A Golden Bearの足跡


UC Berkeley Haas School (MBA) における、2年間の学生生活の記録です。
by golden_bear
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敗軍の将、将を語る - 選挙戦を終えて

世間がオバマ当選一色で浮かばれていた水曜日、私は学内選挙で惜しくも破れることになりました。今回の選挙では、直前の登録変更はあったものの万全の体制で望めたと考えています。にもかかわらず負けてしまったのは、構造的な要因と、自分の性格の要因の2つがあるように考えております。

まず、構造的な要因として、「米国人」の「女性との一騎打ち」になってしまったこと。こう書くとフェミニストの方々の反発を招くことは必至なのですが、とにかく、こういう場で女性は強いです。実際に今の2年生の役員(リンク)は全体13人中6人、しかも上位7ポストのうち6人が占めています。今回も生徒会長は強豪の男性3人を抑えて女性が当選、事前のクラス委員候補でも女性が男性を破る、一方女性2人男性1人の選挙区で男性が当選したりしたことからも、女性1人という条件では、男性からも女性からも票が集まりやすくなり当選し易い印象があります。

さらに、これは当然かつ突破しなければならない壁なのですが、やはり留学生の立候補、というのは大変厳しかったように思います。今回も立候補者全体34人中10人が留学生だったのですが、当選したのは対立候補がいなかった選挙区の1人だけ、戦った9人は全敗したことになります。約4割が留学生、約3割が米国人だが多国籍経験を持つバークレーにおいてもこういう結果になってしまったのは、それだけこの生徒会という組織のステータスの高さ、就職活動で有利になる、という実利以外にも、アメリカの大学だからアメリカ人が運営するのだ、という気概のようなものを目の当たりにした印象です。

付け加えると、上手く根回しができなかったこと、もあるかもしれません。ビデオで後から配信されるとはいえ、選挙のスピーチを恐らく全学生の2割程度しか聞いていないこと。加えて、投票システムが組織票が入り易い仕組みになっているようで、私の友人も選挙終了後システムについて早速改善要望を出してくれました。ただ、この課題に関しては、全員宛メールで投票を訴えていた人がことごとく落選している、など表面的な対処でどうなるともいえず、代替案は未知数です。

また、自分の性格の要因と致しましては、公約に野心的な内容を書けなかった、ことが挙げられると思います。私は、この金融危機でスポンサーが撤退している現状を考え、資金繰りに関しては公約の第2点で、「新規クラブや新規活動を歓迎し、資源配分の問題解決を行う場を定期的に設定する」という表現に留めましたが、一方で対立候補の方は、はっきり「スポンサーを募りクラブの資金を増やす」を第1の課題と明言していました。私から見ると、「当選したらどうするの?」と言いたくなる公約でしたが、そこはもし立候補者、支持者ともに、在米富裕層の世界で生きてきた方々であれば、お金を集める、と宣言してしまうことに対するリスクがあまり無いのかもしれないです。実は、自分自身リーダーシップの定義を「まだ見えていない将来の希望を描き、人々を実際にそこに連れて行くこと」と考えているつもりだったのですが、大舞台において、そう頭では分かっていたものの実際には前半部分を実行できなかった/後半部分を意識しすぎた、という自分の振る舞いに対する気付きを得た意味で、大いに勉強になりました。

今回、上記制約があると分かっていながら、自分で自分をコンサルティングするつもりで、当選するための課題設定から解の仮説設定、検証、実行可能なワークプランの設定、コミュニケーションプランの作りこみ、それらを自分に染み込ませる訓練まで、何人もの方を巻き込んで、自分の最善策を出し切ったつもりです。にもかかわらず、実際に敗戦を迎えて、コンサルタントでは決して味わえない、当事者の気持ち:「戦略も最善に見えるし、その通りやれれば勝てるだろうし、実行プランも確実にやれると思う。それでも、結果責任は負いたくない。やれません。」と中間管理職の方が言う気持ち、が少し分かった気がします。

選挙を終えて、まず投票してくれた全ての人に感謝したいと思います。特に、今まで全く顔も知らなかった5名以上の方々から、「お前のスピーチが良かったから、投票したよ」、と言われたのは非常に励みになりました。次に、私の選挙戦略を一緒に練ってくれた現職議員の方、休日を返上して公約の推敲を手伝ってくれた友人達、公約に載せる写真を何回も取り直してくれた妻、休み時間にスピーチの練習に付き合ってくれた友人達(日本語読めませんが)、本当に頼りになりました。そして今、生徒会役員にはなりそびれましたが、引き続きHaasの一員として、自分でより良い大学にできる部分ではできるだけ貢献していくつもりなので、今後も仲良く宜しくお願いします。最後に、このアメリカという国で、白人の女性、男性とも見事打ち破り当選したオバマ氏には、非常な驚愕と敬意の念を示します。。。

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と、某ビジネス週刊誌の連載をもじった文章を書いてみましたが、これが案外筆が進む進む。負けた悔しい状況で、何がいけなかったか本能的に考えたくなるし、感情的になって言い訳も出てくるし、きっと毎週この連載を書いている記者、編集者はとても楽しくて仕方ないんだろうなあ。

ともあれ、役員選挙への立候補。もし当選していたら、毎週10時間の激務が待っていたのですが、そのために(1)米国人と自分の利害のために丁々発止の議論ができる:これは、米国人の恋人を作るのと同じくらい英語&文化を体得できる方法だと思います、および、(2)本当に就職活動に強い:人気企業は、この役職の人を優先してインターン内定者を出しているように見える、という、少なくとも2つの利点があります。仮に落選しても、公約を考え抜いてスピーチをするだけで相当鍛えられますし、現職や対立候補はじめ、深い関係の友人ができる/少なくとも話のタネになります。というわけで、今後MBAを志す方々、合格した方々は、ハードルは高いですが、一つの活動のオプションとして考えてはいかがでしょうか。
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by golden_bear | 2008-11-07 21:34 | 学校のイベント
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