A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
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【最終回】「A Golden Bearの足跡」ベスト10

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写真は家に届いた卒業証書(注:中の証書のみ。額装は証書受領後に、日本で個人的にお願いしたもの)になります。卒業式自体は5月14日でしたが、9月下旬になって卒業証書が発行された旨の連絡を受けました。その後、小切手を大学宛に送ることで、10月上旬には自宅に証書が届きました。私の就職先の場合、卒業証明書原本のコピーがなければ本採用とさせてもらえないルールがありましたので、これを持っていくことで社員になると同時に、ようやく卒業気分を味わうことができました。

そして、ついにこのブログも最終回を迎えることとなりました。最後の記事として何を残すか、は、ずいぶん昔から決めていたのですが、私自身が在学中の2年間に得た経験の、独断と偏見に基づくベスト10になります。そもそも莫大なお金と時間を費やしてMBAに行くかどうかを決めたり、進学先をどの大学にするか決めるにあたって、最も重要な点は、できる限り「卒業前と卒業後の2年間のギャップを大きくする」ことでした。この点、映画「いちご白書」の舞台になる程、新しいことを始めざるを得ない校風に加えて、シリコンバレーが目と鼻の先にあるバークレーには、私がお会いした諸先輩方を見渡しても、行く前と行った後とで考え方や人生そのものが全く変わってしまった人が多かったのです。

実際私自身に関しても、今現在金融関係の仕事に就いているとは、入学前には周りの誰もが全く想像しないことでした。そしてMBAの2年間のアウトプットとして、この大きな変化が得られたこととはとても有難いこと。毎日大変ではありますが、日々新たな経験が蓄積される全く飽きの無い楽しい人生となっております。ちなみに、卒業後の状況については、もともと書く予定はありませんでしたが、卒業後も学びと変化が継続して発生していることを踏まえ、断片的ですが前回の記事に書ける範囲で記載しています。

このように、卒業後の生活は実際に入学前には全く想像がつかない世界になっているのですが、当然ながら、在学中にHaasで得たことも、事前に「こうだろう」と予想していたものとは、全く違うものでした。その経験そのものは既にこのブログでさんざん述べてきていることではありますが、私自身に2年間のギャップを発生させたトランジション・プロセスとして、もう一度Haasで得た経験のベスト10という形で並べることで、最後のまとめ記事と致します。ちなみにこのベスト10、草案自体は、卒業式の2日前である2010年5月12日にメモを取っていたものです。今見ると1つだけ順位が違う、と思うものがありますが、当時の臨場感を重視するため、当時の順位そのままを注釈付で残しておきます。


----- 独断と偏見による、作者が選ぶ「A Golden Bearの足跡」ベスト10 -----

第10位: MBAA(生徒会)への立候補
2008年11月頭の「敗軍の将、将を語る - 選挙戦を終えて」の記事にあります。ひょんなことから、立候補することになり、一生懸命スピーチを考え、落選の悔しさを味わうことに。この経験以前は、Haas MBAには人見知り気味に「お客さん」「評論家」モードで一歩引いて参加していましたが、この体験以後、バークレーという素晴らしいリソースを自分自身で最大限に有効活用するべく、様々なイベントを「主体的に」「積極的に人を巻き込んで」自分の目的通りに動かして行こう、という意識に明確に変わった第一歩でした。そして、MBAはリスクフリーに失敗できる場であり、むしろ失敗が称賛されることから、学生のうちに失敗できるだけ失敗してやろう、という気になりました。

最後に、これに出るに際してスピーチの授業が大変勉強になったのですが、その教官であったProfessor Billが、この1か月半後に出張先のマダガスカルで急逝されたことは、本当に衝撃でした。この場をお借りして、再度ご冥福をお祈りいたします。


第9位: Washington Campus
ワシントンDCの生態系(司法、立法、行政にかかわる、政治家、官僚、政策秘書、アナリスト、ジャーナリストなどなど)がビジネス業界とどうかかわっているかを1週間でみっちり学ぶコース。UC Berkeleyが州立大学であるからこそ参加・登録の機会に恵まれ、2009年1月にワシントンDCまで行って参加してきました。Washington Campusのカテゴリーに記事はまとめてあります。それまで政治とは全く縁遠い生活を送ってきた自分ではありますが、米国や中国で仕事をした際に政府機関との関わりが避けて通れなかったこと、また、日本の政治・行政システムがあまりにも酷いのではないか、と感じていたことから、米国の行政システムについて無性に学びたくなり、妻との旅行も兼ねて冬休みを返上して行ってきました。

