A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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カテゴリ:インターン( 3 )

西海岸Tech系大企業でのインターンの様子を見て

あるシリコンバレーの大企業による、インターン生向けの広報イベントに、参加してきました。このイベントの目的は、元々この企業で今インターンをしている学生のために、自分の所属部門以外で何が起こっているのかを各部門が紹介するイベントなのですが、その友人を連れてきても良い。というわけで、同学年でここでインターンしている友人に招待されて、行ってきました。2時間ほど色々な方と話した印象だけですが、それでも今働いているスタートアップとの違いに大変驚いています。

何が一番違うかというと、その人とライフスタイル。同級生のコメントを借りると、
「朝は大体9:30ごろ出社し、昼には1時間のランチをしっかり取る。そして、3時ごろコーヒーブレイクがあり、5:30頃にはみんないなくなる」
「前職で東海岸で金融の仕事をしていたけれど、似たような大学を出ていてこんなにのんびりクリエイティブな仕事をしている人たちがいたとは、全然想像つかなかった」
というわけで、会う人会う人皆さん楽しそうに生き生きしている。もちろん、この定義による全ての大企業がこれに当てはまるわけではないでしょうが、同じ西海岸の中でも「楽しそうに生き生き」の定義が、あくせく働くスタートアップとはまたちょっと異なるわけです。

ちなみに、「西海岸のTech系大企業」を、定義する方法は色々ありそうですが、今回はMBAにいると目に付く、という意味で、「MBA生向けインターンの専門部署や担当者がいるTech系企業」と定義してみます。部署があることで、下記のような特長が出てきます。
 ・ 秋ごろから、キャンパスイベントを大々的に行う
 ・ 翌年1月になると、真っ先にインタビューを行い、優秀な生徒を早めに囲い込む
 ・ 毎年複数名の在校生がインターンに参加する
 ・ インターンはとても組織立っていて、トレーニングや毎週の社員との交流会は勿論、ハイキングなどのイベントまで用意されているものもある

具体名をあげると、
- Cisco,HP,Apple,nVidiaといったハードウェアデバイスに強みのある企業
- Intel,AMD,Qualcommといった半導体開発が母体の企業
- Microsoft, Adobe, Symantecといったソフトウェアに強みがある企業
- Google,Yahoo,Amazon,eBayといった、Internet上のBtoCビジネス
- Amgen,Genentechなど、バイオ・創薬ベンチャー大手
- Oracle,Salesforce.com,NetApp,VMWareなどBtoBネットワーク系ビジネス
などが、当てはまります。このように並べてみると、壮観です。全ての企業からも「グローバルでダントツに強い商品」が最低1つは想像がつきます。従業員数で見ると、一部ハード系で数万人いるところを除けば、大体3千人~1万5千人程度となるのですが、これはその「ダントツに強い商品」が1つあるごとに、3~5千人くらいを食べさせていける、それを複数持つと1万人を超えるようになる、といった感じがしています。

「たった1商品で数千人も食べさせられるとは凄い商品だ!」、と見ることも出来ますが、逆に「こんなにも凄い商品から生み出される巨万の富を、たった数千人で分け合っているのか!」と見ることも出来るわけです。確かに、一度素晴らしい商品や特許・プラットフォームを開発しきってしまえば、あとは特にMBA生の仕事としては、如何に顧客満足度とブランドを高めるか、競合に真似されないか、より低コスト・高品質を追求するか、などと目的が明確になります。これらの目標達成には、「死ぬほど長時間働く」ことはほとんど無意味で、むしろ情報収集・分析・問題解決といった、「待ち時間を沢山作ってその間にじっくり頭を使う」ことの方が求められます。従って、必要十分な数の従業員が、全く残業することなく、全員楽しくクリエイティブに目標をこなしていく、といった印象を、2時間のイベントから受けています。

「空前の大不況」、「失業率10%越え」、などと叫ばれていても、レイオフすべきところはきちんと実行して数十%の営業利益を出し、「ライフスタイルの良い企業」世界ランキングトップに名を連ね続けているのが、西海岸Tech系大企業の凄いところです。一方、これらの企業に対抗せざるを得ない日本企業郡は、直接真似しようとして「ダントツな商品を生み出す」目標を抱え続けて、苦労しても中々生み出せず、グループに数十万人の雇用を抱えながらレイオフも出来ず、皆夜遅くまでサービス残業をして、やっとのことで数%の営業利益を出すも、最近は残業すらさせてすら貰えずに研究開発費も削られる、という、悪循環。これに陥った状態のままで、ワークライフバランスを良くする議論だけが盛んに行われているように見えてしまいます。日本人として生きている以上、自分達の生活を良くするために、このような西海岸企業が過去10~20年かけてどのようにこの「天国」を作り上げたか、あと9ヶ月半の学生生活でじっくり調べておきたいな、と心を新たにしています。
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by golden_bear | 2009-08-14 22:41 | インターン

クリーンテックベンチャーインターン備忘録(1)

