A Golden Bearの足跡 |
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大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。「UC Berkeley Haas MBA生活で、見たこと起こったことで、面白いと思ったことを中心に、そのまま残すスタイル」で続けてきたこのブログも、開設からはや1年と5ヶ月。この、想像以上に楽しい西海岸での留学生活では、「」に該当する体験は常に尽きず、特に継続を意識しなくてもネタが勝手にたまって行き、その質・量とも恐らく半分も表現できないながら、自然とここまで続いて参りました。卒業まであと4ヶ月の短い間ですが、最終学期も同じスタイルで続けて行きたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
挨拶と共に、タイトルの2つの内容を併せて記事にしておきます。先に新年の体験。1月6日より慶事のため1週間ほど日本に帰国し、一昨日バークレーに戻ってきました。その間、帰国前にはベイエリアに残っていたMBAの友人達(大学・国籍問わず)と食事やゴルフを楽しむ傍ら、あるスタートアップ企業の全社戦略構築を手伝わせていただき、大変勉強になりました。日本では、到着日の夜から出発日の昼まで、いろいろな方にお会いできて、新たな知見やエネルギーを頂きました。今回お会いできなかった方とも、また世界のどこかでお会いできることを、楽しみにしています。 そして、これが卒業前の最後の日本滞在になると思い、例によってBook-off秋葉原店と東京駅の東西にある2つの巨大書店、成田空港の2つの本屋から、計45冊を仕入れて戻って来ました。鳩山首相は28冊大人買いしたそうですが、その書店には1日遅れの同じ時間に入ったので、会えずに残念。首相が買った28冊と、似たようなコーナーから似たような本を選んだはずなのですか、私と被ったのは今回買ったもの1冊、元々持っていたもの2冊の、合計たった3冊でした。出版不況といわれながら、政治経済のこととなると、読まれる書籍はいっぱいあるんだなあ、と感じました。 他には、今回30分以上滞在した駅/町として、1都2県の10駅の状況が印象に残っています。新年3連休という特殊性もありますが、特に自由が丘と横浜の2駅(及びUNIQLO)は、どこが不況か、と思うくらい、人でごった返していて、1-2年前に行ったときに比べて活気が戻っている印象に驚きました。一方、大きなコンプレックスや百貨店・スーパーに全然人が入っていないこととのギャップの大きさ、二極化の進み具合にも驚きました。もちろん全く主観で書いているこれらの情報には客観的な価値は無いですが、このように半年に1回だけ帰国するような生活では、良くも悪くも、現場に行った体験に敏感になるようです。 次に、世の中では、JALの法的整理やGoogle(携帯・中国など)はじめ、驚く事件が山積みですが、私にとってやはり一番ショックが大きいのは、ハイチの大地震です。というのは、次のように、この1ヶ月の間にハイチがとても身近になっていたからです。 ○ 先月訪問したドミニカ共和国のサマーナ港から、震源地までは、僅か250kmしか離れていない。実際に会ったドミニカの方々が、隣接する敵対国へ真っ先に救援物資を送っている ○ 地震前日の1月11日に新宿で友人に会ったときに、道で見かけて入った喫茶店が、ハイチ・コーヒーの店。ハイチ特産の美味しいコーヒーを頂き、カリブ海を思い出していた これを受けて、まず第一に、日本でいう山手線の内側の建物とシステムが全滅したような被害の深刻さに、大変驚きました。もし今、無鉄砲な無職私費学生&米国在住者としては貧困層に相当する私の身に降りかかっていたら、家族共々あの瓦礫の中にいる立場なのかもしれん、とぞっとしました。仮に生きていても卒業も就職も断念する可能性があり、本当に人生何をリスクと考えてその対策をどうするか、考え直すきっかけになりました。 次に、下記のような、米国の対応の凄さを、改めて感じています。 ○ 政府: あっという間に100億円の援助を決め、軍隊を派遣、米国の最優先課題に設定、"You will not be forsaken(あなた方は見捨てられることはない)"というスピーチ、、、ハイチ人と同じくアフリカ系のオバマ大統領による、この素早い行動は、かっこよすぎで心を打たれます。9.11テロ以来、中東関連で物議を醸しながら注目を集めた前任大統領とは全然違うやり方で、リーダーシップを発揮する機会に恵まれる、この大統領と米国という国の組み合わせは、やはり只者ではない、という感じです。 ○ 報道: CNNが全ての番組をほっぽり出して、看板キャスターが現地入りして、徹底して地震関連のニュースのみを流す。NBC他ニュース専門でない他局も、CNN同様米国内のハイチ人を呼んでインタビューするなどで追従しています。この動きを見て、やはり「情報を集めて編集する」報道機関の力は大きいな、と実感しています。 ○ Webサービス: Twitterは、元々設立当初の狙い通り災害の状況を伝えるのに役立った、と思いきや、今回は実際には多数のデマが流れて信頼を欠いているようです。一方で、Googleはハイチ向け特製衛星画像の提供を依頼されたそうで、救援活動のページもすぐに立ち上げており、さすが世界の情報をくまなく収集するミッションに忠実に見えます。 最後に、日本の反応を見てみる。すぐに、岡田外相に対応が遅いのでは、という質問が記者から飛んだ、というニュースが目に付きましたが、個人的には、今回の対応は、問題ないのでは、と思っています。なにしろ、地球の歩き方の「カリブ海の島々」編に、地名以外一言も紹介されないくらい、日本から見てハイチは地理的にも文化的にも遠い。既に滑走路が足りない、という状況の中、目と鼻の先にある重要拠点の米国が行う支援とは全然意味が違うと思います。むしろ、同じ地震の多い島国ならでは可能な援助という意味で、一段落した後の復興支援ができたほうが意義があると思います。短いインタビュー発言からは外相自身もそう考えているようです。 そして、次にアジアや日本国内で同様の震災があった時に、今回の米国に学んで素早く動ける体制を整えることが重要と思いました。この点で、1つだけ、今四機になった情報収集衛星は何をやっているのか、だけは気になりました。毎年数百億円の予算がつぎ込まれている中、軍事機密ということもあり全く情報公開されていませんが、少しは情報公開してくれた方が、日本の宇宙開発の方向性がはっきりして良いのではないか、とも感じています。 ハイチで被災された全ての方々の一刻も早い回復、そして亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
by golden_bear
| 2010-01-14 23:36
| 社会・風土
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