結果、知らない国の専門外の制度について英語で学ぶにはさすがに敷居が高く、講義内容が100%自分の身になったとは到底言えないものの、次に同様のトピックについて考えなければならなくなった時の基礎知識くらいは身についたと思われます。また、この時同じチームを組んだメンバーと調査したBetter Place社について、後に別の授業でコンサルティング・プロジェクトをやることになるなど、すべては一期一会でつながっているのだ、という意識を新たにしています。


第8位: ゴルフ修行
趣味・生活のカテゴリーを眺めていると、半分くらいの記事はゴルフになっておりました。30過ぎの手習いとはいえ、さすがカリフォルニア。1年中驚きの安さでできることから、ゴルフをスタートする環境としてはもってこいでした。まだまだ初心者であり、引き続き一生練習していく必要がありますが、その出発点としてモチベーションを高めることに成功しました。


第7位: 中国語の修得
カテゴリー中国語学習に大体まとまっています。Haasの自由なカリキュラムを象徴するかのように、学部1-2年生向けの中国語コースに無理やりもぐりこんで習得。とはいえ、そもそも厳しい米国大学のカリキュラムの中で、最もアジア教育のレベルが高いUC Berkeleyの中国語。生半可な厳しさではありませんでした。日本の普通高校1年生が使う英語並には、中国語が叩き込まれたこと、教授と学生に感謝です。


番外編(1):10位以内に入らなかった経験
 思い出せばきりがないのですが、惜しくも10位以内に入らなかった経験もたくさんあります。卒業後半年たった後の視点で、ここに3つほど挙げてみます。

 ○ 旅行: カテゴリー旅行にて、西海岸ドライブ2回(2010夏・2008冬)、マウイ島、南カリブ海クルーズの状況はまとめられています。MBAの2年間には長期休暇のチャンスが何度かあり、世界中を旅する学生が多いです。ただ、私の場合は長期休暇中の活動はインターンを優先させており、授業でザンビアやワシントンDCに行ったこともあり、またバークレーにいること自体が旅行をしているようなものでした。あまり旅行をした感覚がないことから、Top10からは外れました。

 ○ C4C: 2年間の間には、興味の赴くままに、数多くのイベント・講演会に出席してきましたが、純粋に参加者・視聴者の立場として1つ印象に残っているものをあげると、このC4Cになるのでは、と思います。内容は西海岸の9大学のMBA対抗スポーツ大会なのですが、参加するためにボランティアを5時間しなければならない上に運営費として$60もかかる、行ってみたら想像以上に学生の参加者が多い(がそのほとんどが米国人)など、とにかく大がかりなチャリティーイベントです。Challenge for Charity(C4C) - 非営利活動への不純な動機C4C(Challenge for Charity)2年目に気付いたこと、に内容がありますが、米国ビジネスにおいてチャリティーが如何に重要な思想を占めるか、ということを身を持って思い知ったイベントです。

 ○ Haas Talent Show: 第1回 Haas Talent Show への出演第2回 Haas Talent Show: 留学中に芸を磨き表現する意義、と、2年連続で妻との連弾という形で出場させていただきました。仕事を離れて妻とともに趣味の世界に没頭する時間を持てた上に、400人を超す観客の前で念願だったRhapsody In Blueを演奏でき、さらにタレント揃いのMBA同期友人たちの技を見ることができた、素晴らしい機会でした。


第6位: 西海岸での就職活動
カテゴリー就職活動にまとまっています。日本向けにも米国向けも就職活動を試みたのですが、やはりリーマンショック直後で内定切りが相次いでいるような状況の中、米国企業数十社に対して面接のアポを無理やりセットしては落とされまくった経験は、その都度打たれ強くなる意味でも、英語で自分という商品を売り込む営業スキル向上のためにも、いまだに相当役に立っていることは間違いありません。


第5位: Haasでの通常授業
これは卒業式直前当時は第5位としていましたが、今なら第2位か第3位にしているかもしれません。学業というカテゴリーに概要が多数書かれてあります。日本に帰って友人たちと本ブログについての話になっていても、面白いと言われる記事はここのカテゴリーに書かれていることが多く、やはりMBAの価値は授業にあるのでは、と思い直している所です。5月の卒業直前当時に残したメモには、「特にアントレ系(VC&PEなど)、ファイナンス系、コンサルティング・プロジェクト系の授業群は、素晴らしい」とありますが、今仕事の役に立っているのは、OB(Organizational Behavior)系とイノベーション・MOT系になり、将来的に変わってくると思います。いずれにしても、授業中に四苦八苦して考えたり、他の学生と議論したりレポートにまとめた経験は、様々な機会で自分の生き方に影響を与えていくことでしょう。