気付いたら3週間のベンチャーでのインターンも半分が過ぎつつあります。本日、中間報告みたいな感じで、幹部3人の前で作成途上ではあったが財務モデルを発表しました。これを基に喧々諤々の議論が始まり、モデル自体は大幅に見直すことになったものの、「2週間後のビジネスパートナーとの交渉方針がより精緻になって良かった。引き続きよろしく」。ということで、無事に、残りのインターンも頑張れそうです。

無事に、と書いたのは、今日のCEOとの話の中で、契約していた財務アドバイザーをクビにした、と聞いたからです。経験豊富な彼によると、「たとえスタートアップでこちらに実績が無かろうと、最初から本当に必要で優秀な人のみとしか、付き合ってはいけない。意味のない人との時間は無駄である以上に、スタートアップでは会社の存続に関わり危険」とのことです。

そのほか感じたこと2つを下記に。
- クリーンテックは弁護士・会計士のチャンス?
 今回財務モデルを作ってみて、一番驚いたのは、「弁護士・会計士費用」がやたら高いこと。クリーンテックという言葉は今ブームになっているとはいえ、よくよく考えて見ると、上下水道の整備や電気・ガス、ごみ処理施設といった社会インフラの整備は、数百年前から続いている「クリーンテック」なのです。そして、これらは土地・環境といった既得権益が絡む世界ですので、少なくとも私のいるスタートアップでは、ちょっと技術実験をしようとするだけでも、何十通もの契約書にサインする必要がでてきます。これには地元の事情と複雑な法体系に精通した「専門家」が必要で、この費用がとても高い。というわけで、「グリーン・ニューディール」は、弁護士さん・会計士さんなどの専門職の方にとって大きなビジネスチャンスになるのでは、と感じています。

- 今サンフランシスコでは起業しやすい?

 今週からサンフランシスコ事務所に通勤しながら働くことになったのですが、驚いたのはその立地。ダウンタウンの中心にある駅の1つから徒歩2分のビル。東京の銀座線で例えると、銀座、京橋、日本橋を通る道沿いに、いきなり事務所を構えているイメージになります。
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「この辺にスタートアップの企業はめちゃめちゃ多いよ」と幹部の1人が言っていましたが、立ち上げ間もない資金繰りに奔走しているような段階のベンチャーが、いきなりこういう場所に拠点を持てるのは、下記のような理由でしょうか
  -- 昔からベンチャー企業を受け入れ易い土地柄
  -- 大企業が今は使わないような、何十年前の古いビルが、そのまま使える形で残されている
  -- 金融危機以来の不況による高空室率
  -- 以上の理由により、賃料が安い: 幹部の方々の交渉の成果でもありますが、このエリアの住居家賃の高さに比べると驚くほど安いです。

そう言われてみると、町を歩いていても中にほとんど何も入っていないようなガラガラの古いビルが良く目につきます。下の写真は今のオフィスの窓からの眺めですが、写真ではわかりませんがこんな感じのビルで外からわかる空室の多さに驚きます。
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ちなみに、シリコンバレー(サンマテオより南)でオフィスを構える場合は、南国風の建物の中に拠点を持つことが多いです。今、サンフランシスコはジャケットが無いと長袖を着てても寒い一方、シリコンバレーは30℃を余裕で超える感じで暑い。この気候と同様に、オフィスのイメージも全然違ってて、とても面白いです。下記は例として、シリコンバレーでベンチャーキャピタルがたくさん集まっている建物の写真です。
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by golden_bear | 2009-08-11 22:12 | インターン

クリーンテックベンチャーでのインターン開始


今週から無事、とあるクリーンテックベンチャー(注1)でインターンを開始しました。

無事、と書いたのは、実際にインターンができるかどうか、Bay Areaに戻るまでわからかなったためです。というのも、このインターンは、7月最終週の27日(月)に日本からスカイプで社長と面接を行い、その後会長兼ファウンダーの方の承認を経て31日(金)朝に内定を頂く、という、本当に直前に決まったものだからです(注2)。電話で話しただけなので、実際に会社の人と会って詳細を話してみるまで、なんともいえなかった、というのが1つ。

さらに、学校から許可が下りるかどうか不明だったこともあります。私のようなF1ビザの留学生が米国でインターンを行う場合は、学校に許可を申請し、CPT(Curricular Practical Training Internship)という、"0単位の授業"ということにしてもらう必要がありました。そこで、8/3(月)に申請しようとしたところ、こんなに遅い時期にCPTを申請しに来る学生は普通いないので、「既に窓口は閉まってるから、センター長の決済がいるんだけど、センター長は夏休みでしばらく来ないよ」などと言われてしまいました。これを受けて、いつも親切なHaasのプログラムオフィスが色々と根回し(?)してくれたお陰で、どうにかこうにか許可を頂きました。しかし、その過程においても、超多忙なCEOにカバーレターを書いてもらったり、その内容に注文がついて書き直してもらったり、と綱渡りで、本当に申請が出るまでドキドキものでした。

