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A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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南カリブ海クルーズ(6)アンティグア・バーブーダ: セント・ジョンズの残念な日

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全旅程の中日にあたるこの日は、3つ目の島、アンティグア島にあるアンティグア・バーブーダ(Antigua and Barbuda)国の首都、セント・ジョーンズ(St. John's)に訪れました。初めてツアーに参加せず、港周辺を散策。元々この島にはそれほど期待はしていなかったのですが、その期待値を下回る残念な印象を色々と感じた日でした。

ツアーを選ばなかった理由は、「ビーチを楽しむなら最初2つの島で、3つ目の島からはショッピングを」というショッピング・コンサルタントのタマラさんの助言通り、この島から土産物屋(主に宝石店)の数が急増したこと。したがって、ここでとりあえず店めぐりをしてみて、高いツアー追加料金を極力避けるべく、4日目、5日目の活動を再計画するつもりでした。着いてみると、船が2隻並ぶ今までよりは全然大きな港でした。
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島の印象を箇条書きにしてみます。
○ 海や港が汚くて残念
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さすがに「ビーチを楽しむなら」のお勧めに入っていない通り、港から見える海があまり綺麗じゃない。また、港自体にも最初2つの島よりは様々な店が並んでいるとはいえ、雑多で寂れている印象。

○ 特産品が目に付かず残念
 港の船着場近くの一角に、いかにもクルーズ客向けに用意されたようなお洒落な店が並ぶ一角がある。
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船で渡された「(安全な?)お勧め店リスト」に並ぶ10軒あまりの店も全てこの一角にある。10軒も見て周るの大変だなあ、と思っていたが、案外楽で拍子抜け。なぜなら、
 - その殆どが、宝石店で、あまり代わり映えもしない
 - その殆どが、船内にある免税店、あるいは他の港でも毎回見られるチェーン店。店で聞いても、「全ての宝石は違うから、この港で見た宝石はここでしか手に入らない」とはもちろん言われるものの、基本的なラインナップに差が無い つまり、アンティグアならでは、というものが何もなかったのです。まあ、各チェーン店を1件1件見て、「これ本物?」と疑うくらい安い値段がついている店そうでない店など、特色の違いをじっくり見れたことは、有意義でした。

○ 首都の観光名所がしょぼくて残念
 この港が一応首都のようですが、目に付く観光名所は、「セント・ジョーンズ教会」と「アンティグア博物館」の2箇所。歩いていける距離なので、2つとも見て周ってみました。

まず、セント・ジョーンズ教会。
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古くから島のシンボルとして雄大に高台から見下ろしているこの教会。遠くから見ても荘厳で、近づくにつれ何が見れるのか徐々に期待が高まっていったのですが、
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門に入るとなんと「壊れているため入れません」。しかも、修理中ならまだしも、修理をしようとしている気配無く放置されており、1歩歩くたびに様々な色のトカゲが出迎えてくれたのは楽しい衝撃。
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このように、町のシンボルがまさに廃墟のようではどうかなあ、と言う印象。

次に、アンティグア博物館。
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何か別の用途だった建物の看板だけ付け替えて博物館にしたような感じ。入ると部屋のど真ん中に座っているおじさんに"$3"と言われて払うと、その場を見渡すだけで全ての展示が終わってしまうような狭さ。
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「プレートの境にあって昔から火山活動が活発な様子」とか、「この島特有の動植物」、「イギリス人による占領の様子」など、この島の簡単な概略を見れてそれはそれで楽しかったが、5分で終わってしまった。すなわち、この国特有の歴史・社会・自然科学全体が、5分で終わる程度の物しかない/公開できないのかなあ、と想像すると、なんだか残念な気持ちになりました。

1つ目を引いたのが、「プランテーションのバランスシート」。
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収入や支出に当たる項目が入っていたりして、この時代の「バランスシート」という言葉がどう定義されているのか分かりませんが、とりあえずどう見てもバランスしているように見えない。負債&資本が資産の10%くらいになっており、残りの消えた90%はいずこへ?税金逃れ??搾取??と想像すると、楽しいです。


○ 町の人に目的意識と覇気が見えず残念
アンティグア博物館内に土産物屋さんもあったのですが、私が入っても店員さんは声すらかけず、真ん中のおじいちゃんと雑談。これを見て気付いたのが、この島の人の見た目の目的がわからないこと。大抵の国・場所では、道ですれ違う人が、どこかに向かっているのか、単にのんびりしているのか、物を売ろうとしているのか、引ったくりの可能性があるのか、という程度は雰囲気でつかめるのですが、どういうわけかここの町の人は良く分からないのです。
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たとえば店を覗くと、中には子供の世話をしている人と、商品も見ずに突っ立っている人がいて、どちらも店員にも客にも見えない。このように、町の人が概ね何をやっているのか良く分からないので、ひいては、町全体に目的意識と覇気が無い様に見えます。
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上記博物館や教会で感じたことを、アフリカの成功国・失敗国の状況に照らし合わせて考えて、恐らく『植民地に慣れてしまったせいで、国・政府が国民に対して明確な目標設定やリーダーシップの発揮を、長らくしてこなかったのではないかなあ』、と想像しました。と、ここでふと、「多かれ少なかれ『』の部分って、今の日本にそのまま当てはまってしまうのではないか?そして、今の日本は、外国人から見て、目的意識と覇気が無い様に見えてしまうのではないか」、と思う。なにしろ、この国は今回訪問する島々の中で唯一経済成長率が減少傾向なのですが、日本も世界の中で珍しく同様です。あまり他の国を笑っているわけにはいかないなあ、と反省しました。

一方、こんな状況でも、町にいる人々の着ているものと顔の表情を見る限りは、米国内で見かけるヒスパニックや黒人の方々よりは、とても裕福そうに見えました。いったい何が幸せなのか、考えてしまいました。

というわけで、主に残念なところばかり書いてしまいましたが、1つメリットを書くとすると、この島は実はツアー/アクティビティーの種類がとても豊富で、かつ他の島に比べて割安です。GDPの絶対値も他の島に比べて多少少ないので、恐らく人件費や設備が安いのでしょう。というわけで、安かろう悪かろうかもしれませんが、ゴルフコースは良かった、という話も聞きますので、旅行中に様々なアクティビティーをやりたい場合は、比較的お勧めかもしれません。
by golden_bear | 2009-12-22 22:36 | 旅行
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