第4位: インターン
インターンの内容については、あまり公にできないことも多いため、少しだけインターンのカテゴリーに記事があるにとどまります。夏休みの日本でのインターン、夏から秋にかけてのシリコンバレー・スタートアップでのインターン。その他全く記事には出てきませんでしたが、私費学生という立場を生かして単発で引き受けた仕事も、3つほどありました。計5つの経験は全て今につながっており、米国で行った4つの仕事で当時調べた内容が、1-2年たって今の仕事役に直接役立っていることもあります。いずれにせよ、グローバルなビジネススキルを上げるには、働いてみることが一番で、それをシリコンバレーでできたのはとても良い経験でした。


番外編(2) やりたかったがあまりやれなかったこと
Haasが提供する授業やイベントの機会を全て取ろうとすると、単純計算でおそらく6年くらいかかると思われます。Ph.Dコースにいれば満喫できるのかもしれませんが、MBAとしては2年で社会復帰しないと現場の勘が鈍るため、どうしても取捨選択する必要があります。下記に、経験できなかったことの例を並べておきます。

 ○ 取れなかった授業: ほかにも取りたい授業はいっぱいありましたが、ある授業は人気が高すぎてオークションで落札できず、別の授業は時間がかぶっていたり、私が忙しすぎて取れなかったものも多数あります。

 ○ Certificationの取得: MOT系、あるいは、アントレ系の授業を、指定された形でまとまって取ることで、その分野のCertificationを受けることができたのですが、私の場合ちょうど興味がファイナンスとアントレとMOTの3つにまたがってしまったため、何かのエキスパートになるような授業の取り方になりませんでした。まあ、Certificationがあろうとなかろうと、ビジネス上で何かの第一人者になるには、MBA以降の研鑽が益々重要となってきます。

 ○ 行けなかった行事・旅行: 興味をひかれるイベントが一日に2つも3つも重なるため、出席できなかったものも多数。特に、まとまったところでは、学生旅行。我々がJapan Trekを企画したのと同様に、イスラエル、ブラジル、コロンビア、ベトナム、ペルーなどに行っているグループがあったのですが、そこへの参加が全くできなかったのが、少々惜しまれるところです。


第3位: グループ活動とその結果としてのネットワーキング
必修授業のスタディグループに始まり、選択授業の大多数、各種コンペティションやクラブ活動など、この2年間はとにかく様々な仕事に関係ないグループ活動が行われました。その中で、最初はチームにどう貢献するかお互い試行錯誤しながらも、3か月のプロジェクトが終わる頃には、結果を出し終えた同志としての連帯感が生まれます。そして、240人という狭いコミュニティーの中では、「あいつはXXのテーマには使える/使えない」という評判が広まり、結果が次のチームを授業にも授業外にも、ひいては自分の就職活動にも影響するような形で形成される、という循環の連鎖が出来上がります。

社会人になって、仕事上の関係以外に、自分の興味と実力を頼りに出来上がったネットワークというのは、一生の友が生まれる非常に重要な機会でした。そのネットワークを生むイベントとして、代表的なものを下記いくつかの記事やカテゴリーでまとめています。

○ Asian Business Conference: アジアに強いバークレーというインフラを生かして、実は日本人でありながらアジアについてあまり知らない自分にとっては改めて勉強しなおすとともに、数百人規模で時間ぎっしりの会議を企画・運営する非常に有意義な経験ができました。この時に構築した人間関係については、未だに1歳下の運営幹事から問い合わせを受けたりして、関係の継続を感じています。概要はABCカテゴリーにまとめてあります。

○ M&Aケースコンペティション: 卒業直前に飛び入りでEWMBAの方々のチームに飛び込んだ経験。M&Aコンペというカテゴリーでまとめています。

○ UC Berkeley Business Plan Competition: 2009年春に、ブラジル人経営者、イスラエル人弁護士、カナダ人投資銀行出身と私のチームで出場するも、準決勝敗退。ビジネスプランカテゴリーに概要あります。

○ Japan Trek: Japan Trek 2009 まとめと振り返りの1記事にまとめて書きましたが、この、グローバルの同期学生に対して日本の何を訴えるか、という一大プレゼンテーションを設計・運営した経験は、日本人としてのMBA生活のハイライトだったと思います。

○ JGRB: JGRB 新入生歓迎パーティーからの学びJGRB 立ち上げの舞台裏と振り返りの2記事で書きましたが、世の中に無いサービス・団体をゼロから自分で立ち上げてみて、自分でした苦労や関係者をその苦労に巻き込んだことは、まずそのこと自体が貴重な経験でした。そしてその結果として、バークレーのみならずベイエリア全体でつながった様々な方との関係は、帰国後も続いています。また、この団体は進化する形で継続しているようで、創設メンバーとしては嬉しい限りです。幹事をしていただいている後輩の皆様に感謝するとともに、今後も様々な形でバークレーのコミュニティーから面白いネットワークが生まれることを期待します。

