと書いてありながら、全10回の授業のうち4回に課される大きな課題のうち定量的な分析は1回目で終了。残り3回は、より政治的な、というか社長対パートナーレベルで語られる話題ばかりになりそうです。とても面白そうではあるものの、これらの課題の要求レベルが非常に高そうです。

このような上級者向けの授業は、本当は2年生で取るべきなんでしょうが、M&Aはファイナンスに興味を持ったきっかけでもあり、是非ここで頑張ってくらいついていきたいと思います。それにしても、ファイナンスの教授は早口&恫喝系の人が多いなあ、、、


(5) Intro to MOT (3単位:Spring A&B通し)
これは、バークレーの工学系大学院生とMBA生とが半々で受講する、"MOT(Management of Technology)"系の授業の中でも、まず1年生が最初に取るべき、と推薦されている、まさにイントロに相当する授業です。担当教授名のところに、"Henry Chesbrough"と書かれてあり、「これは"Open Innovation"の著者かつ研究の第一人者に直接学べる授業ではないか」と期待して行ったところ、残念ながらChesbrough氏は表には出てこずに、Ciscoに所属する講師が毎回教鞭を取っています。

授業の内容は、毎回100年前から最新までの様々なイノベーションのケースを、Technology, Process, Businessの3つの観点をベースに、様々な角度から何が優れていたのか紐解いていく、というもの。今のところは、本当に「浅く広く俯瞰」という言葉が似合い、一通りイノベーションを語る時に出てくる様々な概念が、次々に短時間に議論されながら紹介します。「実は知らなかった概念一覧表」みたいなものが自分の中に出来上がるイメージです。もし、その中の何かについて深く知りたいと思ったら自分で調べるしかない、という意味で、まさにIntro to MOTそのものの授業だと思います。

今回楽しみなのは、チームプロジェクトで、どこか1社のイノベーション事例を深く掘り下げて発表する機会があることです。たまたま私のチームは、MBA側からは、元ハッカーで起業してCIAに協力していた友人と私の2人、そして残る3人は機械工学/電子工学のPh.D3年生。かなり強力なメンバーと組めたことで、どんなプロジェクトになるのか、今からワクワクしています。


(6) Technology, Innovation and Leadership (2単位:Spring A&B通し)
そして、冒頭にも書いた「絶対取れないだろうと思っていた少人数のクラス」がこれです。以前紹介したbetter place社(MIT Sloan遊学記さんが詳しくまとめています)の経営幹部が、毎回入れ替わり立ち代りでバークレーで授業をし、6つのチームに分かれて、まさにこのベンチャー企業が今抱えている課題を解いていくプロジェクトの授業です。

実は、最初に取ろうとした時には、毎年どこかの企業をやっているが、MBA14名&工学部17名の31名の枠はとっくに満員で埋まっていたし、2年生になってからで良いや、と思っていました。ところが、1週間前に来る企業がBetter Placeだったと知り、「この企業だったら今年一緒にやらないと、来年は無いor面白くないな」と思いました。友人からは、既に6チーム編成が決まっているので、難しいんじゃないかといわれていましたが、何とか潜り込めないか、教授、工学部とMBA双方のプログラムオフィスに色々相談していました。すると、締め切り日の月曜日に、「たまたま辞退者が出たから、貴方を入れてあげるよ」とプログラムオフィスから連絡があり、無事に入れることになりました。

早速授業を取っている友人と話すと、1回目はCOOがbetter placeの業務全体像について語り、2回目は投資しているベンチャーキャピタルが、投資先としてのbetter placeの魅力と期待することを語ったそうです。また、6チームとは、電池、自動車、通信、インフラ構築、エネルギー再生技術構築、需要掘り起こしの6つ。このどれか1つのテーマ(2つ取る人もいる?)を、これまた工学部生とMBA生がチームになり、どうすべきか担当者と議論しながら、提案に持っていくそうです。「MBA生はともかく、工学部側は凄い専門家が多い」とのこと。明日から自分がどこのプロジェクトに入り、どんなアウトプットを出していくのか、とても楽しみです。



ちなみに、2月2日の履修日締め切りになると、今まで満員で取れなかった授業にも、ぽろぽろ空きが出てきています(特に、(4)M&Aなどキビシそうな授業など)。従って、最後まで諦めないでよく見れば、大抵の授業を選択できるのかもしれません。

こうして、先週のIBDザンビア決定→履修決定に始まったこの科目選択がようやく終わり、この先3-4ヶ月、何を勉強するかの計画が立ちました(ゴルフ教室以外)。既に大変慌しくなっており、個人学習系が2本と、チームワークが4本、平均毎週1つ=平均週6つの課題をこなしていくのは大変ですが、あとは、どれだけ効率よく歩留り良くこなせるか、頑張っていこうと思います。


(追記)
履修しようとしたが結局取らない/取れないことになった4科目について、備忘録的に記入しておきます。

(7) Operation (必修2単位:Spring Aで終了)