8/4(火)に初めてCEOや会長兼ファウンダーの方と実際に会って、午後丸4時間かけた実際の業務のミーティングに参加することで、御互いの雰囲気を知ることになりました。この企業、本社は他の州にあり、その州とカリフォルニアの2箇所で技術の実証実験を始め、丁度今週サンフランシスコに新しく事務所を立ち上げる所でした。したがって、この日に普段は別の拠点にいる人達も全員集結して、一度に御話できたのは凄く幸運でした。ちなみに、本当は立ち上がった事務所で行われるはずが、賃貸交渉が難航してまだ使えず、あるメンバーの家に集まってのミーティングだったのが、ベンチャーらしいです。そして、このミーティングの中で各メンバーに来週までの仕事が割り振られる中で、私の業務も自然に決まって行きました。

この、とあるクリーンテックベンチャー、がどんな企業かの詳細は伏せておきますが、私の業務内容について書いておきます。立場としてはCEOのかばん持ちみたいなものですが、MBA1年目で学んだことが直接生きる業務を2つ頂いています。1つは今ある2つの実験プロジェクトのうち片方について、ビジネスモデル及び財務諸表の将来シミュレーションを作成すること。この実験を共同で推進しているパートナーが、実験成功の暁には顧客として商品を買ってくれることになっているのですが、このような契約のためパートナーから様々な要求を突きつけられており、各要求に応じてビジネスモデルとして成り立つのかどうか、シミュレーションで確認することです。実際少しモデルを作ってみるだけでも、どうして皆「クリーンテックは国の補助が無きゃベンチャーとしてやって行けない」と言っているのか、とてもよく理解できています。もう1つは、マーケット及び競合分析。まだ世の中にあまり無いタイプの技術のため、適用できる新規及び既存の市場それぞれに、様々な可能性が考えられます。これら可能性がある市場を網羅的にまとめて、競合製品/代替品がある場合には、それに対する自社製品の強み・弱みは何かについても調べる、という内容です。

もちろん、スタートアップということで、当然これらに限らず不定期に発生する雑用をこなしていく必要があります。しかし、過去にスタートアップでインターンをして、「雑用で終わってしまい他に何もできなかった」という話を結構聞くことが多いので、私のケースはとても恵まれていると思います。これは、CEOがMBAホルダーである、ことが影響していると思います。

そして、8/5(水)より、実際の業務開始。朝7:30にCEOと電話をすると、彼が私に送るはずだったファイルの1つが準備できないまま丸1日外出しなければならず、そのファイル無しで仕事を進めて欲しい、と言われるいきなりのトラブル。私から「わからないところはまとめてメールで送っておきます」と伝えると、「そんなことでは駄目だ。わからなければ、私に何度でも電話をしてすぐ捕まえること。皆私の時間を戦争のように奪い合っているのだから、早くその輪に入ってきて欲しい」というフィードバックを早速受け、スタートアップにいることを実感しています。

今回このインターンはStanford MBAに留学するブログ著者Y.I.さんのネットワークで、Stanford GSBのAlumniの方を紹介して頂いたのですが、Y.I.さんには凄く良いCEOの方を紹介して頂いた事に感謝すると共に、Stanfordの人材・ネットワークの強さに改めて感服します。ちなみに、会長兼ファウンダーの方はUCバークレーの卒業生で、技術系のトップも同じくバークレー出身だったりするので、私がこんなごり押しで採用してもらえたのも、卒業生ネットワークが相当利いているような気がしています。

もしかしたら8月は何もなくなってしまうのではないか、と考えて、大量に本を買い込みながら(注3)帰米したのですが、こうして無事、技術に強みのあるBay Areaのスタートアップ企業の中で、今流行のクリーンテック業界とは如何なるものか、自分の手と足で実感できることは、物凄く嬉しいことです。これで、この夏の活動はザンビア行きと日本のインターンに加えて3つ目。先月日本でお会いしたあるMBAの先輩に、「MBA2年間での一番の学びは、インターン。とにかくインターンを一杯頑張ったほうが良いよ」、と言われていましたが、奇しくも、留学前にMBAで学びたかった3つのテーマである、MOT(Management of Technology:技術経営)、ファイナンス、グローバルマネジメントの全てを、実地経験で学ぶことができて、大変幸運だと思います。大学が始まる8/21(金)までの2週間半、という短期間ではありますが、貴重な経験の中で集中して多くの学びを得たいと考えています。


(注1) 環境技術やエネルギー技術を扱うベンチャー企業のこと。オバマ大統領がグリーン・ニューディール政策を謳うようになってから、「グリーンテック」と呼ばれることも増えたが、今は「クリーン」も「グリーン」も共に同じ意味で使われていると思われる。私は個人的趣味で「クリーン」の方を使っている

(注2) なんでこんなに直前になったか、という話は、機会を見て、インターンシップを取るためにどういう活動をしたか、という話で、改めてまとめてエントリーとしたいと思います。

(注3) 前回のエントリ参照。ちなみに、買った本のうち無事5冊はこの業務に役立てることができました。
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by golden_bear | 2009-08-07 08:06 | インターン


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