他の形でも、ネットワークが発生し形成され分散する過程は学校のイベント学校以外のイベント、のカテゴリー中に、様々な形で書かれております。ここで関わったすべての方々に、この場を借りて、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


第2位: IBDのザンビア紀行
上記第10位-第3位までの経験は、きっとMBA生であればどこのビジネススクールに行っても、多かれ少なかれ誰かが経験しているような話です。しかし、ここで挙げたIBDのザンビア滞在1か月間の経験に関しては、他のビジネススクール、あるいは、他のHaas学生にはない、私自身固有の経験だ、と堂々と言えるものです。このため、第2位に挙げた上で、卒業後半年にわたり、IBD(ザンビアプロジェクト)カテゴリーにて、大切な自分自身の記録としてまとめています。今の仕事の何に役立った、ということは具体的にはありませんが、30年後の視点を想像して一番役立っている経験になっている予感がしている、とにかく固有の体験でした。


第1位: ベイエリアでの生活
最後に述べる第1位は、皮肉にも私自身が最もブログ上で表現していない、ベイエリアの生活そのもの、です。冒頭でもいちご白書の例を挙げながら、「バークレーは特殊な土地である」という書き出して始めたこの記事ですが、世界中でこの場にしかないと思われる、人を知的に明るくハイにさせるような特別な空間があるのです。こればかりは来て実際に2年間を過ごした人にしかわからないのですが、強いて言えば、社会・風土のカテゴリーを見ていただければ、その一端を垣間見れるのかもしれませんが、とにかく私のブログ・稚拙な文章では全く表現できるものではありません。

もう一つ別の視点で、私がベイエリアの生活をうまくブログに表現できなかったのは、他に素晴らしいブログが一杯あるからでもあります。例えばUC Berkeley Haas MBA 日本人Websiteの在校生、あるいは、UC Berkeley関係者の奥さまのリンク先を見ていただいた方が、感覚が伝わるかもしれません。

そして、何よりも生活というテーマは、2年間を共に過ごした妻の存在抜きには語れません。当初は米国嫌いだった妻が、最初はさして興味を示さなかったバークレーという土地で、実際に2年間過ごす中で、様々なことを感じ、試して実行し、私以上に素晴らしい経験や実績、ネットワークを築いている。この妻の新たな一面や成長に驚き、またその時間を共有できていることが、非常に私自身の勉強にもなった2年間でした。改めて、人間は一人では生きていけず、そしてその生きる場として様々な意味で最高の環境が整っているバークレー、ベイエリア、カリフォルニア、という土地そのものを、我々夫婦にとっての第1位としています。

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本日は2010年12月31日。思えばMBAを受験すると決めたのが2007年の元旦。ちょうど丸4年の歳月が過ぎたこの日にMBA生活を振り返っていると、本当に様々な方々の支えがあって留学が成り立ったのだ、という事実とともに、感謝の気持ちで一杯になっています。留学前には、そもそもMBAに行くべきかどうかの相談をさせていただいた人生の諸先輩方、忙しいプロジェクトの最中にMBA受験準備の時間を割くことを許していただいた元チームメンバーの方々、莫大な時間をかけて快く推薦状を書いていただいた元上司の方々、Haas以外にもキャンパス・ビジットで説明頂いた各校在校生の方々、Toefl/GMATの攻略やエッセイを共に考えた予備校・カウンセラーの方々などなど。留学の2年間においては、書ききれないほどたくさんの人がいますが、共に時を過ごした同期・先輩/卒業生・後輩やそのご家族の方々、教授、スタッフ、地域や旅先で知り合ったり再会した方々、インターン先でお世話になった方々。そして、この留学を金銭的その他さまざまな形でサポート頂いた私と妻の両方の両親と、4年間ずっとハラハラドキドキしっぱなしの生活についてきてくれた妻に、本当に感謝いたします。

最後に、このブログを訪問し、少しでも文章を読んでいただいた全ての方々に、この場をお借りして、感謝いたします。バークレーで2年間を過ごした一人の学生の記録から、何か新しい発想やネットワークが生まれることを期待して、ここに筆を置くことと致します。今までのご意見やご声援、本当にありがとうございました。

A Golden Bearの足跡 完 
2010年12月31日

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by golden_bear | 2010-12-31 23:52 | 全般
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