マッキンゼー出身の若手講師による、"不確実な需要に対してどのように一番うまく供給するか"というテーマに則った、オペレーション全般の管理・改善の関する講義。2年生の皆の評判も良く、必修の人気授業だったのですが、ウェーバー試験を受けて合格し、取らないことにしました。

元々私自身前職ではオペレーションのエキスパートだったこともあり、この授業ではリーダーシップを発揮しながら議論を深めていく予定でしたし、実際出願の際のエッセイにもそう書きました。が、秋学期の反省から、「自分が詳しい内容は、授業で聞きなおしても面白くない」ことに気付き、次第に取ろうかどうか迷うようになりました。シラバスを見ると、「需要と供給のマッチング」という永遠の課題、かつ、それほど自分が強くない分野が講義の中心だったので、一層取りたいと心が動きました。ただ、一応教科書を図書館で借りて、3-4時間眺めると、やはりその3-4時間で知りたいことを学びきったような感じがして(大変勉強になった)、ウェーバー試験を受けることにしました。

試験は、今学期はマクロ経済学かオペレーションかを選べたのですが、20人以上受けに来た中で、オペレーションを受けたのは私1人だった模様。本年度のオペレーションに関しては、教科書持ち込み可何見ても良い、という試験だったので、私の元からの知識で6割くらい、教科書の知識で3割くらい、の9割くらいは自信持って解けたと思います。

こうして学年で唯一オペレーションを取らなくてすんだので、その分の2単位を他の選択授業に回すことができて、上記(1)-(6)のいい感じで履修課目を設計できました。また、もし社費で来ていたら絶対オペレーション取っていただろうな、と思うことから、Haasに自費で来ることで、自分の考え方が相当変わったな、と実感できました。


(8) Behavioral Finance (2単位:Spring Aで終了)

日本語だと「行動ファイナンス」と訳すのでしょうか。とにかく、「金が絡むと人間の心・行動って、こんなに変わってしまうんだ」、といわんばかりに、過去数百年前から昨年末のBernard Madoff氏の巨額詐欺事件に至るまで、金が絡んだ事件や事象からの教訓を勉強できます。また、たまにクラスの中で、実際に小銭を賭けてオークションをするなどの簡単な実験をやったり、教授も教え方が上手いと評判の方(アメリカンジョークを連発)。3回目まで受けてみて、仕事の役に直接立つわけではないが、人の心の動きが判る、とても面白い授業でした。また、全米屈指の実力と言われる、MFE(金融工学)専攻の方と一緒に授業が受けれるのも、面白そうです。

ところが、(6)Technology, Innovation and Leadershipが取れたことで、時間が被った&取得単位制限(下記参照)に引っかかったことから、落とすことにしました。来年にでももう一度受ける機会を探りたいと思います。


(9) Private Equity (1単位:Spring Aで終了)

これは、週末2日間朝9時~5時までで、Private Equityとは何かを集中的に学び、1単位もらえる、というコストパフォーマンスの高い授業でした。

ところが、Spring AとB併せて、通常16単位しか取れないルールがあり、それ以上とりたい場合は申請する必要があり。「週末だから17単位目も認めてくれるかなあ」と思っていたのですが、先に16単位未満の人のみで席が全部埋まってしまい、除外されてしまいました。

従って、学びとしては、先に人気のある授業で14-6単位分埋めてしまい、後から人気がなさそうな授業に対して、「どうしても取りたいです」と申請したほうが良い、ということのようです。


(10) Entrepreneurship (3単位:Spring A+B)
これは、受験の時のエッセイにも書いた、Haasの名物授業の1つで、工学部の人と一緒に実質3ヶ月でベンチャーを立ち上げるためのビジネスモデルを書ききって、ベンチャーキャピタルにプレゼンする、というもの。Haasから年間10~20人起業している人のうちの、何人かはこの授業でアイデアを詰めた上で立ち上げているらしく、高いクオリティのアウトプットを要求されること、また、実際のベンチャー&ベンチャーキャピタルの人もたくさん来ると聞いていたので、楽しみにしていました。

ところが、(2)IBDに合格していたため、最初のビットの時に選択できる単位数が減ってしまい、Intro to MOTとの2者択一を迫られて断念。また、あとから1-2名潜り込む余地があったのですが、(4)M&A Practical Primerと授業時間が被ったこともあり、断念しました。まあ、起業は今すぐにやりたいわけではないので、来年取り直しても良いかなと思っています。


(注1) 教科書はBooksPriceという逆オークションサイトで、"$XX以下の本が販売されたらメールをくれ"と登録しておくと、本当にその金額以下の本を送ってくれます。ちなみに、今回は、生協で買うと$200以上の教科書を、新品で送料込み$64で手に入れました。

(注2) シラバスとは、各回の講義内容、教員連絡方法、評価方法など、受講に関して必要な情報をすべて盛り込んだ、講義の定義書。これを元に、教授が学生を、学生が教授をそれぞれ評価する重要書類だが、通常は4-8ページ程度で、40ページは異例。
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by golden_bear | 2009-02-03 17:32 | 学業


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